大阪南港ライトルアー釣行でキビレ2尾をキャッチ 真夏の高水温期に突入か
この日ふと海水温をチェックしてみると、梅雨明けから25℃をいったりきたりしているようだと情報を得た。イヤな予感がしたものだ。魚は海水温25℃を超えると露骨に反応が悪くなる。筆者の経験上、アジはもう絶対に釣れない。しかし、チヌやカサゴなら何とかなるか……と思ったら、エライ目にあった。
当日の状況
釣り場は大阪南港、シーサイドコスモ。潮回りは小潮で、17時に下げ切りで、22時頃に上げ切りがくる。西からの風を横から受けてしまうが、波っけもあったし、潮もわりと動いているように見えた。以外に悪くないんじゃないか?メバリングタックルでいく。PEライン0.3号、底をネチネチやる予定できていたので、7lbとやや太めのリーダーを90cmとった。
狙いものは、まず1尾を確定させたいので、カサゴから。2gタングステンのジグヘッドで、キワのボトムをとんとん叩いたり、横に引いたり、ダートさせたりする。反応なし。
すでにこの時点で釣り人は汗ビショ。体力の消耗は早そうだ。ぱぱっと釣って、帰りたい。
2時間反応なし
手数はアレコレと持ってきている。ワームの他にもマイクロメタル、プラグ、果てはよっちゃんいかという「ハーフ生エサ」までセコく持参した。しかし、そもそも一番食いがいいはずのワームに、もう一切触らない。「やばいんじゃないか」と思い始めたところで、巻き上げ時に、岸壁際で一瞬カサゴがワームの尾をつついてきた。直後、アジがメタルをチェイスしてきた。何も居ないわけではないらしい。
しかし、そろそろ釣り始めて2時間が経とうとしている。私はそこそこ魚の無反応にも無愛想にも我慢強い方だが、夏は体力面でのキツさがある。喉もバカみたいに乾いて、駅前の自動販売機で2本飲料を買い足した。正直……あきらめてしまいたい。
だが、個人的に今年は、「ボウズだけは絶対にやらない」と決めている。その執念を海にぶつけ続ける。
ようやく……キビレ到来
潮の上げ切りが22時にくる日だったので、「もしかしたらその前後に時合いがあるかも」とは思っていた。ここまで反応が救いと、その予感だけが精神的なよすがになる。この日では何をどうやってもワームではダメみたいなので、表層のプラッギングにチェンジした。なるべく壁際を通して、壁タイプのカサゴでも食ってくれたら上等だ。それで上がれる……。
そう思っていると、なんということか、小キビレが反応してくれた。こんなものは普段ならば「釣り捨てる」という感覚だが、この日は本当にキスしたいほどの喜び。しかも、ルアーをチェンジして、2連発。やはり22時周りに時合いがきたのだ。でも私にはもう釣るだけの余力がない。退くことにした。
この年、これほど疲れた日もない。ちなみに周りにいるアングラーは、生エサでカサゴの1つや2つが限界みたいだった。みんな口をそろえて、「暑すぎてあかんね」と言い合っている。本当にその通り。
高水温期の絶望感が漂う……
キビレを釣ったとき、「ようやるね」と横にいた先輩アングラーが労ってくれた。ちなみにその方はタコ狙いだったらしく、足元にタコジグや、沖に生エサをドボン。「まーったく釣れない。この2週間でダメになっちゃった」とのこと。初夏はポンポン釣れていたらしいが、そんなタコもそろそろ終焉らしい。
高水温期の絶望感をモロに味わったかたちとなった。これから何を釣り定めていこうが、頭を悩ませることになる。まず――潮通しの悪い大阪湾奥は、もはや捨てるしかないか?最近は垂水漁港や泉南のデイ・ライトロックが良いので、そっちを新しい釣りとして極めていく方がいいかもしれない。私にとって日中の釣りは、これまでのバリエーションでは薄かったものだ。この機会にバリバリ攻めていくか。
<井上海生/TSURINEWSライター>