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空気から作った水。世界の水不足、解決へ一役

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9月7日(木)放送後記

今年、渋谷にオープンしたコーヒーショップが、ちょっと変わった「水」を使っているということで、取材しました。

「空気から作った水」で淹れたコーヒー

どんなお店なのか?運営する株式会社アクアムの若林 侑希さんのお話です。

株式会社アクアム 若林 侑希さん
ここでは、「空気から作った水」でスペシャリティコーヒーを提供しています。
元々空気中には、すでに水蒸気として水が飽和してる状態なので、それを私たちの機械で一度冷却をして。冷却することで、結露みたいな形で水を作ってですね、それをろ過して、ミネラルを添加して、美味しいお水を作ってですね、それでコーヒーを淹れています。
完全な空気から作った水ですと塩素を使ってないので、まさに軟水という形で皆さん「まろやかだな」って言っていただく方が多いですかね。
皆さん技術に驚いていただいて、飲んでいただくと、味の美味しさにも喜んでいただけるって感じですかね。

田中(コーヒー試飲)
実際にアイスコーヒーいただきます。…うん、美味しい…空気から作った水…言われてもわからない。

渋谷の東急文化村の近くにオープンした、「AIR DRIP COFFEE SHIBUYA(エア ドリップ コーヒー シブヤ)」というカフェ。

コーヒーを淹れる「水」を、空気から作っています。

▼空気からつくった水やコーヒーが飲める、渋谷の「AIR DRIP COFFEE SHIBUYA(エア ドリップ コーヒー シブヤ)」

▼店内の空気製水機。1日に200リットルの水を製水します

▼タッチパネルを操作すると、空気から作った水が出てきます

▼出てきた水を沸かして、コーヒーを淹れる

原理としては、「冷たいお水」をグラスに入れると、周りに水滴が付く・・・まさにそのような原理で、店内にある専用のマシン(=大きめの自動販売機ぐらいのマシン)で空気を強制的に取り込んで、機械の中で、冷たい装置に触れさせることで、結露を作ります。

そして、その結露をフィルターできれいにして、ミネラルをプラスすることで、まろやかな口当たり。もちろん、水道の「51項目」の水質基準もクリアしているということです。

災害時にも水が飲める

ただ、水道水特有の雑味がないので、ごくごく飲めるということですが、こうした「空気から作る水」、無償で提供している場所も、広がっているようです。

空気で水を作る機械=「空水機」という製品名で展開している、株式会社ミズハの、立山 睦人さんに伺いました。

株式会社MIZUHA 立山 睦人さん
豊島区の「防災公園イケ・サンパーク」というところがあるんですけれども、こちらは豊島区さんの方で防災に特化した公園になってまして、万が一、災害が起きた時でも、飲み水が確保できるように設置していただいております。
災害になったときに、まずは断水。あとは物資を送るための道路が寸断される。ってなったときに、ミネラルウォーターのペットボトルを買い占めることがよくあると思うんですけれども、この「空水機」さえあれば、電気があれば水が取れるんですよ。
過去の災害の経験からも、電気の復旧が一番早いんですね。
もっと言うと、発電機さえあれば電気は確保できますので、万が一の時でも、人間が生きていく上で必要な飲み水というのは、「空水機」があれば確保できると。
「ご自由にどうぞ。イケ・サンパークの飲料水です」って形で、ゴクゴク飲んでいただいています。

▼池袋の防災公園「IKE・SUNPARK(イケ・サンパーク)」にあるのと同じ「空水機」

▼ボタンを押すと、空気から作った水が出てきます

豊島区の防災拠点の一つ、「イケ・サンパーク」という公園に、給水機が置いてあります。

(試飲お願いします)今朝、汲んだばかり水を、実際にお持ちしました。ミネラルウォーターと変わらない。まろやかな軟水。塩素が含まれていない。

見た目は、ウォーターサーバーのような形で、コンパクト。1日あたり、16リッターほどの水が作れる仕様。

除菌効果のある「銀イオン」を加えて循環させることによって、長期の保管が可能に。

砂漠でも水が作れる

理論上は、気温10℃、湿度30%の空気と電源さえあれば、どこでも水が作れるということで、災害時や、離島や山間部など、水道管を整備できないような場所にも、設置が進んでいるということですが、この技術、最近では世界からも注目が集まっているようです。再び、立山さんのお話です。

株式会社MIZUHA 立山 睦人さん
エジプト政府の方で5カ所ですね。砂漠を含むエジプトの5ヶ所で、実際に検証していただいて、一番懸念していた砂漠地帯でも、しっかりと水が取れて合格点だとびっくりされてましたね。「砂漠でも取れるんだ」と。
エジプトはやはり水に困っている国ですので、「飲み水の確保」っていうのは非常に重要な課題。
やはり隣国との絡みとかもありまして、あとはナイル川の水の汚染というところも結構深刻になってきてると。
そしてもう一つの大きかったのが、首都の移転ですね。カイロから、スマートシティって言ってもう少し内陸地の方に、いま移転が進んでます。
ナイル川からさらに離れるので、国家プロジェクトとしても重要なポジションに位置づけしていただいてるという風に聞いております。

「砂漠でも、水が作れるのかどうか?」エジプト政府から打診があったようで、現地で実証実験を行った。昨年11月、正式にエジプト政府と契約を結んで、政府と共同でこの機械を生産して、広く販売していく計画が進んでいるそうです。

背景には、ナイル川のほとりにあったエジプトの首都「カイロ」が、人口爆発で、内陸部への移転が進められているという事情があるようです。

世界中で、飲み水が不足して苦しんでいる人がいる。災害時だけでなく、途上国の水不足の解決にも、一役買いそうです。

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