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ラブグラフ CEO 駒下純兵さん「写真を通して世界を良くしたい」

さくマガ

さくマガ

駒下 純兵(こました じゅんぺい)さん
1993年生まれ。株式会社ラブグラフ
CEO。「幸せな瞬間を、もっと世界に。」をビジョンに掲げ、恋人・夫婦・家族・友人同士の自然な表情や瞬間を撮影し「想い出」をカタチにする出張撮影サービス「Lovegraph(ラブグラフ)」を運営。2020年5月に株式会社ミクシィと資本業務提携。
Twitter:@komage1007
各業界の著名人にインタビューをして仕事のヒントを得ようという、この企画。今回は学生時代に起業し、アメリカの経済誌『フォーブス』が発表したアジアを代表する30歳未満のキーパーソン30人を発表する「30
Under 30 Asia 2019」にも選出された駒下純兵さんにお話をうかがいました。

戦場カメラマンを目指していた学生時代

ーー本日はよろしくお願いいたします。駒下さんは大学生の時に株式会社ラブグラフを起業されましたが、起業しようと考えたきっかけについて教えてください。
お願いします。もともと、あまり起業したかったわけではないんですよ。カメラ自体は大学時代から始めていましたね。大学2年生ぐらいまでは大学のミスコンや、関西のスタートアップ企業が運営しているスナップサイトのカメラマンをやっていました。
カメラマンとしての仕事をしていたんですけど、仕事が一段落したタイミングで、人の人生になくてはならない写真を撮りたいなと思うようになったんです。
大学の社会学部で学んでいた背景もあって、戦場カメラマンになりたいと思っていました。ただ、戦場の写真を撮っても戦争はなくならないし、世の中をほんまの意味で変えるのは難しいやろなと思って。
例えば貧困地域のスラム街とかに行っても、幸せな家族の姿というのは多分あるし、そういう厳しい環境でも「幸せ」をあえて切り取る写真が撮れたら、撮られた人も自分の人生をポジティブに考えられるんじゃないかなと思ったんです。
それがきっかけで今の「LOVE(ラブ)」というコンセプトにたどり着いて、カップルの写真をウェブサイトにアップしたらすごく話題になったんです。
初日で3万PVくらいのアクセスがあって、リクルートさんとか富士フィルムさんといった大きな企業さんからもお声がけいただき、一緒にお仕事をさせていただきました。それで、日本全国のカップルから依頼が来るようになりましたね。
最初は僕が1人で全国を飛び回って撮影していたんですけど、交通費や時間がすごくかかってしまうんです。それなら現地のカメラマンとお客さまを繋いだほうがいいと思って、今のプラットフォームっぽい形になりました。

社名はグローバル視点で考えた

ーー「LOVE(ラブ)」をコンセプトにしたというお話でしたが、社名を「Lovegraph(ラブグラフ)」にした理由を教えてください。
「LOVE(ラブ)」に「PHOTOGRAPH(フォトグラフ)」をかけ合わせて「Lovegraph(ラブグラフ)」になりました。
カップル向けのサービスでしょ?
ってよく言われるけど、別にカップルだけの写真を撮るつもりなら「カップルグラフ」でも良かったんです。でも、先ほどお話したように貧困地域で暮らすような人たちの幸せを切り取った写真も撮りたいので、グローバルな視点で考えると「LOVE(ラブ)」のほうが刺さるだろうなと思って「Lovegraph(ラブグラフ)」にしました。
ーー駒下さんが起業してからの成功体験と失敗体験をお聞かせください。
偉そうに言えるものはそんなにないんですけど、とりあえず今も続けてるってことぐらいですかね(笑)。成功とは言えないですけど、辞める理由なんて無限にある中で、なんだかんだ会社を成長させながら、続けているということです。
それ以外だと優秀な仲間を採用してきたとか、僕の成功体験と言えるようなものはそれぐらいですね。
失敗体験に関しては無限にあります。コミュニケーション不足によってメンバーが離れていっちゃったり、その根底には経営としての意思決定の精度が悪かったり、キャッシュフローの管理が甘いから、キャッシュアウト寸前になったり。
スタートアップが経験する一通りの失敗は大体してきたと思います。

共同創業者 CCO 村田あつみさんと駒下さん

デザイナーが共同設立者

ーー共同創業者にデザイナーの村田さんがいますが、デザイナーと共同設立して良かったと思うエピソードを教えてください。
いろいろあるんですけど、すぐアウトプットに繋がるところは良かったと思います。村田はウェブサイトのコーディングもできるので。あとは、最初からデザイン面で見た目を気にすることができたのは良かったですね。これは、今のフェーズにおいても重要だったと思います。
スタートアップって最初はなにもないじゃないですか。なにもない中でそれっぽく見えるっていうのは大事だったなと思いますし、最初からデザイナーが入っていることによって会社の考えてる思考とアウトプットの乖離(かいり)があまりないのは良かったです。

(LOVEGRAPH コーポレートサイト)

「日常にある幸せ」に目を向ける

ーー会社のビジョン「幸せな瞬間を、もっと世界に。」についてですが、どうしてこのビジョンにしたのかを教えてください。
戦場カメラマンになりたかった背景が原体験になっています。今の時代って、世界的に”自分が幸せかどうか”
がめちゃめちゃわかりづらくなってると思うんですよね。インターネット・SNSの発展によって、良くも悪くも誰かとの比較がしやすくなってしまったと思うんです。
昔だったら友達の友達ぐらいまでの情報しか入ってこなかったけど、今って地球の裏側で自分と同い年の人が、仮想通貨でボロ儲けしたとか知れるじゃないですか。
そんな風に誰かとの比較の中で生きてると、なんか幸せになれないなと思っていて……。
自分が今持っていないものに目を向けるのではなくて、持っているものに目を向けてもらいたいんです。
例えば仕事仲間でもいいですし、パートナーが居ればパートナーでもいいし、美味しいご飯でもいいんですけど。持っているものに目を向けて、ちゃんとそれを幸せだと認識できる能力のほうが大事だなと個人的には思ってます。そうじゃないと、どれだけお金を持っていたり、いい家に住めたとしても多分幸せになれないと思うんです。
だけど、幸せをかみしめる力を身につけられれば、世界中の人を幸せにできるんじゃないかなと思ったんですよね。
その一つのツールとして”写真”は結構いいアプローチだなと思ってます。
自分の見た目が好きじゃなかったけど、写真を見て「自分ってこんなに笑えるんだな」って思えるだけでポジティブに考えられますし、家族への感謝って日々の生活の中であまり感じる機会がないと思うんですけど、写真がきっかけになることもあると思うんです。
「日常にある幸せ」に目を向けてもらえれば、その人自身も幸せになるはずだし、幸せになった人は、他の誰かに優しくできる余裕が生まれるはず。
そういう優しさの連鎖が、世界を良くしていくんじゃないかなと思って「幸せな瞬間を、もっと世界に。」というビジョンを掲げています。

駒下さんにとってのメンター

ーー弊社はドメイン販売もしているので、気になったのでお聞きします。御社のホームページドメインが「.me」になっています。会社のホームページには「.com」や「.co.jp」を使うことが多いと思うのですが、「.me」を選んだ理由を教えていただきたいです。
これに関しては本当に理由がないんです。ホームページを立ち上げた当時は本当に起業する気が全くなかったんで、ドメインにかけるお金がありませんでした。
「あ、ドメインってお金かかるんや」ってところから始まって、「.com」だと年間1万円くらいかかるから、できるだけ安いのがいいなと思いました。安いドメインの中でも可愛らしい「.me」を選んだんです。
ーー駒下さんにとってのメンターはいらっしゃいますか? いる場合、どうしてその方をメンターにしようと思ったのか教えてください。
尊敬する経営者の方とか、お世話になった方は多いので、1人に絞るのが難しいんですけど、強いて言うなら「STRIVE」の根岸さんです。
STRIVEはうちに出資をしてくれている会社なんですけど、根岸さんはそこから半年くらいフル出向してくれたんですね。フル出向してくれるって珍しいことなんです。根岸さんには経営のイロハというか、第三者として中立的な立場でいろんなコメントをもらいました。

(LOVEGRAPH サービスサイト)

新型コロナの影響でオンライン写真教室に注目

ーー事業に新型コロナの影響はありますか? また、コロナの影響で今後の事業展開に影響はありますか?
やっぱり影響はありますね。3月は袴をレンタルしたけど、卒業式がなくなったからせめて写真だけでもということで、卒業写真を撮る方の需要が増えました。このときは売上でいうと過去最高でしたね。
ただ、その後は完全に家から出るなという雰囲気だったじゃないですか。なので出張撮影サービスについては売上が減りました。
でも、家にいる時間が増えたこともあって、オンラインで写真を学ぶ写真教室事業が伸びましたね。こうした写真教室事業でカメラマンが育って、今後ラブグラフでカメラマンとして活躍してもらえればなと思っています。
うちの場合、事業の売上がカメラマンの数に影響されるので、その体制づくりをしているという認識です。

カメラマン ✕ テクノロジー

ーー会社の代表として、ラブグラフにどんな人を採用したいと考えているか教えてください。
CTOクラスのエンジニアです。特にカメラマンの生産性を上げるための開発に注力していきたいと思っています。カメラマンって、撮影の他に写真のセレクトや編集に時間がかかるんですね。
撮影が1時間なのに対して、例えば100枚写真を納品するときに写真のセレクトと編集で1枚あたり5分時間がかかるって考えたら、それだけで500分かかるわけですよ。
そう考えると、生産性が低くなってくるじゃないですか。
だいたいカメラマンのレタッチの傾向や写真の選び方ってパターンが決まっているので、機械学習によって写真は自動で選んでレタッチもできるようになると、今まで作業に500分かかっていたものが1分で終わりますよね。
こうしたカメラマンの生産性を向上するための方法が結構あるので、そうした陣頭指揮をとってもらえる人を採用したいと思っています。ミクシィとの資本業務提携によって環境も良くなったので、今までよりは採用活動もしやすくはなりましたね。
今の僕の仕事は、意思決定・採用・経営戦略が柱となっているので、採用活動は大事です。

ラブグラフCEO 駒下さんの「やりたいこと」

ーーメディアのコンセプトが「やりたいことをできるに変える」なのですが、今後やりたいと思っていることを教えてください。
個人としては、70歳ぐらいまでの人生のロードマップはだいたい決まっているんです。
・20代で国内で通用する経営者になる
・30代でグローバルで通用するような経営者になる
・40代で総理大臣のような日本を動かすような立場にいる
・50代で地球という規模で良くできるような立場にいる
・60代で宇宙を変える
こんな感じで、10年スパンで考えてます。
ーー総理大臣ってキーワードがありましたが、政治の世界に飛び込むことも考えているんですか?
政治家じゃなくても別にいいんですけど、日本のビジョンがないことがもったいないなと思ってるんです。日本ってどこ目指してるんだっけ?
とか、例えば選挙の仕組みも高齢者に寄ってしまいますよね。
本質的に中長期の成長を目指していかないと、日本という国が良くならないと思うんですね。それを一人の国民として責任を持って変えにいくほうが、自分の人生が楽しくなるだろうなと思いますし、日本人がよりハッピーになるんだったら頑張っていきたいなと思っています。
とりあえず、こういう話をしてると誰かが思い出してくれて声かけてくれることもあるかなと思っていろいろ言ってるんです。
執筆・企画

川崎 博則
1986年生まれ。2019年4月に中途でさくらインターネット株式会社に入社。さくマガ立ち上げメンバー。さくマガ編集長を務める。WEBマーケティングの仕事に10年以上たずさわっている。

編集

武田 伸子
さくらインターネット カスタマーエンゲージメント部所属。主に「さくらのユーザ通信」(メルマガ)を担当。さくマガでは編集に関わっている。

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