「書類を出すだけじゃん!」不倫成就→略奪婚のはずが、前進しない関係に苛立つ34歳女性【冷酷と激情のあいだ〜女性編~】
男女の関係では、交際相手や配偶者の態度に悩む人も少なくありません。愛し合っている男女間でも、価値観や物事の判断には個人差があります。ひとつの出来事への解釈や目的が、男性と女性では異なる場合もしばしば。男性と女性では、夫婦のあり方への認識が大きく異なる場合も少なくありません。
魑魅魍魎(ちみもうりょう)な人間模様分析を得意とする並木まきが、そんな男女の“冷酷” と“激情”のあいだを垣間見るエピソードをお届けします。
【冷酷と激情のあいだ〜女性編~】
34歳、不倫を成就させたけど
34歳の瑠奈さん(仮名)は2年弱の不倫期間を経て、相手の男性・ジュンジさん(仮名・45歳)の離婚の成立がしたため「早く結婚を」と望んでいる女性です。
不倫の是非はここではさておき、瑠奈さんとしては不倫中に「離婚して、瑠奈と再婚する」と言っていたジュンジさんが、すぐに結婚へと進んでくれないことに苛立ちを募らせています。
結婚する約束はどうしたの?
「不倫期間中は、ずっと私は日陰の身。彼の家庭に関係が知られないよう本気で注意していましたし、実際に彼の離婚が成立するまで不倫関係はバレずに済みました。
それも全てジュンジが離婚をして私と結婚をすると約束してくれていたから、頑張ってきたんです。なのに離婚成立から半年以上経つ今も、ジュンジの口から具体的な結婚の話が一切出てこないっておかしくないですか!?」
瑠奈さんは早めの出産も希望していて、自身の年齢を考えると「早ければ早いほどいい」と話します。
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早く子どもを産みたい
「ジュンジは前妻との間に、息子がひとりいるんですよ。だけど私には婚歴がないし、とにかく早く結婚をして子どもを産みたいんです。
その話ももちろん私からジュンジには伝えているので、彼だって私の気持ちは理解しているはず。
『君が産みたいなら産めばいいよ』と言ってくれていたので、彼も賛成していると思うんです。なのに、なんで離婚してからすぐに行動に移してくれないのか。
本気でイラつきますし、私が彼の離婚までずっと我慢して待ち続けた時間はなんだったのか…」
話しているうちに、ヒートアップして感情が溢れ出す瑠奈さん。まわりの友人たちは出産した人が多く、自分も早く落ち着いた生活を送りたいと切望しています。
お金に余裕がないから?
「多分、ジュンジは前妻に養育費を払っているので、そこまでお金に余裕がないのでしょうね。
それが結婚に進めない最大の理由だと思います。でも私はジュンジと結婚できるなら、そんなに裕福な生活じゃなくてもいいって納得して今の選択をしました。
不倫の末の結婚だから、結婚式だって挙げるつもりはないです。それに、私だってフルタイムで働いています。ダブルインカムならこれからの生活だってなんとかなるでしょう?
子育て支援も今はどこの自治体も手厚くなってきているし。そんなに不安がらなくてもいいじゃないですか」
経済的に苦しくても、結婚して子どもが欲しい旨は瑠奈さんからジュンジさんへ何度となく伝えたのだそう。
ところが、ジュンジさんはそのときには納得した様子を見せるものの、入籍の話になるとのらりくらりとはぐらかすばかり。そんなやりとりを繰り返しているうちに、気がつけば半年以上の月日が流れてしまったと瑠奈さんは言います。
どうしてそんなこともしてくれないの?
「入籍なんて、婚姻届に記入して役所に提出するだけで済むじゃないですか?
なんでそんなこともしてくれないのか、って本気でムカつきます。
不倫中に、結婚の約束をしていなければ私だってこんなにイライラしないですよ。
でも『離婚して君と再婚する』って最初に言ってきたのはジュンジなんだから、ちゃんと責任もって行動にうつすべきじゃないですか?
もうすぐ私は35歳。これ以上待ちたくないし、本当は年内に決着をつけたいくらいです」
◇ ◇ ◇
離婚成立後も、関係が前に進まない現状に強く苛立つ瑠奈さん。では、恋人であるジュンジさんはふたりの関係をどう考えているのでしょうか。
次回に続きます。
(並木まき/ライター・エディター)