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美しいサンゴ礁で海難事故が多発するワケ 危険なリーフカレントとは?

TSURINEWS

サンゴ礁で海難事故が多い(提供:PhotoAC)

温暖でサンゴ礁に囲まれた浅瀬の広がる沖縄の海。透明度も高くマリンレジャーが盛んに行われていますが、実はサンゴ礁の海にはほかにはない危険性が潜んでいます。

石垣島で海難死亡事故

今月7日の早朝、沖縄県石垣市の名蔵湾で海難事故が発生しました。海に行った複数人が帰ってこないという通報を受け、石垣海上保安本部は少なくとも2人が行方不明になったとみて捜索を行いました。

浅瀬が広がる沖縄の海(提供:PhotoAC)

その結果、午前6時57分ごろ、名沖合約550mでうつぶせの状態で浮いている男性を発見。病院に救急搬送されものの、午前7時半ごろに残念ながら死亡が確認されました。

ただ、行方不明とみられていたもう一人の男性は、午前7時10分ごろ見つかり、命に別条はなかったそうです。(『石垣で漁の男性死亡 別の1人はリーフから転落後救出』琉球新報 2021.11.8)

南の島のマリンレジャーに潜む危険

今回男性たちが遭難事故に遭遇したのは「いざり漁」中の出来事だったそうです。いざり漁はサンゴ礁の広がる海域で行われている伝統的な漁で、潮が引いたときに浅瀬になる場所へ向かい、取り残された魚介類を捕まえるというものです。

遠浅の海岸が広がる(提供:PhotoAC)

このいざり漁はサンゴ礁の多い沖縄で盛んに行われているものですが、度々今回のように水難事故が発生しています。また、南西諸島では年間を通じダイビングが行われているのですが、こちらも秋口になると海難事故の発生が増えています。

今回の事故のように、遭難者が沖合に流された状態で発見されることも珍しくないそうです。

なぜ、事故が起こるのか

沖縄でいざり漁やダイビングが行われるのは主に「サンゴ礁」によってできた浅瀬です。サンゴ礁は岸沿いに浅い「リーフ」を作るため、穏やかでマリンレジャーを楽しみやすい環境ができるのです。

しかしその一方で、サンゴ礁の外は波の高い荒海が広がり、外洋から絶えず波が押し寄せます。サンゴ礁のリーフ内に押し寄せた波は出口を求めて圧力を高め、サンゴ礁の切れ目から一気に外海へと流れ出します。

美しい海だが危険が潜む(提供:PhotoAC)

これは「リーフカレント」と呼ばれる離岸流の一種で、もし流されるとヒトが泳ぐより早くあっという間に沖合まで運ばれてしまいます。これによって海難事故が発生してしまうのです。

ただ、リーフカレントは長くても数100mほど。なので、一旦流され切ってから、落ち着いて陸に戻れば生還できることも多いといいます。いざというときのために、可能な範囲でライフジャケットを着用するのが大切でしょう。

<脇本 哲朗/サカナ研究所>

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