言葉の外にある桃瀬と皐月の関係性──アフレコでも印象深かった第7話のエピソードとは? 「霧尾ファンクラブ」桃瀬隼斗 役・小笠原 仁さん【連載インタビュー第6回】
現在、MBS/TBS系28局“スーパーアニメイズムTURBO”枠にて、毎週木曜深夜0時26分から放送中のTVアニメ「霧尾ファンクラブ」(原作:地球のお魚ぽんちゃん)。
本作は、同じクラスの「霧尾(きりお)くん」に夢中の女子高生・三好藍美(みよし あいみ)と染谷波(そめたに なみ)の日常を描く、ラブまではまだたどり着けそうにない一方通行ラブコメディーです。
アニメイトタイムズでは出演キャスト&スタッフにお話を聞く連載インタビューを実施。今回ご登場いただくのは、霧尾と同じサッカー部に所属するクラスメイト・桃瀬隼斗役の小笠原仁さんです。
最後まで見ると“霧尾ファンクラブ”の存在意義が見えてくると力説する小笠原さん。第7話の振り返りやアフレコでの印象的なエピソードを語っていただきました。
【写真】TVアニメ「霧尾ファンクラブ」桃瀬隼斗役・小笠原仁【連載インタビュー第6回】
心理描写においても卓越した作品
──最初に「霧尾ファンクラブ」と初めて出会ったときの印象を教えてください。
桃瀬隼斗役・小笠原 仁さん(以下、小笠原):二人の女の子が一人の男の子を好きでファンクラブを作る……恋のライバル的な感じで進んでいくのかな?と思いきや、藍美と波の青春模様だったり、関わり合いの中で育まれていく友情があって。
その関係性がすごく楽しい作品だなと、第1巻の1、2話を読んでいるときに思っていました。でも物語が進むにつれて、そうも言っていられないくらいのギャグが乱打されるという(笑)。
──(笑)。
小笠原:次々と繰り出されるギャグを自分はどう受ければいいか戸惑いながらも浴び続ける、ぽんちゃん先生の鬼才と世界観が光る作品だなと思いました。
──シュールギャグかと思えば、心に刺さるところもあるのが本作の魅力ですよね。
小笠原:ギャグ、コメディ部分のセンスが鋭く光っていますが、人間関係の心理描写がすご生々しいですよね。
これだけぶっ飛んだギャグが繰り広げられていても、ふと描写されるキャラクター同士の表情やセリフ回しから、“きっとこの年代の子どもたちは、これくらいのコミュニケーション止まりになっちゃうよな”と、もどかしさを感じることもあって。心理描写というところにおいても、すごく卓越した作品だなと思いました。
──心理描写で卓越しているといえば、霧尾への愛が詰まった「涙なめなめソング」が話題になりました。
小笠原:漫画で読んだときは「何だこれ!?」と思いました(笑)。実は音源化されていると知り聴いてみたら……すごく良い曲じゃん!と。
歌詞で笑ったらいいのか、曲の良さに涙したらいいのか、どう受け止めればいいのかわからなくなりますよね。その両方の魅力を持ち合わせた作品だと強く感じます。
──そんな本作への出演が決まったとき、いかがでしたか?
小笠原:オーディションを受けるときに原作を読ませていただいて、その時点で結構自分の中で良くも悪くも大事な作品になったなと感じました。
──良くも悪くも?
小笠原:はい。“悪くも”の意味でいうと、オーディションの資料や原作を読んで、あまりにも(心に)刺さってしまうと落ちたときのダメージが大きいんです。
もちろん、どの作品においても合否に対しては一喜一憂していますが、特に自分に刺さる作品だと“絶対に携わりたい”という想いが大きくなってしまって。
なので、「『霧尾ファンクラブ』決まりましたよ」と言われたときには、あの作品の笑いと感動をお茶の間にお届けできる一員になれるんだ!と改めて強く実感しました。
「霧尾ファンクラブ」のあのシーンの笑いを自分のお芝居に任されるのか、とプレッシャーもあったかもしれませんが「いや大丈夫。自分はこの作品が大好きだからいける」という気持ちも湧き出てきて。読めば誰もが好きになる作品で、僕も例に漏れず魅了されました。
──オーディションで印象に残っていることがありましたら教えてください。
小笠原:原作を読む前に、オーディションで掛け合いがあるかもしれないからと他のキャラクターの資料や台本にも目を通すんですけど、女の子にそんなセリフを言わせるなんて……!とびっくりしたのが思い出深いです(笑)。
──特に、三好藍美のセリフはすごいですからね(笑)。
小笠原:オーディションのセリフの中には、“叫びだけ”というところもあって衝撃でした。これはきっと面白い作品になるだろうと思って原作を読んだら、もう10倍、100倍面白かったです。
”こういう男子高校生いるよね”と思ってもらえるように
──個人的な感想で恐縮ですが、キャスト発表時の小笠原さんのコメント冒頭「青春って何でしょうか」に心をつかまれてしまいまして……。
小笠原:あはは! ああいうそれっぽいことを書くのが好きなだけです(笑)。
──(笑)。霧尾と同じサッカー部に所属するクラスメイト・桃瀬隼斗を演じられていますが、どのようなキャラクターだと捉えて収録に臨まれたのでしょうか。
小笠原:「霧尾ファンクラブ」は青春群像劇です。そんな青春学園ものというベースがある上でとんでもないコミカルなコメディギャグがありますが、そのコメディギャグを強く描写するにあたって各キャラクターの役割分担がしっかりしているなと感じていて。
藍美がすごくぶっ飛んでいて、波がツッコミ兼ボケ担当で、それを引いて見ている満田くんがいて、腹の底が読めない何を考えているのかわからないけれど好かれる理由がわかる霧尾がいて……。
その中で、桃瀬隼斗という存在はコメディギャグの部分というよりも、ベースにある青春学園ドラマのほうの属性を担当しているキャラなのかなと思っています。
小笠原:素っ頓狂なことを言ったりもしますけれど、めちゃくちゃぶっ飛んでいるというわけでもなくて。ある意味、見てくださっている視聴者の方々に高校生の頃を思い出させる役割といいますか。毒にも薬にもならない会話が面白くて笑った日々を教えてくれる、普通の男子高校生が彼のキャラクターだな、と。
なので、セリフ読みも掛け合いの中でも、キャラクターキャラクターしないように、“こういう男子高校生いるよね”とずっと思ってもらえるよう心がけました。
あとは、桃瀬としてセリフを読むときに、誰にも気づかれなかったかもしれないけれど、ちょっとこだわっていたことがありましたね。
──こだわりですか?
小笠原:声優をやっていると、言葉を美しく聞かせるために「がぎぐげご」を鼻濁音として発声したり、無声化・有声化だったり、学校で教わるようなアプローチがあるんですけど、それを極力やらないようにしました。
アニメーションにおける高校生という役割を与えられたキャラクターとしてセリフを綺麗に聞かせるのは当然必要なことですが、この作品においての桃瀬は可能な限り、あらゆる方面でリアルな高校生感が出たら良いなと思ったんです。
──だからか、すごく親近感を覚えるキャラクターのように感じました。
小笠原:そのように伝わっていたらすごく嬉しいです。懐かしさをくれる作品ですし、昨今のアニメとしては珍しく、間を超贅沢に使っているなと思いました。
それこそ第1話で、藍美と波が昇降口で夢の話をしているときに桃瀬と霧尾が来て、全身のほくろの数を聞くくだりで桃瀬が声をかけてからの藍美と波の沈黙、あの間の使い方はある意味すごいですよね。
無音の時間があるおかげで「こういう気まずい時間、あったなぁ」と高校生時代を思い出すといいますか(笑)。そんな空気感作りがすごい作品だなと感じています。
──確かに。第1話で藍美が波を肩車するシーンなど、一挙一動まで丁寧に描かれている細かさが随所に感じられますよね。
小笠原:一挙手一投足、本当に何気ないシーンでも大人になったとき、変に思い出に残っていたりするんですよね。
ぽんちゃん先生がそこまで考えていらっしゃったのかは分かりませんが、もしかしたらぽんちゃん先生の青春ものに対する美学みたいなものがそういうところにあるのかな、と思います。
面白く楽しいアフレコ現場と噂のコロッケパーティー
──アフレコはいかがでしたか?
小笠原:藍美、波、霧尾のお芝居に泣かされました……!
もちろん毎話毎話、ずっと面白くて。当然、本番は笑ってはいけないので、テストのときにみんなでずっと声を上げて笑っていましたね。
音響監督の亀山さんがテストで良いものが出たらそのまま採用してくださるんですけど、「テストのほうが面白かったのでそれをもらっちゃいます」ということが多かったです。
お芝居を尊重してくれる良い現場だなぁと思っていたら、笑い声のせいで使えないということもあって「ごめんなさい……!」と(笑)。
──(笑)。
小笠原:それくらい全員が「霧尾ファンクラブ」のアフレコを心から面白く楽しんでいたと思います。たぶん、少人数でアフレコができたというところもあったんじゃないかな。色々な要素が噛み合って、すごく楽しいアフレコ現場でした。
その中で、メインキャラクターの3人(藍美、波、霧尾)には泣かされて……満田、星羅も含めて全員素晴らしい役者陣だなぁと思いながら素敵な時間を過ごさせていただきました。
──本作のアフレコ現場は、できるだけ流れを途切れさせないように録っていったとうかがっています。
小笠原:そうですね。多少声が被っていたとしても、分けて録ることはありませんでした。
ひとつなぎで流して会話を大切にしていたというか、ひとつの朗読劇くらいの気持ちで収録したこともあって、これだけ会話劇をやらせてくださるのもすごい現場だなと。
だからこそ、藍美と波を演じる稗田さんと若山さんの掛け合いの空気感、テンポ感、テンション感というものがずっと素晴らしい形で続いていたんだと思います。役者の芝居体験という面でもすごく得難い経験でした。
──キャストの皆さんにインタビューさせていただいていますが、皆さん同じことをおっしゃっていました。それだけ素晴らしい現場だったのですね。
小笠原:(収録当時の)2025年の僕にとっての夏は「霧尾ファンクラブ」だったと思うくらい、本当にすごく楽しかったです。第1話の収録時には想像もできないほど、最終回の収録がこんなに寂しく感じるとは思いませんでした。
1クール収録してこの気持ちですから、4クールだったら大泣きしていたと思います。イベント等でこのメンバーとトークをやれたら良いな、とその時点で思うくらいにはすごく好きな現場になっていました。
──そして小耳に挟んだことなのですが、キャストやスタッフの皆さんとコロッケパーティーが開催されたとか。
小笠原:あ〜! (梶原)岳人がコロッケを作ってきてくれた話ですね(笑)。
僕がちょうどいなかったアフレコの話数でコロッケの話が持ち上がっていたんです。「霧尾ファンクラブ」のグループLINEがあるんですけど、そこで岳人から(梶原さんの声真似をしながら)「来週、コロッケを作って持っていきます」といきなりメッセージが来て。
僕は経緯を知らなかったので「何の話?」と送ったら、かくかくしかじかで……と。そしたら次のアフレコ現場で結構な量のコロッケがババーッと並んでいて。どんなアフレコ現場だよ!と笑った記憶があります。
──しかも、作るのに手間がかかるコロッケという(笑)。
小笠原:本当ですよ(笑)。しかも割とノリ気で作ってきたにもかかわらず、岳人がずっと(再び声真似をしながら)「え、大丈夫? 美味しい……?」みたいな空気感だったのも面白かったです。ノリノリで作ってきてくれたのにオドオドしないで、と(笑)。「大丈夫だよ、美味しいよ」と伝えました。
──皆さんの仲良しエピソード、微笑ましいです。
小笠原:アフレコ終わりに、割とみんなでご飯に行くこともあったので、そういう仲の良さも好きでしたね。
「はい、じゃあご飯行く人ー?」と気軽に参加できる雰囲気というか、その日に行ける人だけ行くという空気感が良かったです。……ちなみに、岳人は全然来なかったんですよ? (楽しそうに声真似をしながら)「ちょっと、今日は、帰る……」みたいな(笑)。
満田役の広瀬くんと僕が1番参加していたかもしれません。キャストだけでなく、スタッフさんも交えての食事会ですごく仲の良い温かい現場でした。
──作品と関係のないお話で恐縮ですが、先ほどからチラチラ出てくる梶原さんの声真似が……(笑)。
小笠原:あはは! 僕の中のデフォルメされた梶原岳人が出ちゃいましたね(笑)。
「霧尾ファンクラブ」の現場だけでなく、彼の前ではいつも“どんどん音質の悪くなる梶原岳人”というネタをやっているんです。彼の声真似から始めて、だんだん音質が悪くなっていって最終的にバイクになるのですが……。
実際に「最終的にバイクになる梶原岳人さん」のネタをやってくれる小笠原さん
一同:(笑)。
小笠原:そういうネタを岳人の前でたぶん30回くらいやっています(笑)。毎回やるたびに岳人に「俺、そんなに何言っているのかわからない……?」「今日ぐらいはちょっと音質良くしてよ〜」と言われたり。彼へのだる絡みは、僕の人生の宿命になっています。
感情を揺さぶられた第6話、陽キャに押しつぶされた第7話
──第7話放送後ということで、ここからは第6話と第7話の振り返りをさせていただければと思います。印象に残っているシーンがありましたら教えてください。
小笠原:第6話といえば、皐月が2人(藍美と波)に変に絡まれるシーンが印象に残っています。そして桃瀬が皐月に自分の想いを打ち明けて、皐月がくらっちゃうシーンもありましたよね……このバカ桃瀬がもう……本当に、本当にひどい……!
──(笑)。
小笠原:なんでわかってあげないんだろうと! こんなに皐月がかわいいのに、こんなにわかりやすく桃瀬に懐いて桃瀬を好きでいてくれているのに、この男は……! となるんですけど、桃瀬も別に何の裏もなく、ただただまっすぐに波のことが好きなんですよね。
それこそ、等身大の男子高校生らしい空回り方もしますし、鈍感さもありますし、彼は彼でただ波のことを好きなだけだし……。このバカたれが!と言いたいところですが、“恋は盲目”を体現したキャラクターだと思いました。
小笠原:あと、霧尾と望の母のやり取りも印象に残っています。霧尾のネガティブな部分、彼が背負っているドラマチックな部分が垣間見えるシーンですよね。
6話ではやっと視聴者の皆さんも霧尾賢という人物に触れることができたのではないかと思います。彼にとって何がモチベーションになっていて、何がバックボーンにあるのか。それが見えないキャラクターだったからこそ、ここでこういう舵を切ってくるのかと衝撃を受ける回なのではと。
皐月という魅力的な女の子の片想いにみんながヤキモキする、ちょっと甘酸っぱい流れもあり、6話はすごく感情を揺さぶられる回でした。
──そして、第7話は修学旅行のお話でした。
小笠原:修学旅行でしたね! あの熱い夜のやつ!
──熱い夜(笑)。
小笠原:8話にも出てくるんですけど、自然と混ざってくる陽キャたちが好きすぎて(笑)。陽キャ担当のキャストの皆さんの陽キャ度がハンパなくて、よく覚えています。
7話の陽キャ担当のキャストさんのお芝居が、もうあまりにも理想的なギャルすぎて! 女性キャスト陣はその方さんにメロついていましたし、男性キャスト陣はガタガタ震えることしかできなくて本当にハンパじゃなかったです(笑)。
8話では、その方の演じる陽キャと桃瀬のやり取りがありますが、テストで録ったときに、あまりにも絡まれ方が本物すぎて、圧倒されて自分のセリフが言えなかったということがありました。
それで席に戻ったら広瀬くんに「あれは負けたね」と言われたので「負けた……」と(笑)。陽キャに押しつぶされた良い思い出です。
──それほど圧倒的な陽キャだったのですね(笑)。
小笠原:本当に「うわぁ! 怖い!」と心から思っちゃって(笑)。一応、言葉に詰まるようなセリフではありましたが、詰まりすぎて結局出なかったという。お芝居の妙だなと、しみじみ感じました。あのNGテイク、Blu-rayにでも入れてくれないかな(笑)。
──ぜひお願いします(笑)。小笠原さんのお話を聞いていると「霧尾ファンクラブ」の登場人物は悪い人がいないというか、全員意図的に人を傷つけない優しさを持っているんだなと改めて思いました。
小笠原:そうですね。思いやりが必ず全員の間に存在している作品だなと思います。
悪いキャラクターがいることによるストレスがフックとなって魅力が増す作品はこの世にたくさんありますが、「霧尾ファンクラブ」のような物語があるのも良いなと思えるすごく優しい作品です。
今はまだ温度差が際立つ桃瀬と皐月の関係性
──先ほども話題になりましたが、小笠原さん演じる桃瀬隼斗といえば、村岡皐月(CV:伊藤彩沙)との関係性に注目です。
小笠原:本当に皐月が1番かわいいですから。伊藤さんのお芝居も本当に素晴らしくて……桃瀬と皐月のやり取りは良いですよね。
皐月から桃瀬に大きな矢印が向いているので、皐月側はすごく楽しげに桃瀬に話しかけますけど、桃瀬は友だちとして受け取っているから朴訥(ぼくとつ)と返す……あの感じがもう……。
──視聴者側は2人の温度差をより感じますから、どこか切ない気持ちになりますよね。
小笠原:側から見ると、皐月は誰にでも積極的にいく陽キャタイプに見えてしまうというトリックがあるんですよね。そこがすごく面白いですし、藍美や波と話をするときは意外と普通のテンションで超陽キャというわけではないんです。
でも、好きな男の子の前では明るい女の子でいたいんだろうなぁと。その姿がかわいいですし、僕としては皐月が一番の推しですね。伊藤さんの最高のお声とお芝居を受けて「これは楽しいぞ!」と思いながらアフレコをしていました。
──藍美、波、霧尾の3人の関係性、そして桃瀬と皐月の関係性、8話以降は特に注目していただきたいですね。
小笠原:ここから本当にあらゆる話が動き続けて最終話にすべてが帰結します。最終話まで見ていただくと、きっとまた1話から見返したくなるはずです。
僕自身、漫画で最終話を読んだあと、すぐに1巻から読み直しました。それほど訴求力の強い作品で素晴らしい話の展開になっているので、そこも楽しみにしていただけたらと思います。
──ここからは作品にちなんだ質問をひとつ。小笠原さん自身、ファンクラブに入りたいほど好きなものをひとつ挙げるとしたら何でしょう?
小笠原:僕は“文房具”ですかね。小さい頃から親が物書きをやっていたのと、僕自身が小さい頃から絵を描くのが好きなこともあって、文房具を手に取る機会がすごく多かったんです。
いまだに出先で個人経営の文房具屋さんを調べては行って、全然消費されない文房具が増える一方ですし、海外のものを気軽に買っちゃうほど文房具というものが好きです。
あと、筆跡フェチじゃないですけど、誰かが書いた文字が好きというところもあります。生で書いた文字に強く惹かれる性分なんです。
文字を書くことは文房具がないとできませんから、文房具の中でもペンとノート、さらにノートでいうと紙の材質にも結構こだわりがあります。
──紙の材質までこだわりが……!
小笠原:生産国に分けてペン立てを作ったり、自分の好みで買ったノートを入れるための本棚を作ったりしていて。ちなみに、その本棚には、ノートたちをカッコよく見せるためだけのウイスキーを置いています(笑)。
──カッコいい……!
小笠原:カッコつけのウイスキーを置いたら良い感じになるかなぁと思いまして(笑)。ノートたちは使わず、たまに本棚からスッと出しては手に取って「良い装丁だなぁ」「買って良かったなぁ」と。この趣味は何て言うんだろう?と思いながら、どんどんものが増えていく棚を眺めています。
──文房具ファンクラブですね。
小笠原:文房具ファンクラブ(笑)。もしかしたら、コレクター気質があるのかもしれません。たまたま好きなものが集めやすいものだったから続けられているだけかもしれませんが、すごく楽しいですね。
──ちなみに、ウイスキーの横に置かれているノートとは?
小笠原:僕自身、ノートのビジュアルに惹かれることが多くて、装丁がメタリックになっているタイプが好きで置いています。
雑貨屋に行ってもなかなか見つからないタイプなんですけど、海外のものだったり、装丁が銀一色で青の箔押しになっていたり。それとはまた別に、日焼けしている感のある古書のような装丁のノートを3、4冊くらい並べている横にザ・マッカランを置いています(笑)。
──もしかして、暖色の間接照明をつけていたりします?
小笠原:何色にでも変えられるようなLEDライトです(笑)。家に防音室があるんですけど、その中にその棚を置いて、ライトアップ用のLEDライトをペタペタ張ってディスプレイしています。
──素敵ですね!
小笠原:文房具ファンクラブの会員を増やしていきたいと思います。
──まだまだ文房具トークをうかがいたいところですが、最後に「霧尾ファンクラブ」の視聴者の方へメッセージをお願いします!
小笠原:原作・地球のお魚ぽんちゃん先生の尖りに尖った圧倒的なコメディ、ギャグセンスの才能が光って、ずっとお腹を抱えて笑える作品です。
彼女たち、彼らのふとした日常のひと笑いでクスッと笑って、自分が学生時代に過ごしていたあのときの空気感が漫画の紙面から、テレビの画面から漂ってきてはふわっと郷愁に浸れる魅力があります。
でも、そのノスタルジーに浸ろうとしたらすごく面白いコメディ、とんでもない展開で「なんだこの作品は!?」に振り戻される。その感情の行き来をしているうちに整っていくサウナみたいな作品だと思っています。
次回は8話で修学旅行の後編になりますが、そこから藍美と波の話がどんどん進んでいきますし、何より霧尾が抱えている過去が見えてきます。霧尾はこの後どう解決するんだろう……藍美と波が関わってどうにかしてくれるのか、それとも解決しないのか……。
(力を込めて)ここから先は、タイトルの「霧尾ファンクラブ」は“誰にとっての何なのか”というお話になります!! ギャグをやって終わる作品では到底ございません。「霧尾ファンクラブ」という作品が見せてくれるドラマと、笑いと、そして涙を最後まで追いかけてくださったら嬉しいです!
【文:福室美綺 インタビュー・編集:西澤駿太郎】