入退院支援センターを開設、市立四日市病院、入院前に患者の状況を把握
三重県四日市市の市立四日市病院で「入退院支援センター」が開設した。入院が決まった患者の身体的、精神的、社会的な状況を把握し、患者や家族が入院治療や退院後の治療についても、あらかじめイメージできるような支援をするという。
以前からある地域連携・医療相談センター「サルビア」の医療ソーシャルワーカーらとも連携し、退院後の地域での生活までを見据えた切れ目のない支援をめざすという。配置される職員は看護師6人、薬剤師(午前2人、午後1人)、事務員3人でスタートした。
開設日は7月1日で、当面は外科、整形外科、婦人科、泌尿器科、心臓血管外科、呼吸器外科の6科の患者を対象に、相談室は3室で運営し、その後、全診療科に広げ、相談室も7室に拡大するという。受付時間は平日午前9時~午後4時で、完全予約制で運営する。
入退院支援センターの建物内部の様子=四日市市提供
市立四日市病院ではこれまで、外来で入院の決定があると、入院病棟での検査、治療、療養支援のほかに、入院生活の説明、現在使用している薬の確認、入院前の介護サービス等の利用状況などの患者情報の確認、療養上のリスクの説明や退院後の支援などについて、並行して聞き取りや説明をしていた。
センター開設後は、外来で入院が決まったあと、入院前にセンターで入院生活の説明から退院後の支援にかけてまでを説明し、入院してからの治療や療養のこと、退院後についてまで、患者や家族にイメージしやすいようにしたいという。そのうえで患者が入院するため、医師や看護師にとっても、患者の状況をより詳しく確認したうえで受け入れられるメリットがあるという。
センターは病院に正面から入ったところの外来病棟入り口の北にあり、過去にはバス停前の植え込みなどがあった場所を活用して設置した。病院の組織図としても、副院長のもとに患者支援部を設け、そこに入退院支援センターと地域連携・医療相談センター「サルビア」が所属する形になった。