『ARGYLLE/アーガイル』不振でも大丈夫「ショックを受けることはほぼありません」とブライス・ダラス・ハワード、「誰かに任せることに慣れています」
名匠ロン・ハワードを父に持つブライス・ダラス・ハワードは、ユニークなキャリアを歩む一人だ。『ジュラシック・ワールド』シリーズなどの大作で活躍する傍ら、『スター・ウォーズ』ではシリーズなどのドラマ作品で監督を務め、父のように裏方も手がけている。
ブライスを“二世タレント”と見る印象は少ないだろう。英のインタビューに登場したハワードは、有名な映画監督を父に持ったゆえの独特の矜持を語っている。そのおかげで、『ARGYLLE/アーガイル』(2024)のような主演作品がうまくいかなくとも、気にせずにいられる心構えが身についているという。
「“誰々の子ども”として育った私としては、バタバタ慌ただしくても、その中心にいるわけではない、ということに慣れているんです。例えば、誰かが来たことにみんながすごく興奮している、その誰かとはロン・ハワードということです」と、ブライスは大笑いしながら話したという。「その誰かは、赤毛の小さなブライスではないんです。だから私は一歩下がって、他の誰かに任せるのが心地いいんです」。
責任を背負いこまず、客観視することに慣れているブライス。「何かがうまくいかなくても、ショックを受けたことはありません。私はただの役者で、監督のビジョンに仕えるだけ」と割り切っている。「映画が思ったようにうまくいかなくても、ガッカリする気持ちはほとんどないんです。なぜなら、自分のものというわけではないから。自分で組み立てたわけではないからです」。
そんな娘のスタンスに、父ロン・ハワードは驚いているそうだ。父は監督という責任者として、自身の作品に「感情的な重荷を背負ってきた」と、娘ブライスは観察している。特に彼女が11歳の頃、父が監督したトム・クルーズとニコール・キッドマン共演の『遥かなる大地へ』(1992)が大不振に見舞われたとき、彼は相当まいっていたそうだ。
そこでロンはクリント・イーストウッドのもとに相談に訪れた。大名匠イーストウッドは、彼にこんな助言を与えたという。「ロニー、キャリアというのはテレビシリーズのようなものだよ。全24話あって、うまくいかないエピソードもあれば、使えるエピソードもあるし、少し忘れられるようなエピソードもあるかもしれない。その中から、本当に力強くて残り続けるエピソードが、5本ほどあるかもしれない」。
ゆくゆくは長編映画の監督も手掛けたいと考えているが、今は『スター・ウォーズ』のような作品できちんと経験を積みたいと、堅実な考えの持ち主であるブライス。「『スター・ウォーズ』は巨大なフランチャイズだから、きちんとガードレールがある。今の時点で、私にはまだそういうものが必要なんです」。
『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』(2022)での来日時に実際にを行った際、ブライスは本当に明るくて快活な人物だった。取材中は何度も大笑いし、大好きな作品について子どものようにマシンガントークする笑顔がとても印象的だ。『スター・ウォーズ』の今後について尋ねると、ハイテンションで楽しく答えてくれた。「いわば“ファヴロー・バース”が拡大してるんですよ。彼には絶大な信頼をおいているから。とにかく、本当にスッゴいのが来るー!おぁぁぁー!もう、めちゃくちゃ興奮しちゃう!」
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