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宿泊行事が恐怖!ASD娘、「○時○分にホテルのここに移動」まで伝えなきゃ不安?スクールカウンセラーに受けたアドバイスを実践したら…

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宿泊行事が恐怖!ASD娘、「○時○分にホテルのここに移動」まで伝えなきゃ不安?スクールカウンセラーに受けたアドバイスを実践したら…

監修:井上雅彦

鳥取大学 大学院 医学系研究科 臨床心理学講座 教授/LITALICO研究所 客員研究員

わが家の長女ゆいは現在小学6年生。未知のものに対してとても不安を感じるタイプです。

幼いときは「人よりも怖がり屋さんなのかな?」とそれほど気にしていませんでした。でも成長するにつれてそうではないと感じることが増えてきて、小学5年生の春にASD・場面緘黙・軽度知的障害の発達障害の診断も受けました。今回は、小学5年生のときの自然学習体験についてお話ししたいと思います。

数ヶ月前に「自然学習体験という一泊二日の行事がある」ということを知っただけで、ゆいの表情はくもりました。「怖い。行きたくない」とよく口にして不安そうに過ごす日が続きました。

まず、ゆいに何が不安なのかを確認すると、どんな場所かもわからないとこに行くのを怖がっているということがわかりました。ゆいにとって未知の世界はワクワクするものではなく恐怖の対象なんですよね。でも家族旅行の場合は問題ないですし、保育園時代に一泊二日で行った自然学習体験も平気だったので、小学校の自然学習体験だけに不安を感じるのが不思議でした。いつも一緒にいる家族や、物心つく前から一緒に過ごしてきた保育園のお友達とはやはり違うのかもしれませんね。

私は何度か学校に通い、スクールカウンセラーの先生にアドバイスを受けて「見通しを立てる」ということを徹底することにしました。

タイムスケジュールと持ち物はしおりに書いてあるので問題ないですが、問題は宿泊先のホテルがどんな場所かです。まずはゆいにホテルのWebサイトを見せました。ホテルの外観や部屋の画像がたくさんあり、フロアマップもあったので助かりました。

ここがお風呂、そしてこの部屋があなたの泊まる部屋、この階段を上がったらホールがあるよ…と画像を一枚ずつ見せました。得体のしれなかった場所の全体像がわかったことで、ゆいはなんとなく安心できたようです。

次にしおりに書いてあるタイムスケジュールとホテルのフロアマップを照らし合わせ、何時にこの場所に移動するということを確認しました。

屋外についてはわかりませんでしたが、ホテル内での流れが前もって把握できて、ゆいはまた安心できたようです。正直なところ、ここまで確認しないといけないのか…と思いました。そして、ゆいは将来どうなるのかなとも…。もし大人になってからも同じように、新しい場所に行くときはこれくらい下調べを必要とするのだったら、本人もちょっと大変だろうなと感じます。何かこれから対策できることはないかと考えさせられました。

そして自然体験学習が終わり、帰宅したゆい。ちょっとお疲れのようでしたがとても楽しかったということを教えてくれました。事前の下調べは大変だったけれど、ゆいにとってちゃんと「安心」に繋がっていたようでこちらもホッとしました。先生方にご協力いただき、ゆいが楽しい思い出を作ることができて感謝しています。私自身もゆいのこれからについて新しい問題点を見つけられたいい機会となりました。

執筆/吉田いらこ

(監修:井上先生より)
学校行事などの特別活動は、楽しい雰囲気も感じつつ「いつもと違う、どうしよう」という予期不安を高めてしまいますね。こうした場合、予測性を上げることは有効な支援の一つだと思います。具体的には、ご紹介されているようなWEBサイトを見ること、ほかには去年の行事のビデオをみる、家族で泊りに行くなどをされている方もおられます。

一泊二日のスケジュールを一つひとつ辿りながら確認するのは大変ですが、食事、寝室、お風呂、トイレなど、どこが一番不安に感じるのか共通理解し、解決案を一緒に考えていくことがお子さん自身の対処法の獲得に繋がっていくでしょう。今回、うまく事前準備をして泊まってこれたことは成功体験として本人の中に蓄積されていきます。みんなと同じようにできなくても良いのです。どうしても不安が消えない場合は、”夜は迎えに行く”など100%の参加でなくても努力を認め、成功体験にしていくことが重要で、このような成功体験を積み重ねることで、大人になったときに今よりも不安を感じることなくいろいろな場所に行けるようになると思います。

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