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【鎌倉 イベントレポ】長谷寺 灌仏会(花祭り) - 春いっぱいの境内でやすらぎに包まれる

湘南人

すっかり春めいてきた4月8日、長谷寺の灌仏会(かんぶつえ)を見学しました。花祭りともよばれる、大切な年中行事。いったいどんな行事なのでしょうか?

仏像に甘茶をかける不思議な行事

灌仏会の「灌」の字は「灌ぐ(そそぐ)」を意味し、その名のとおり仏像に甘茶をかける行事です。そして、4月8日には宗派を問わず各地のお寺で催されます。その意味とはどのようなものなのでしょうか?

お釈迦様が誕生した時、天から9匹の竜が現れ、産湯として甘露(清らかな水)の雨を降らせ、祝福したといいます。お釈迦様の誕生日とされるのが4月8日。灌仏会は、その言い伝えにならってお釈迦様の誕生を祝う行事なのです。

日本では、近代以降に「花祭り」の呼び名も定着し、子どもの健康や成長も願う行事になっています。

春の庭に静けさが響き合う

法要の開始は10時。10分ほど前に上境内に到着すると、法要を行う僧侶の皆さんが観音堂の前に集まっていました。

法要の場となる観音堂の横の広場には、花祭りの名にふさわしく桜が咲き誇り、その下には花御堂(はなみどう)が。法要のために設けられた花御堂は鮮やかな花々に彩られ、中には甘茶をかける仏像が安置されています。

法要の観覧席には、地元民と思われる方々やインバウンドの観光客など、大勢が集まっています。

人混みが苦手な私は、法要の厳かさが損なわれないかと心配しましたが、結論からいうとそんなことはなく、むしろ人が多いからこそ静謐(せいひつ)さが浮き立つことになるのです。

僧侶たちが花御堂の前に移動し、読経を始めました。ピーンと張りつめる、場の空気。

多くの人が集まる境内に、僧侶の読経が朗々と流れ、時おり、鳥のさえずりが響き渡って厳粛な雰囲気を和ませます。法要に見入る人、合掌する人。みな静まり返り、それが一体感となって心地よさを増幅しているように感じました。

琴と尺八の豪華な奉納演奏

法要の間、花御堂の中の小さな仏像に、参拝者が柄杓で甘茶をかけていきます。

この仏像は、右手を空に、左手を地面に向けた不思議な姿。これは誕生仏といい、お釈迦様が生まれた直後に「天上天下唯我独尊(てんじょうてんげゆいがどくそん)」としゃべった時の姿なのです。

読経が終わると、琴の演奏家・林信子さんと尺八の奏者・善養寺惠介さんによる演奏が奉納されます。お正月によく聞く「春の海」ほか6曲。境内が春の喜びと優雅さに包まれたようです。

法要開始から1時間ほどで、読経から演奏まで主だった行事は終了しますが、甘茶をかける参拝者はまだ列をつくっていました。

最終的に、この列が途切れると花御堂は観音堂内に移され、今日一日、そこで参拝できるようです。また、参拝者には甘茶がふるまわれます。

歴史の古さも世界的な広がりも想像以上

灌仏会は、じつは仏教で三大法要とよばれる行事のひとつ。お釈迦様の命日に行われる涅槃会(ねはんえ)、悟りを開いた日に行われる成道会(じょうどうえ)と並ぶ重要な法要です。その歴史は古く、なんと飛鳥時代の606年に元興寺(がんごうじ)で行われた記録も。

花御堂に安置された誕生仏に甘茶をかけたり、参拝者に甘茶がふるまわれたりするのは、各地で共通の定番スタイルです。多くの場合、4月8日に行われる点も共通。

長谷寺の法要だけでも多くの人との共鳴を感じましたが、同じ日に各地で同じ時間が共有されていると思うと、さらに感慨が高まります。

仏教が伝わったアジア各国やアメリカ・カナダにも、日程や作法にバリエーションはあるものの、お釈迦様の誕生を祝う行事があります。考えてみると、キリスト教でいえばクリスマスに相当する重要な日。世界的な広がりがあるのも当然といえるでしょう。

長谷寺の灌仏会(花祭り)。春を満喫しつつ、各国の人々と思いを共にできる行事です。

長谷寺 灌仏会(花祭り)

開催日時

2026年4月8日 10:00〜(法要と奉納演奏あわせて約1時間)

開催場所

長谷寺

住所:神奈川県鎌倉市長谷 3-11-2

駐車場:あり(普通車30分 350円)

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