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「眼鏡を売る」のではなく「見え方をつくる」 長岡市大手通「むずかしいメガネの専門店 アイワールド」 認定眼鏡士・原田代表取締役社長が考える、AI時代の眼鏡店 (新潟県長岡市)

にいがた経済新聞

眼鏡を新しくするとき、多くの人は「どんなフレームにしようか」と考える。けれど、本当に大切なのは、その先にある「どう見えるか」なのかもしれない。

新潟県長岡市の大手通商店街にある「メガネのアイワールド」は、そんな一人ひとりの「見え方」に向き合ってきた眼鏡専門店だ。眼鏡は、販売して終わりではない。眼鏡選びからレンズの相談、細かな調整、購入後のアフターケアまで、その人の目や暮らしに合わせて丁寧に対応している。

そんな同店を率いるのが、原田一平代表取締役社長(45)だ。原田代表は長岡市の生まれ。もともと長岡市内の別の眼鏡店に約10年間勤務し、眼鏡の仕事に携わってきた。2024年には先代の経営者から事業を引き継ぐとともに店舗を移転。これまで店を支えてきた顧客とのつながりを受け継ぎながら、新たに足を運ぶ人の相談にも応じている。長年培われてきた信頼を大切にしながら、自らが培ってきた経験と知識を生かし、新たな店づくりに取り組んでいる。

その専門性を支えているのが、眼鏡に関する専門的な知識と技術を備えた「認定眼鏡士」の資格だ。原田代表は従業員時代から通信教育で専門知識を学び、資格を取得。現場で経験を重ねながら、眼鏡に関する知識を体系的に身につけてきた。

こうした専門知識を生かし、眼科から出された眼鏡処方箋にも対応している。白内障手術後の眼鏡をはじめ、パソコン作業用、遠近両用、強度近視用など、用途や見え方に応じたさまざまな眼鏡を取り扱う。

必要とされる眼鏡は、人によって異なる。仕事で使う人もいれば、読書や車の運転に使う人もいる。だからこそ、単に視力の数値に合わせるだけではなく、どのような場面で眼鏡を使うのか、その人がどのような見え方を求めているのかまで考えながら、一人ひとりに合った眼鏡を提案している。

「眼鏡は、実際にかけてみないと分からない部分も多いんです」

そう話す原田代表。そこには、長年にわたって現場で経験を積んできたからこその実感がある。

日々の仕事に加え、東京、大阪、名古屋などで開かれる展示会にも足を運ぶ。新しい商品やレンズの情報を集め、業界の動きを自分の目で確かめるためだ。

もっとも、眼鏡業界の流行は、洋服ほど目まぐるしく変化するものではないという。

「洋服ほど、トレンドがすぐに入れ替わる業界ではないんですよ」

眼鏡は衣服のように短期間で買い替えるものではない。だからこそ、流行を取り入れながらも、長く使えることや、その人の生活に無理なくなじむことを考える必要がある。変わっていくものと、変わらないもの。その両方を見ながら商品を選ぶことも、この仕事の一つなのだろう。

一方で、眼鏡業界を取り巻く環境は、少しずつ変化している。

人口減少による人手不足を背景に、さまざまな業界で、これまで人が担ってきた作業を機械やAIに任せる動きが広がっている。眼鏡業界も、こうした技術の進歩とは無縁ではない。

原田代表が注目しているのは、再生医療などの新しい技術だ。

「視力検査も、そのうちAIに取って代わられるんじゃないかと思っています」

一方で、すべてがAIに置き換わるわけではないとも考える。視力を測ることやレンズを選ぶことだけでなく、目の前の人が何を求めているのかを会話のなかからくみ取る。そこには、効率化や数値の世界だけでは十分ではない部分もある。

「お客さんの気持ちをくみ取ることは、この仕事の難しいところでもあるかもしれません」

眼鏡士の仕事には、技術や知識に加えて、相手の話を聞き、その人に合ったものを考える力も求められる。長年の現場経験を持つ原田代表にとって、そこは今後も大切にしていきたい部分だという。

仕事では人の目と向き合い続ける原田代表。そんな日々の仕事を離れた休日の楽しみは、スニーカー集めと小説だという。本屋へ足を運び、気になった一冊を手に取る。慌ただしい日常から少し距離を置き、言葉や物語の世界に触れる時間が 自分自身と向き合うひとときでもあるのだろう。

人によって暮らしが違えば、眼鏡を使う場面も違う。仕事で使うのか、読書をするのか、車を運転するのか。一日のなかでどのように眼鏡を使うのかによって、必要とされるレンズやフレームも変わってくる。

「よく見える」というだけではなく、「その人にとって、どう見えることが必要なのか」。

原田代表が大切にしているのは、そうした一人ひとりの違いに目を向けることだ。目の状態だけでなく、その人の暮らしや使う場面まで考えながら、一人ひとりに合った眼鏡を提案する。

技術が進歩し、眼鏡業界の姿が変わっていくなかでも、目の前の人の話を聞き、その人に合った一枚を考える。商店街の一角で、そんな仕事が今日も続いている。

(文・写真 北条隆士)

店舗情報

むずかしいメガネの専門店 アイワールド
住所:新潟県長岡市大手通1丁目4-15
電話:0258-37-0282
営業時間:10:00~18:00
定休日:火曜日
駐車場:あり(駐車サービス券発行)
ペット同伴:可
支払い:各種クレジットカード、PayPay対応

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