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30年以内に巨大地震発生のおそれ。ペットのためにできる備えは?

さんたつ

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1月17日は「防災とボランティアの日」です。1995年のこの日、阪神・淡路大震災が発生したことをきっかけに、災害への備えと助け合いの大切さを考える日として定められました。2026年の年明けにも、震度5強の地震が島根県と鳥取県で発生するなど日本では巨大地震が絶えず、散歩中に被害に遭うことも想定されます。私たち自身はもちろんですが、散歩をともにするペットにとっての備えも考えておく必要があります。今回は犬や猫などペットのための防災について解説します。

ペットを守れるのはあなた自身。普段からできる備えをチェック

地震はいつどこで起きるか予想することが難しいですが、さんたつユーザーの多い首都圏で大きな被害が出るといわれる首都直下地震は、今後30年以内に70%程度の確率で発生するといわれています。2025年12月に発表された最新の被害想定によると関東の広い範囲で最大震度6や7の地震が発生し、外出先から帰宅困難になる人の数は東京都内だけでも約480万人に上るおそれがあります。また、西日本や東日本の太平洋沿岸地域を中心に震度6以上の揺れが想定される南海トラフ巨大地震も、30年以内に60~90%程度以上の確率で発生すると発表されています。

近年、巨大地震が相次いでいるため、すでに散歩中も対策を心掛けている人はいると思いますが、散歩を楽しむ人の中にはペットたちとともに出かける人も多いでしょう。ペットも大切な家族の一員ですが、私たちとはまた違った備えをする必要があります。

筆者の愛犬。ペットもかけがえのない家族の一員だ。

まず、大前提として私たち自身が自分の身を守る対策を取っておきましょう。散歩中はいざという時も歩きやすい靴を履き、防災ボトルや防災ポーチなどに最低限必要なものを入れて携帯する、被災時の避難ルートを考えておくなど、改めて基本的な対策を見直しておくことが大事です。そして、ペットと一緒に被災した場合は公的機関や飼い主同士、被災地以外からの広域支援の手を借りることもできますが、ペットの命を一番に守ってあげることができるのは飼い主自身です。

普段からできる備えとして、離れ離れになっても連絡が来るように、飼い主とペットの名前、住所、電話番号を書いたネームタグを首輪につけておくこと、家や近所の散歩ルートで地震に遭った場合を想定した避難ルートを一度、一緒に歩いてみることをおすすめします。普段と違う道を歩くと思いがけない障害物があったり、興奮してしまうワンちゃんもいたりするかもしれません。

筆者の愛犬は高齢のため被災時もシニア犬用のペットフードが必要だ。

そして、人間と同じように自宅避難する場合に備えて、ペットフードなどの備蓄をする必要もあります。1週間分のペットフード、水、おやつなどを用意して、月に2回など目安を決めて開封します。消費した分は補充して、賞味期限を切らさない「ローリングストック方式」で備蓄しましょう。この時、用意するものはペットの種類や数、年齢、大きさ、健康状態に合わせて考えてみてください。ペットシーツや持病の薬、おもちゃ、タオル類、新聞紙、食器類のほか、具合が悪くなってしまうことを想定してペットの健康データ、迷子になった時に備えた写真や迷子チラシも役に立つ可能性があります。そして、避難所へ移動するためのキャリーやハーネス、布なども必須です。

ペットとともに避難所で避難する場合の注意点とは?

次にペットと一緒に避難所へ移動する場合に心掛けておきたいことを紹介します。環境省はペットの野生化防止や動物愛護の観点からペットと一緒に避難する「同行避難」を推奨しています。ただ、飼い主が避難所でペットのお世話をすることはできない避難所もあり、ペットとは別室で過ごすことになる場合が多いです。いきなり知らない場所へ連れていかれることが強いストレスになることもあるため、時にはペットホテルなどでお泊りして予行練習することも有効かもしれません。

ペットがおびえないようにお泊りで慣れさせてみることも必要かも(画像=写真AC)。

避難所ではさまざまな人が集まっています。当然、ペットに対する考えもそれぞれです。ペットを飼っていない人の中には動物が苦手な人や鳴き声などが気になる人もいます。避難生活でのトラブルを避けるため、普段からむやみに吠えない、噛まないなど最低限のしつけは行うようにしてください。家族以外にもペットのことを気に掛けてくれる、飼い主同士のつながりもできれば作っておくと、被災時に協力し合うことができ心強いです。また、ワクチン接種や寄生虫駆除、不妊・去勢手術などをしていない場合、避難所から受け入れを拒否されることがあります。必須の獣医療処置を忘れずに確認しておいてください。

離れ離れで被災してしまったら……

ペットと一緒に散歩したり自宅で過ごしたりしている時以外に被災することもあります。飼い主のあなたが帰宅できない時、自宅のペットたちが心配でたまらなくなると思います。家族や近所の人に確認してもらうことが難しい場合は、インターネットで映像を確認できる見守りカメラを家に設置しておくのも一つの手です。

そして、地震の強い揺れで窓が開く、ガラスが割れるなどしてペットが逃げ出してしまうリスクもあります。飼い主は帰宅したら、まず家の様子を確認して避難経路を確保した上でペットの無事を確かめてください。この時、家の倒壊する危険がある場合は焦って中に入らないように十分な注意が必要です。万が一、ペットがいなくなった場合はまず半径100mの範囲を丁寧に探してください。そして、迷子チラシを作成し、避難所や動物病院などで掲示の許可を取り、情報を募りましょう。

ペットと散歩する時間は癒やしのひと時。しかし、その日常が地震などの災害によって奪われてしまうこともあります。あまり考えたくはないことかもしれませんが、いざという時に備えて、飼い主のあなた自身だけでなく、ペットの命を守るための備えを平時の今、やっておいて後悔のないようにしましょう。

文=片山美紀 TOP画像=写真AC

参考

鈴木正芳 監修『いぬとねこのためのペット防災BOOK』三笠書房、2025年1月

内閣府 防災情報のページ 首都直下地震対策検討ワーキンググループ(令和5~7年)
https://www.bousai.go.jp/jishin/syuto/taisaku_wg_02/index.html

気象庁 南海トラフ地震で想定される震度や津波の高さ
https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/jishin/nteq/assumption.html

片山美紀
気象予報士
大阪府出身。大学卒業後、地方放送局を経て気象予報士となりNHK総合やTBSなどで解説。街歩きをしながらお天気ネタを探すのが趣味。著書に『気象予報士のしごと‐未来の空を予想して‐』(成山堂書店)、『地球環境を守るレシピ』(日本橋出版)などがある。

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