アルコールの分解にとても重要な「肝臓」はどんな働きをしているのか?【痩せるお酒の飲み方】
アルコールも糖も代謝するのは肝臓
肝臓には主に、「栄養素の代謝」「胆汁の生成」「有害物質の解毒・分解」の3つの働きがあります。「栄養素の代謝」とは、食べた物に含まれる栄養素を体で使える形に変換して蓄え、必要に応じて送り出す働き。例えば、栄養素の1つである糖質も肝臓ではグリコーゲンとして貯蔵され、血中のブドウ糖が不足するとブドウ糖に変換して放出されます。
「胆汁の生成」も肝臓で行われています。胆汁には脂肪とたんぱく質を分解しやすくする作用があり、肝臓で合成され胆のうで蓄えられます。また、「有害物質の解毒・分解」も肝臓の重要な役割。アルコール代謝はその一例です。小腸で吸収されたアルコールは血管を通して肝臓へ送られ、「アセトアルデヒド」という有害物質に一度分解されます。
さらに肝臓内の酵素で無害な「酢酸」に変化され、全身へ送られて最後は二酸化炭素と水に分解され排出されます。これらの働きからおわかりのように、糖質の代謝もアルコールの代謝も肝臓が一手に引き受けています。
ですから、お酒と一緒に糖質の高いおつまみを食べれば、肝臓はアルコールだけでなく糖質の代謝も行わなくてはならず、大きな負担となるのです。また、糖質はおつまみだけでなくお酒にも含まれる場合があるのをお忘れなく。糖質の高いお酒を飲めば、たとえおつまみを食べなくてもアルコール+糖質を摂取して肝臓にダメージを与えることになります。
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そもそもなんでお酒を飲むと太るの?
酒を飲むと太る。そう実感する人は多いのでは?お酒やおつまみのカロリーや糖質が原因なのでしょうか。もちろん、それも関係しますが、実はもっと根本的なところに「飲むと太る」原因があるのです。
お酒を飲むと、まずはアルコールが胃に到達して吸収されます。すると、アルコールの影響で全身の血流がよくなります。皆さんが経験する、お酒を飲むと血行がよくなって体が温まるという現象です。アルコールはある程度胃で吸収されたあと、小腸へ流れていきます。当然、小腸も血流がよくなっているので吸収力がアップ。流れてきたアルコールのほか、お酒やおつまみに含まれる糖質をたっぷりと吸収してしまいます。
お酒を飲むと脂肪をためこみやすくなる!
同じ糖質量でも、お酒を飲まないときよりも飲んだときのほうが、より多く糖質を吸収してしまう。これが、「飲むと太る」一番の原因です。糖質はとりすぎると、中性脂肪となって体に蓄積していきます。つまり、お酒を飲むと、体が脂肪をため込みやすい状態になってしまうのです。
また、お酒には胃を刺激して胃の動き(蠕動運動)をよくする作用もあります。胃が活発に動きはじめるので、どんどん食欲も増進します。その結果、お酒を飲みながら食事をすると食べすぎてしまったり、飲んだあとにシメのラーメンを食べたくなったりと、食欲が暴走。単純に飲むと食べる量が増えることで、太ることに繋がります。
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【書誌情報】
『肥満治療の名医が教える 図解 内臓脂肪がごっそり落ちる食事術』
監修:土田 隆