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お酢は後入れ!家庭料理のプロが作る絶品「酸辣湯」

TBSラジオ

日々の天気や街のトレンド、おいしいゴハンに大人の悩み、社会の仕組み・・・1日イチ「へぇ~」なトピックスを。新進気鋭のコラムニスト、ジェーン・スーが、生活情報や人生の知恵をナイスなミュージックと共に綴る番組。

ゲストは、料理研究家の浜内千波さん!


浜内さんには、旬の食材を使った簡単料理や季節のレシピを教えていただいています。
材料手順が少ないのにおいしくできるので、絶対に試してみてください!

今回のテーマは

お酢の基礎知識

昔から使われているお酢ですが、今流行りの発酵調味料の一つ、腸内環境を整えてくれます。
酢酸は体内にはいるとクエン酸になり、疲労回復になります。

身体が少し疲れ気味になるだるい重い時期にクエン酸を摂ることにより疲れの素“乳酸”を分解してくれて、疲れが取れることにつながります。
レモンをスポーツ選手のスポーツ後に取るのは、酢にはないビタミンCも豊富なのでより筋肉回復効果が期待できるレモンの方が選ばれているみたいですね。

炭水化物のみならず脂肪もエネルギーにいち早く変える効果もあるといわれています

Q:スーパーにいくと、さまざまな種類のお酢が売られていますが、値段によって性質が違う?

浜内:材料工程の違いで、味わいが変わってきます。酢の値段は一概には言えませんが、お値段の高さの違いとして米の使用量の違い、多いものには10倍以上のお米が使われているほど、米が豊富に使われています。本来、お酢は、醸造の過程が必要。醸造でアルコールが出てくるのを待つんです。一方、安価に手に入るものは工程を省くためにアルコールを加えてあるんです。飲んでみると違いはわかります。

一般的な安価なもの、500ml 100円。
「純米米酢」などの名前で売っているもの。高価なもの、360ml 650円ぐらい。

飲み比べてみると

浜内:安いから質が悪いということではなく、用途によって使い方を変えるとよいです。
たっぷり使うマリネ、すし酢など→安価なもの
あと入れしたり、ちょっと垂らすぐらい→純米米酢などの味わいがしっかりあるもの

種類について

浜内:一番の基本は穀物酢です。いろんな穀物(小麦粉も含む)から出来ている、トウモロコシ、米、雑穀とアルコールから出来ている
米酢…お米とアルコールから出来ている少しお安いものや、お米だけが原材料の純米米酢なども。
フルーツ酢…いろいろなフルーツから出来ていますが、
リンゴ酢、ブドウ酢、ブルーベリー酢などがあります。

それぞれの使い方ですが
穀物酢…大量使う時、加熱のほうがマイルドになる
米酢…旨み、まろやかさが強いので生で使うと良い
フルーツ酢…フルーツの香りがするためサラダ、デザート、飲み物、などに向く

特別製法によって酢っぱさだけではなく、
まろやかさやほんのり甘さを感じることがあります。
理由は熟成期間や米の種類だけではなく酒粕を入れ込んでいる場合もあるからです。

調理する際のポイントや注意点
酸は通常加熱すると揮発性が高い為、少しの量で効かせたい時は、後入れやそのまま使いが良い…やきそばやラーメンや、春巻き、餃子等少し油っぽいものに入れるとよいです。ラーメン屋さんの卓上にお酢が置いてあるのは理にかなっているんですね。

ほかに

肉の下ごしらえに少し酢を入れ込むと肉が柔らかくなる
味の決め手の一つに甘味、塩味、酸味があるので、隠し味に入れ込むと味の深みやバランスが取れやすくなる

お酢は後入れ!豚コマで作る、酸辣湯!

通常はひき肉で作るのですが、今回、より簡単に作れるように「豚コマ肉」で作るレシピにしました!
大事なポイントは「お酢を後入れ」することです。

材料(2人分)
豚小間切れ肉 50g
絹ごし豆腐 100g
長ねぎ 10㎝長さ
生姜 1かけ
卵 1個(50g)
砂糖 小さじ1/2
塩 小さじ1/2
醤油 大さじ1/2
水 400㏄
水溶き片栗粉 適量
酢 小さじ2
ラー油 適量

作り方
生姜は微塵切り、長ねぎは斜め薄切り、絹ごし豆腐、豚肉は細切りにしておく。
鍋に水を沸騰させ、豚肉を入れて手早く混ぜ、再度沸騰させてあくをとる。
生姜、塩、醤油、砂糖を加えて味を調え、水溶き片栗粉でとろみをつける
豆腐、長ねぎを静かに入れて火を通したら、溶き卵を静かに回しいれる
器に小さじ1ずつ酢を入れておき、スープを盛る。ラー油をお好みで垂らす


Q:ひき肉で作る場合は?

「鶏ひき肉 50g」を鍋に入れる前に、50mlほどの水を混ぜ、ほぐしておくことがポイントです。しっかりほぐれてから鍋に入れて加熱しましょう。

他のお酢の基本情報

ちなみに、酸辣湯は中国料理ですが、そこに麺を入れた酸辣湯麺は日本発祥と言われています。
販売時の容器から別の容器に移し替えることは控えましょう。雑菌が入りやすくなってしまいます。


浜内千波さん
浜内さんは徳島県出身。
1980年から料理教室「ファミリークッキングスクール」を主宰。
いかに家庭で手軽に美味しい料理を作れるかを、40年以上 伝え続けている、まさに“家庭料理のプロ”!
「生活は踊る」月曜日の月1レギュラーで、おもに旬の食材を使った簡単料理や季節のレシピを教えていただいています。

(TBSラジオ『ジェーン・スー 生活は踊る』より抜粋)

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