《市民病院医療事故多発》執刀医と科長を業務上過失傷害容疑で書類送検 2件目
赤穂市民病院で2020年1月、腰の骨をドリルで削る脳神経外科手術で誤って神経を切断して患者に重い後遺障害が生じ、病院が過失を認めている医療事故で、兵庫県警捜査一課と赤穂署は7月22日、執刀医(46)=2021年8月に依願退職=と助手を務めた上司の科長(59)を業務上過失傷害容疑で神戸地検姫路支部に書類送検した。
警察は容疑の詳細を明らかにしていないが、赤穂民報の取材では、20年1月22日にあった腰部脊柱管狭窄の女性患者(当時74歳)の手術で、執刀医は必要な止血を行わないままドリル操作を続けた結果、誤って一部の神経を切断し、患者に両足のまひや膀胱、直腸の重度障害を生じさせた容疑で送検されたとみられる。また、科長はドリル操作の中断や止血を指示できる立場にありながら、それを怠った疑いで送検されたとみられる。
この医療事故をめぐっては、病院の依頼で外部検証した日本脊髄外科学会理事の報告書で「何か事故が起きても当然と思わせる手術操作」「止血がされないまま、血の海の中でドリルの操作が実行」などと厳しい言葉で事故の原因が指摘され、病院は「医療過誤」だと認めている。
執刀医と科長は、19年10月に別の女性患者に行った首の手術でも、過失によりドリルで頸髄を損傷して首から下が不随になる後遺障害を生じさせたとして、今年5月に同容疑で書類送検された。
手術に関わった医師2人が書類送検されたことについて、赤穂市民病院は22日、赤穂民報の取材に「回答は差し控える」と答えた。