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不登校気味だったADHD・ASDの娘が高校進学で激変!?自力起床とお弁当づくりも「無理をしない」で継続中

LITALICO発達ナビ

不登校気味だったADHD・ASDの娘が高校進学で激変!?自力起床とお弁当づくりも「無理をしない」で継続中

監修:森 しほ

ゆうメンタル・スキンクリニック理事

いよいよ高校受験!初めて勉強に取り組む!?

目標とする高校が決まってから、受験生らしく、とまではいかなくとも、まったく何も勉強に取り組めなかった次女が、ほんとに少しですが勉強をするようになりました。
過去問を解く、という分かりやすい課題があったのも良かったのかもしれません。
過去問を解けば、自分が何を理解できていないのか、何をできるようにならないといけないかが見えてくる。できるようになったら、合格に近づく。
そうやって、課題や目的が明確になったので、ゴールがあることなら比較的取り組みやすい次女にとっては、普段の「将来役立つから」とふんわりと受ける学校の授業と比べると、明らかにやりがいがある様子でした。
「もう2周目!」と言いながら、問題集を解いていきました。

そうして迎えた受験本番。正答率が30%あれば良いようなテストでしたが、「35%は取れたと思う!」と笑顔で帰ってきました(笑)。ギリギリ過ぎない!?
こんな調子だったので、母としては合格の知らせを見るまで不安が尽きなかったんですけどね。
いざ合格が分かった時は、家族全員で喜びました!

中学時代とは完全に別人になった次女

4月に高校へ通いだし、今はなんと朝の6時に起きて学校へ行っています!
「ローファーが可愛いから」と扁平足治療のために履いていたブーツではなく、矯正用の靴底をローファーへ入れて通学。「足が痛むのでは?」と言ったのですが、一度決めたらこだわってしまう特性ゆえ、無理をしてでもローファーを履くようです。何も言わず、しばらく見守ることにしました。

お弁当に関しては、朝は私がろくに動けないため、「学食で済ませるならお金は出すよ」と言ったのですが、「自分で用意するからお弁当がいい!」と。朝早くから、私が夜のうちに用意していたおかずや冷食を詰め、自分でお弁当の準備をして8時過ぎには学校へ到着するように通学していきます。

また、以前は夫が起こすために声をかけてくれていましたが、今では声かけも必要なくなるぐらい、自力で起きて頑張って通学しています。

中学の頃、2時間目に間に合うように行こうとしては二度寝して、結局5時間目に行ったり休んだりしていた次女からは、想像もできなかった姿です。しかも、学校から帰ると「課題をやらないと」と言って勉強しているじゃないですか!
まさか、こんなに急に変わるとは思わなかったので、家族もただただ驚いて、スゴイスゴイと褒めまくりました(笑)。

上手に手を抜けるようにしよう!

それでも、そんな生活が1ヶ月もすぎると、やはり疲れてきた様子。
最初は頑張って履いていたローファーですが、やはり整形外科で言われた通り、ローファーに靴底の装具を入れると足首が痛くなるようでした。そこで、治療のために買ったブーツに変更できるよう、学校へ装具の説明のコピーと異装届を出しました。ブーツの支えがあるとかなり楽なようで、今は扁平足治療の装具とブーツで通えるようになっています。

また、駅まで少しでも楽に行けるように電動自転車に買い替えました。これで、通学は問題なくなりました。
お弁当に関しても、週に1~2回は学食を併用するようにして簡単なお弁当にしたり、体調に合わせて手を抜けるようにしました。

そうして、学校生活に馴染むにつれて、次女自身もうまくペース配分ができるようになりました。
中学の頃なら、少しでも体調が悪かったり夜ふかしをして寝不足だったりすると、遅刻したり休んだりしていた次女ですが、高校は少しばかり体調が悪くても回復次第学校へ。学校生活が楽しくて仕方なく、「受けたい専門の授業もあるから」と頑張って通学しています。
もちろん、無遅刻無欠席で!テストもしっかりいい点数を!……とはいかないのですが、それでも赤点での補習を受けない程度には頑張れています。

1学期が終わってみて、今後、留年の心配は一切なさそうです。正直、高校進学の前はそれが一番心配でした。受かったとしても、卒業できるのか?留年するようなら、そこから専門学校へシフトしても良いのでは、とまで考えていましたからね。
このまま2学期も、頑張りすぎず、手を抜きすぎず、楽しく通ってくれれば安心です。

無理をしないことが一番の近道

高校では、いろいろな地域からさまざまな子がやってきます。でも、次女と同じくらいの学力やペースの子が多いからか、同級生たちと意思疎通が図りやすかったようで、すぐに友だちもできました。前からやりたがっていた軽音部に入り、キーボードも買いました。小学生の頃、少しだけやってすぐに飽きて辞めたピアノの経験が、今更ですが役に立っているようです。部活でも友だちが増えた様子。

それでも性格の合う・合わないはあるので、最近は、これまで1学期を過ごした中で一緒にいて楽だった子たちと、よく話しているようです。
たまに休みの日には、みんなが集まりやすい場所で遊んだりもしています。
ただ、それぞれ距離が遠いので、無理して集まるようなことはしていません。誰かが「ここへ行きたい」と言った時に、都合のつく子だけで一緒に遊びに行ったりしています。次女も「今日はみんな、○○に遊びに行っているらしいよ」なんて言いながら、自分が興味のない集まりには行かないなど、あっさりした付き合い方ができているようです。

発達障害のこともあり、親ばかりがヤキモキしていた高校受験でした。ただ、美術系の特色あるコースだからか、友だちもなんだか似たような個性的な子が多く、馴染みやすい様子です。
環境が変わるだけで、衝動や多動も少し、落ち着いたように思います。多弁は相変わらずですが、友だちの前では上手にセーブできているようです。お薬も今は何も飲んでいません。
注意欠如は相変わらずですが「忘れ物をしない工夫」「忘れても大丈夫なように準備しておく」など、以前よりもしっかり対策をしよう!と考えることができるようになりました。

この先の進路がどうなるかは分かりませんが、次女がのびのびと、頑張れる環境に出合えると良いなと思いながら見守っています。
でも、「私立の美大に行きたい!」とか言われたらどうしよう……ママ、そんなにがむしゃらに働けないよ?(笑)

執筆/ゆたかちひろ

ゆたかちひろさん、お子さんの高校進学おめでとうございます。
無理をしない方法を工夫されてきたのですね。環境が合うと、人は自然に力を出せるのではないでしょうか。ADHD(注意欠如多動症)やASD(自閉スペクトラム症)など発達特性がある場合、「できないこと」を本人の努力不足として捉えてしまうと、自己肯定感が下がりやすくなります。反対に、興味を持てる授業や似た感覚の友人がいる環境では、もともと持っていた力が発揮されやすくなります。
また、頑張ることよりも、手を抜くこと、頑張らなくて済む方法を考えることが大切です。そういった工夫は、「セルフモニタリング」という自分の状態を把握して調整する力につながります。

セルフモニタリングとは簡単に言うと、「今の自分はどんな状態なのかを、自分で観察すること」です。
たとえば、
「今日は足が痛いから、いつもの靴ではちょっとつらい」
「毎日お弁当をつくるのは大変」
「この集まりは、今日はあまり行きたい気分ではない」
「忘れ物をしやすいから、前の日に準備しておこう」
というように自分の体調や気持ち、得意なこと、苦手なことに気づけると、それに合わせて行動を調整していくことができますね。
自分はどうすれば無理なくできるのかが少しずつ分かるようになります。
これは、発達特性のある子どもに限らず、メンタルヘルスにおいても大切な力です。

お子さんをサポートする保護者の方は、
「今、ちょっと疲れていない?」
「どうしたら、もう少し楽にできそう?」
「何があるとやりやすいかな?」
と聞いてあげると、お子さん自身が「今の自分はどういう状態なんだろう」と考えるきっかけになります。
「頑張る」だけではなく、「無理をしない方法を知る」。
それも、自分で自分を支えていくための大切な力なのです。(監修:医師・公認心理師 森しほ先生)

(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。
※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。

ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。

ADHD(注意欠如多動症)
注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。
ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。

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