博多の街から胡瓜が消える!?山笠期間中の禁忌とは【福岡県福岡市】
700年以上の伝統を誇る「博多祇園山笠」は福岡県福岡市博多区で毎年7月1日から7月15日にかけて開催される祭りです。正式には「櫛田(くしだ)神社祇園例大祭」といい、櫛田神社への奉納行事のひとつです。神事であるため、山笠期間中は守らなければならない、いくつかの「禁忌」がありますが、中でも有名なものに”胡瓜断ち”があります。
700年以上の伝統を誇る博多祇園山笠
博多祇園山笠の起源については諸説ありますが、有力なものとしては鎌倉時代の1241年に悪霊退散のため、博多の街に祈祷水を撒いて回ったことが始まりとされています。
しかし、伝統ある山笠も昭和20年の福岡大空襲によって中止になった過去があります。戦後復興と共に昭和23年に復活を遂げ、その後、昭和30年には組織の一体化を図るために博多祇園山笠振興会が発足しました。
規模から考えても日本を代表する祭りと言っても過言ではありません。
胡瓜を断たなければならない理由
7月1日から7月15日の山笠期間中は博多の街から胡瓜が消えます。理由は、胡瓜を輪切りにした際の切り口が山笠の祭神スサノオノミコトのご神紋の木瓜(ぼけ)の花に似ていることから、ご神紋を口に入れることは恐れ多いと、氏子が食べることを遠慮したというところから由来すると言われています。
給食の献立からも”キュウリ”の文字が消える
山笠期間中は小学校の給食からも胡瓜が消えることで有名です。事故や怪我が起こらないようにと街全体で徹底されているのは、それだけ山笠が伝統ある行事であることの表われです。
また博多区の居酒屋でも期間中に限り、胡瓜が茄子に変わって提供されているということもあります。家庭からだけでなく、お店からも提供が無くなることは博多祇園山笠ならではです。
街全体で盛り上がる素敵な行事ですが、歴史や禁忌を知った上で博多の街に足を運ぶと新しい発見があるかもしれません。