【気象予報士のウラ側】悩ましい「雪か雨か」問題 分けるカギになる気温は何度?気象予報士が解説
秋から冬にかけての季節の変わり目は、衣替えやタイヤ交換など、冬の準備をいつ始めようかと悩むことが多いですが、実は、気象予報士もこの時期は頭を悩ませることがあります。
それは「雪で降るのか」「みぞれになるのか」「雨で降るのか」という問題です。
そこで今回、気象予報士のウラ側と題して、普段どのように雪やみぞれ、雨を見極めているのかを、HBCウェザーセンターの気象予報士・篠田勇弥が深堀りしてみます。
連載「気象予報士コラム・お天気を味方に」
多種多様な天気マーク
HBCでは北海道ならではの多彩な天気を表現するために、たくさんの天気マークがあります。
基本的な「晴れ」「曇り」「雨」「雪」だけではなく、「雨か雪」「雨一時みぞれ」「大雨」「風雪強い」などなど…。
細かな空の変化をできるだけ詳しく表現したいという強い思いから、パッと見て違いに気づくことのできる天気マークを用意しています。
さらには「雪か雨で暴風を伴う」や「雨のち暴風雪」など、HBC独自の天気マークが用意されていることに、私も入社当初は大変驚きました。
これらを使い分けながら、ウェザーセンターの予報士は日々の天気予報を作成しています。
気象の世界では、上空1500メートル付近(850ヘクトパスカル)の気温が一つの目安になります。
この高さで-6℃以下の寒気が入ってくると、平地でも「雪」の降る可能性が高く、-5℃、-4℃…と気温が高くなるにつれ「雨」の可能性が高くなります。
テレビでよく見る上空の寒気予想図も、平地での雪の目安は-6℃が基準になっています。
ちなみに、札幌で初雪(みぞれ)を観測した10月23日の夜は、1500メートル付近に-5.7℃の寒気が流れ込んでいました。
上空の寒気の強さは雪か雨かを判断する一つの基準に過ぎません。
風向きや地上の気温、降る場所や時間帯など、いくつもの要素を総合的に判断して、雨や雪の予報を決めています。
私が予報を作成するときには「わかりやすさ」も一つの判断材料にしていて、できるだけシンプルに天気を表現するように心がけています。
たとえば10月28日は北海道付近に-6℃以下の寒気が居座る予想でした。
道南は雨、札幌や旭川は朝晩を中心に雪というように、場所や時間によってマークを使い分けています。
日々変化する空と向き合って
秋から冬、冬から春への季節の変わり目は、「雪」か「雨」かの判断に頭を抱えることも多いですが、それも気象予報士の腕の見せ所と思い、やりがいを感じています。
道民の暮らしに少しでも寄り添えるように、これからも日々変化する空と向き合いながら予報を届けていきます。
連載「気象予報士コラム・お天気を味方に」
文: HBCウェザーセンター 気象予報士 篠田勇弥
札幌生まれ札幌育ちの気象予報士、防災士、熱中症予防指導員。 気温など気象に関する記録を調べるのが得意。 趣味はドライブ。一日で数百キロ運転することもしばしば。
HBCウェザーセンターのインスタグラムでも、予報士のゆる~い日常も見られますよ。
※掲載の情報は記事執筆時(2025年11月)の情報に基づきます。