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「子どもを怒りすぎて後悔する親」にやってほしい3つのこと

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「子どもを怒りすぎて後悔する親」にやってほしい3つのこと

臨床心理士・公認心理師のyukoです。子育ての後悔の中には「怒りすぎた」という声も多いよう。振り返ると、「なんであんなに怒っていたのか」「不機嫌な時間が多くてもったいなかった」と感じる人も。これから後悔をしたくない方へ、これからできることを考えていきます。

なぜ怒りすぎてしまうのか。

怒りすぎてしまう背景には「余裕のなさ」「期待とのギャップ」「子どもの反発」などがあります。

一点めの「余裕のなさ」は一番あるあるかと思います。
日々の仕事に加えて、お弁当作りや習い事の送迎など、一息つく暇を見つけるのも難しいのに、ご機嫌で子どもと接するのは至難の業ですよね。

二点めの「期待とのギャップ」は、自身の親やパートナー、子どもなど身近な人へのイライラによく隠れています。「わかってほしいのに」「思う通りにしてほしいのに」、そうしてくれない相手に怒れてきてしまうんですね。

三点めの「子どもの反発」について。
親が怒りすぎたと思うときは、子どももそれなりに反発しているときが多いです。
「買い言葉に売り言葉」というように、子どもが言葉を選ばずにぶつけてきたり、挑発してくると親も大人げなく言い返してしまうんですね。

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怒りすぎてしまうのは、親御さん自身に問題があるわけではなく、誰しもに共通した理由があります。
では、怒りすぎないために事前に準備しておきたいことについても考えていきます。

怒りすぎないために、冷静なときにやってほしい3つのこと

自分の中での理想や考え方を整理する

多くの方は「元気でいてくれるのが一番」と感じているでしょう。

ただ、本当に健康でさえいてくれれば子どもがどんな道を進んでもよいのかと言われると、ちょっと頷けませんよね。

私がカウンセリングで話を聞いていると、「でも、しいて言うなら……」の続きが止まらなくなる親御さんは意外と多いです。

お子さんを大事に思うからこそ抱く願望は大切なものですし、捨てる必要はありません。ですが、親自身が何を理想としているのか、子どもに何を期待しているのかは自分自身で知っておく必要があります。

・最低限持っておいてほしい学歴

・自立したあとの親との距離感

・いつか結婚はしてほしい。家族を持ってほしい

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学歴などは望まなくとも、「老後は近くにいてくれたら嬉しい」「やっぱり孫の顔は見たい」など、誰かには言いづらい期待を抱いている方は多いです。まずは自身で認識しておくのが必要です。

「怒り」と「叱り」を区別する

感情的になって「怒る」時間は、減らすに越したことはないでしょう。一方、「叱る」関わりは子どもにとって欠かせないもの。

自分に厳しい親御さんは、「子どもを怒ってばかりで。だめな親ですよね。」と反省される方もいます。ですが話を聞いていくと、それは必要な「叱り」であることも多いです。

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誰かを傷つけたから、危険な目にあうところだったから、社会で認められないことだから、などの理由で子どもを「叱る」のは重要です。
一方、親自身が設けたマイルールから逸れたから、親が不機嫌だったから「怒る」のは、減らしていけたらよいでしょう。

「怒り」と「叱り」を区別していくのも重要なんです。

子どもに率直な気持ちを伝える

「あのときあんなに怒る必要なかったのに」「子どもには申し訳ないことをした」と後悔される親御さんは多いです。

・気持ちに任せて言い過ぎてしまった。本当はこういうところも褒めてあげればよかった。

・子どもの気持ちよりも自身の思いが前に出すぎた。子どもの意見もしっかり聞いて話し合えばよかった。

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このように後悔するということは、お子さんを大切に思っているからですよね。
お子さん本人に聞いてほしい温かい愛情がたくさん詰まっているので、「今からでもぜひ今のお話をお子さんに伝えてあげてください」とお伝えすることも多いです。

親子で衝突したとき、怒りすぎてしまったとき、「今さら遅いよね」とか「掘り返すのもよくないかな」と感じ、本音を伝えられないまま過ごされる方がほとんどだと思います。
ですが、冷静なときに親がしっかり本音を伝えられると、子どもも安心し、親子双方新たな気づきが得やすくなります。

yuko/臨床心理士・公認心理師

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