【肥満・脂肪肝の専門外来の医師が語る】受診する人に足りていないものと、簡単な摂取方法
シリーズ累計12万部を突破した、『専門医が教える 1分で肝臓から脂肪が落ちる食べ方決定版』(KADOKAWA)は、肥満解消と脂肪肝・糖尿病改善のための専門外来「スマート外来」の担当医・尾形哲先生の著書。先生いわく、肝臓の脂肪は落ちやすく、少しの努力で基礎代謝が上がり、自然と痩せやすい体質へと変わっていくそうです。本書では、無理な運動や厳しい食事制限は一切おすすめしていません。掲載しているのは、日々の生活に簡単に取り入れられる「1分でできる工夫」ばかり。今回はこの本の中から、健康的な毎日を手に入れるためのヒントをご紹介します。
※本記事は尾形 哲(著)による書籍『専門医が教える 1分で肝臓から脂肪が落ちる食べ方決定版』から一部抜粋・編集しました。
やせる食べ方ルール:野菜やきのこ、海藻は量を気にせずモリモリ食べる
【理由】食物繊維不足は便秘を招き、肝臓に負担をかけるから
肥満・脂肪肝でスマート外来を受診する人の野菜摂取量を調べたところ、日本人の推奨摂取量の約半分ほどでした(*02)。野菜不足は、食物繊維不足になります。食物繊維は、腸内の善玉菌の栄養源となって腸の健康を維持する重要な成分です。
さらに、便のかさを増やしたり、便を送り出すぜん動運動を活発にさせたりと、便秘を防ぎます。便が腸内に停滞すれば大腸でも栄養が吸収されて太りやすいうえ、腐敗して毒素が増え、有害物質を解毒するために、肝臓の負担は大きくなります。
【だからこうする!】野菜は1日350g以上。朝はお手軽スープがおすすめ
食物繊維の摂取不足を阻止するために、野菜は1日350gを基本にしましょう。きのこや海藻、こんにゃくなども加えながら、続けられる工夫をすることが大切。
野菜は生では、量を食べにくいので、朝食は野菜スープにして、1食120g分の野菜を入れるようにすれば、1日にとりたい量をクリアしやすくなります。
簡単な作り置きメニューも便利です。
食物繊維をとるメリット
血糖値を上げにくい
食物繊維は胃や腸での消化を遅らせ、糖質の吸収スピードを緩やかにします。これによって、血糖値の急激な上昇を防ぐことができます。
満腹感を得やすい
食物繊維は消化・吸収が遅いため、胃腸内での滞留時間が長くなります。これによって、食べた後に長時間にわたって満腹感が続きます。
*02): 西森栄太, 尾形哲, et al. (2018) 糖質制限食は 2 型糖尿病に伴う非アルコール性脂肪性肝疾患をカロリー制限食と同等に改善させる 糖尿病 61(5):297-306.