砺波・散居村の田園に佇む一軒家で味わう日本蕎麦【手打ち石臼挽き蕎麦 福助】ミシュラン掲載の趣きある蕎麦店
青葉が目にまぶしい季節がやってくると、つるつるっとのどごしのいい麺類が食べたくなります。
なかでも、新緑が気持ちいいこの季節に恋しくなるのが日本蕎麦。さわやかな蕎麦の香りにだしつゆの風味が加わって、奥深い日本の食を楽しむことができます。
そこで今回は、手打ちと石臼挽きにこだわる富山県砺波の人気蕎麦店を紹介します。
自然と人の暮らしが一体化した散居村
その風土を感じることができる蕎麦店
砺波の中心市街をちょっと外れた田園風景の中にある「手打ち石臼挽き蕎麦 福助」。
富山県西部の一級河川、庄川と小矢部川が作り出した砺波平野は、屋敷林と田畑に囲まれた農家が点在する「散居村」が有名で、昔から自然と人の暮らしや文化が一体化していると言われています。
「福助」もまさにその風土を感じられる店。
繊細な四季の移ろいを感じることができる土地に、富山県黒部市の山間部から移設してきた古民家で蕎麦を食べることができます。
立派な柱や梁が張り巡らされた堂々たる佇まいは、見惚れてしまうほどの美しさ。
丁寧に手が加えられた日本庭園や端々に備えられた調度品を眺めながら、蕎麦ができあがるのを待つ時間も贅沢なひとときです。
玄蕎麦の個性を活かした蕎麦打ち
「福助」は、ミシュランガイド北陸2021特別版の「砺波・南砺エリア」で、コストパフォーマンスに優れた良質な料理を提供する店“ビブグルマン”に選ばれた定評のある店。
富山県の山間い、八尾や井波で栽培された蕎麦を主に殻つきの「玄蕎麦」で仕入れ、店主の西村さんが石臼で自家製粉しています。
「風味と香り、食感を楽しんでいただくために、季節や玄蕎麦の個性に合わせて、つなぎなしの十割蕎麦の生粉打ちか、九割でそば切りしています」(西村さん)
そんな西村さんこだわりの一品が「細挽きせいろ」。
殻をむいた実を細かく挽いて打った蕎麦はのどごしがよく、鼻に抜ける香りを堪能できます。
もっと香り豊かな蕎麦を楽しみたい場合は、殻付きの実を挽いた野趣あふれる「玄挽き田舎」がオススメ。
細挽きせいろと見比べると、色の違いが明らか。
ぜひ最初のひと口はつゆをつけずにそのまま、あるいは、塩だけで味わってみてください。蕎麦の風味が口の中いっぱいに広がります。
絞りたて生醤油のつけ汁で引き立つ鴨肉の旨み
看板メニューは「鴨汁せいろ」。
隣の小矢部市にある醤油醸造元から取り寄せた、絞りたての生醤油を使ったつけ汁がポイントです。鴨肉の味わい深い旨味とネギの甘味が加わり、思わずつけ汁だけを飲み干したくなるほど。
「だしの香りが勝ち過ぎてもダメだし、お蕎麦の香りが勝ち過ぎてもダメ。本当に蕎麦はバランスが難しい」(西村さん)
つけ汁と蕎麦のバランスも楽しみながら味わって下さい。
富山湾の宝石「シロエビ」と一緒に味わえる白えび蕎麦や、甘鯛の天ぷら蕎麦、生うに蕎麦などバリエーションの豊富。
こだわりの蕎麦とこだわりの建築で日本らしい食文化を楽しんでみるのもオツかもしれません。
店舗情報
【手打ち石臼挽き蕎麦 福助】
住 所 富山県砺波市林947‐1
営 業 11:30~14:30(LO14:00)蕎麦が売り切れ次第終了
電 話 0763-33-2770
定休日 月曜 ※祝日の場合は翌火曜
参考:KNBテレビ「ワンエフ」
2019年12月13日放送
記事編集:nan-nan編集部