女子プロボクシング 松田恵里選手が世界制す 2団体統一し王座獲得〈伊勢原市〉
市内板戸出身のプロボクサー・松田恵里選手(29)がこのほど行われたWBA・WBO世界女子アトム級タイトルマッチで勝利し、2団体統一世界王者となった。2月15日に高山松太郎市長を表敬訪問、結果を報告した。
TEAM10COUNT所属の松田選手。高校2年からアマチュアボクシングの試合に出場し、7年間のアマチュアでの戦績は33戦21勝12敗で、2018年2月に女子プロボクシング史上2人目となるB級テストに合格。同年8月に6回戦デビューを果たし、12月にはOPBF東洋太平洋女子アトム級王座決定戦で勝利し王座を獲得。プロデビュー2戦目での王座獲得は男女含めて日本プロボクシング史上最速記録となった。
翌年には日本女子アトム級王者とのダブルタイトルマッチを制し、初防衛とともに日本王座も獲得し2冠となった。20年に日本王座は返上、昨年10月には世界戦に専念するため東洋王座を返上、3度目の挑戦で悲願の世界王座を獲得した。
世界戦を2対1の判定で勝利した松田選手。「皆の支えがあってできた。チャンピオンとして皆に認められるよう、強い王者になりたい」と意気込む。高山市長からは祝辞や労いの言葉とともに花束が手渡された。
市役所1階ロビーでは、市職員らとともに記念撮影。職員から今後の目標を聞かれ、「世界王者として女子ボクシングに多くの方が興味を持ってくれるような迫力ある試合をしたい。応援宜しくお願いします」と笑顔で応えていた。
実家は板戸のスポーツジム
松田選手は、板戸でスポーツジムを営む父、松田和彦さん(63)の下で週に1度総合的な体力づくりのサポートを受けている。和彦さんは「感無量。夢を叶えてくれた。さらに上をめざすため、ここからがスタートになる。今後も全力でサポートしたい」と愛娘にエールを送る。和彦さんと同級生で、後援会長を務める天野耕一郎さん(63)は、「昔から応援してきたので、世界一になってうれしい。女子ボクシングが盛り上がることを期待する」と話した。
松田選手は幼少期はテニスで全国大会出場、空手では日本一に輝き、中学では陸上、高校ではサッカーで関東大会に出場するなどさまざまな実績を残す。桐蔭横浜大学に進み、中学高校体育の教員免許を取得している。