【銀だこは違う】大阪人の私が懐かしさを覚えた東京の店『じゅげむ』に見る「たこ焼きのイデオロギー」/ 中野・高円寺・上野アメ横
東京でたこ焼きと言えば『築地銀だこ』だ。でも、銀だこって美味しいは美味しいんだけど、大阪のたこ焼きとは別物。大阪出身の私(中澤)からすると、あれは銀だこという食べ物としてウマイという感じである。
このたこ焼き論を東京で言って理解されたことはない。確かに、銀だこじゃなくとも、東京で「これこれ!」っていうたこ焼きに出会ったことないんだよな。ないのかな?
・何が違うか
じゃあ、銀だこの何が「違う」ように感じるのかと言うと、1つは食感。外がパリパリで中がトロッとした食感のコントラストが違うのである。
大阪の多くのたこ焼きは皮がぺにょっと柔らかい。お好み焼きの生地が多少固めに焼かれて皮化したような食感だ。なので、銀だこの皮の食感には、たこ焼きと言うより「たこ揚げ」を感じてしまう。
・味だけにとどまらない理由
では、なぜ多くの大阪人が、ちょっと皮の食感が違うたこ焼きという感想にとどまらず、「別物」と感じるのか? 私の仮説は、それによって高級感が出ているからではないかと思う。銀だこの食感のコントラストはバランスが良すぎるのだ。まるで計算され設計された料理のように。
たこ焼きって、もっとついでに食べるお菓子みたいな存在だ。雑に食べていいから良いのだ。ゆえに、ちょっとした高級感は大阪人的には味の違いにとどまらず、イデオロギーの違いに感じる。
・明確に違う店
銀だこじゃなくとも、東京で出会うたこ焼きに感じてきた違和感は地位の高さによるものかもしれない。私の中で今までぼんやり感じていた違和感がくっきりした理由は、先日アメ横を歩いている時にガチ本場を感じる店に出会ったから。
コレコレーッ! 私が大阪で食べてたたこ焼き、マジでこれ!! ぺにょっとした皮が破れるとあふれ出さんばかりのトロトロが口内を攻める。
トロトロすぎる生地はつまようじに引っかからずタコをおかずに焼きを食う。そして、その安い食感をウスターソースとマヨネーズが覆いつくす。これでいい。
・たこ焼きのイデオロギー
懐かしすぎて泣きそうになった。メニューはたこ焼き(6個480円~)とたこせん(330円)と飲み物のみで、トッピングもねぎ(100円)とチーズ(130円)と明太マヨ(150円)のみ。6個480円という安さが良いじゃないか。たこ焼きはワンコイン以下で気楽に食べたいものだ。
さらに、ソースは「ソース」「ピリ辛ソース」「しょうゆ」「塩こしょう」「生姜しょうゆ」を選べて、マヨネーズと一味を無料でトッピングできる。たこ焼きの調味料はホスピタリティー。豪華さとか求めてない。
カウンター前の外に置かれた簡易の机と椅子すら良い味を出している。もはや確信犯。これぞたこ焼きのイデオロギーだ。
その店の名前は『大阪泉州たこ焼き じゅげむ』。公式サイトによると、アメ横以外にも中野、高円寺に展開されていて、「東京に、泉州(大阪南部)のたこ焼きの味を。」をスローガンとしているようだ。
その言葉や名前だけではなく、味、価格、メニュー、席など、全て含めての大阪みは泉州生まれの私も懐かしくなるレベル。私はこれ以上本場っぽい店を知らない。「銀だこは違う」というのがピンと来ない人で、違いが気になる場合は行ってみてくれ。
・今回紹介した店舗の情報
店名 大阪泉州たこ焼き じゅげむ上野御徒町店
住所 東京都台東区上野6-9-1
営業時間 13:00~22:00
定休日 不定休
参考リンク:大阪泉州たこ焼き じゅげむ
執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.