【「南アルプス高山植物由来酵母とウイスキー&交流会」】加水で甘みが開くウイスキー原酒
静岡新聞教育文化部が200字でお届けする「県内アートさんぽ」。今回は、静岡市葵区の市産学交流センターで7月20日に開かれた「南アルプス高山植物由来酵母とウイスキー&交流会」。静岡市環境局環境共生課と、静岡大の文理融合組織「発酵とサステナブルな地域社会研究所」(代表・大原志麻静岡大人文社会科学部教授)の共催。
特種東海製紙の関連会社「十山」が運営する「井川蒸溜所」によるウイスキー原酒を試飲。南アルプスで採取した植物由来の酵母の中には、一般的なビール酵母「セレビシエ」に遜色ない発酵能力が認められるという。原酒は6月に仕込んだもの。口に含むと野の草木の香りが漂う。若い酒特有の荒々しさが感じられるが、舌先がじわりと溶けていくような快さもある。少量の加水で急速に甘みが開き出す不思議。骨格の強さを感じさせる酒だ。(は)