肉や魚を減らしがちな高齢者こそ危ない! 健康寿命を左右するアルブミン値を維持する方法【DON’T DIE 100歳まで健康に生きるアルブミンの法則】
人はタンパク質なしでは生きられない
アルブミン値を上げるには食事からタンパク質をしっかり摂る必要があることは、ここまでも話した通り。では、タンパク質とはそもそも何なのでしょうか。
私たちの体は、水分と脂質を除くと、その大部分がタンパク質でできています。筋肉や骨、内臓、皮膚、血液、髪や爪に至るまで、体のあらゆる組織はタンパク質を材料としてつくられており、白血球や赤血球、ホルモン、酵素、抗体など、体の働きを支える成分もまたタンパク質です。
タンパク質は、いわば体を形づくり、生命を動かす「体の素」。実際、筋肉は水分を除くと大半がタンパク質でできており、脳や腸といった重要な臓器にも多くのタンパク質が含まれています。タンパク質がなければ、私たちの体は存在そのものを維持することができないのです。
タンパク質は20種類のアミノ酸が数百個以上つながってできており、その組み合わせや量の違いによって、体内には多種類のタンパク質が存在します。20種類のアミノ酸は体内で合成できない「必須アミノ酸」と体内で合成できる「非必須アミノ酸」に分類され、必須アミノ酸は食事から摂る必要があります。食事から摂取したタンパク質はいったんアミノ酸に分解され、吸収された後、体に必要なさまざまなタンパク質へと再びつくり替えられます。
タンパク質には、大きく分けて次の3つの働きがあります。
【1】体をつくる
タンパク質は筋肉、内臓、皮膚、骨、血液、神経など、体の組織そのものの材料になります。例えば、皮膚や骨を支えるコラーゲン、筋肉を動かすミオシンやアクチンなどもタンパク質です。体は常に古いタンパク質を分解し、新しいタンパク質をつくり直すことで維持されています。
【2】エネルギーのもとになる
通常は炭水化物や脂質がエネルギー源として使われますが、それらが不足すると、体はタンパク質を分解してエネルギーとして利用します。タンパク質は1gあたり約4kcalのエネルギーを生み出し、病気などで糖質を十分に使えない場合にも重要な役割を果たします。
【3】体の機能を調節する
タンパク質は、ホルモンや酵素、抗体、神経伝達物質の材料でもあります。ホルモンは成長や代謝を調整し、酵素は消化や代謝を助け、抗体は免疫として体を守ります。また、アルブミンやヘモグロビン、トランスフェリンなどのタンパク質は、栄養素や酸素を体内の必要な場所へ運ぶ役割を担っています。
このように、体をつくり、動かし、守るという生命活動の根幹を支えているのがタンパク質です。
フレイルやサルコペニア、PEMを防ぎ、アルブミン値を保つためにも、タンパク質は決して欠かすことのできない栄養素なのです。
しかし、タンパク質は体内で十分に蓄えておくことができない栄養素です。そのため、毎日の食事から継続的に摂取しなければ、気がつかないうちに不足してしまいます。特に高齢になると、食事量そのものが減ったり、肉や魚を減らしがちになったりすることで、必要量を満たせなくなる人が少なくありません。
タンパク質が不足すると、まず筋肉量や筋力が低下し、疲れやすさや転びやすさとして現れます。さらに進むと免疫力が落ち、感染症にかかりやすくなったり、回復に時間がかかったりします。アルブミン値の低下は、こうした体の変化を映す重要なサインでもあります。だからこそ、年齢を重ねるほど「しっかり食べる」「意識してタンパク質を摂る」ことが、健康寿命を守るうえで欠かせません。ところが現実には、十分なタンパク質をとれている人は、決して多くないのです。
体内の構成成分と各部位のタンパク質の割合
私たちの体は、水分や脂肪を含めて見ると全体の約14%がタンパク質です。ところが水分を除いて中身を見ると、筋肉の約80%、腸の約65%、心臓や皮膚の約60%など、体の中心はタンパク質でできていることが分かります。
【出典】『DON’T DIE 100歳まで健康に生きるアルブミンの法則』著:栗原毅/栗原丈徳