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アベノミクスが日本人に及ぼした影響とは?【眠れなくなるほど面白い図解プレミアム経済の話】

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アベノミクスが日本人に及ぼした影響とは?【眠れなくなるほど面白い図解プレミアム経済の話】

7:アベノミクスが日本人に及ぼした影響

「アベノミクス」は、2007年9月に体調不良で政権を投げ出した安倍晋三首相が、再チャレンジで2012年12月、再び政権の座に就いて打ち出した経済政策です。当時の日本はバブル崩壊後の後遺症により、97年以降恒常的なデフレに陥り、景気回復もままならず、1ドル百円を下回るほどの超円高にも悩まされていました。

そこで、第2次安倍内閣では、長期のデフレからの脱却と名目経済成長率3%を目指すとして、「大胆な金融政策」「機動的な財政政策」「民間投資を喚起する成長戦略」の3本の矢を主軸とした「アベノミクス」を打ち出したのです。

しかし、政策の効果を印象付けたのは「大胆な金融政策(日銀の無制限金融緩和)だけで、1ドル70円台まで進んだ円高を110円台水準の円安に戻して輸出大企業に貢献し、政府による公的年金資金の投入で株価を上昇させたぐらいです。

日銀の黒田総裁が目標として掲げた「安定的なインフレ率2%」は、2023年4月に退任するまで10年経てども、一向に達成できずに終わりました。その間、金融市場から国債を膨大に買い入れ、ETF(上場投資信託)を50兆円以上購入し、株式市場を官製相場化してしまいました。

結局、マネタリーベース(日銀の当座預金通貨)には資金がブタ積みされても、経済全体に資金が行き渡るマネーストック(通貨供給量)はほとんど増やせず異次元緩和は大失敗だったのです。

景気浮揚を口にしながら安倍首相は2回も消費税率を上げ景気を冷やします。やることがアベコベなので「アベコベのミクス」と揶揄される始末です。結局、超円安に見舞われた日銀の植田新総裁は緩和の出口を探り、手をこまねくばかりなのです。

【アベノミクスの3つの矢】

・大胆な金融政策

・機動的な財政政策

・民間投資を喚起する成長戦略

⇒デフレからの脱却と名目経済成長率3%を目指す

政策の効果は「大胆な金融政策」のみで政府による公的年金資金の投入で株価を上昇させたのみです!

【日本のインフレ率の推移】

・マネタリーベースの推移

(異次元緩和前)2013年3月 135兆円

⇒2023年3月 646兆円(4.78倍)

・マネーストックの推移

2013年3月 M3 1152兆円

⇒2023年3月 M3 1565兆円(1.35倍)

※『眠れなくなるほど面白い 経済とお金の話』より一部引用

【経済とお金の豆知識】

消費者物価指数は消費税込みの価格で計算されます。消費税率アップはインフレ要因と思われがちですが、実際は購買量が減少、かえって消費が落ち込むデフレ要因です。企業には賃金下押し圧力となります。

【出典】『眠れなくなるほど面白い図解プレミアム経済の話』著:神樹兵輔

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