姫路野里商店街の老舗和菓子店『松屋』創業から100年以上進化し続ける理由とは?! 姫路市
姫路城の北東にある野里商店街の 『松屋』(姫路市)。イチゴ大福や栗大福など、おいしそうな季節のお菓子ののぼりがいつも立てられています。前を通るたびに気になっていたので、思い切って取材に出かけてみました。
創業から100年超の老舗『松屋』。もなかやどら焼き、大福などの和菓子から生クリームやチョコレートを使った洋風のお菓子まで、幅広く作られています。
「いい材料を使って安心して食べられるものを作るのは当たり前のこと」とは、職人である店主の矜持。昔から変わらない味と時流に合わせた味、これらが相まって老若男女問わず長く愛されるお店になっているようです。
「手土産でいただいておいしかったから」と買いに来られるお客様も多く、九州や東京の方がお取り寄せされることもあるのだとか。取材中も、お遣い物や自分のおやつ用にとお客さんがひっきりなしに来られていました。
夏の「あんわらび餅」から秋の「栗大福」、「よもぎ大福」など種類は豊富。新商品は女将さんがアイデアを出しているそうです。積み重ねてきた経験や知識で、今までにない味を生みだしています。季節の限定もあるので、訪れるたびに新しいお菓子に出合えるのはうれしいですね。
同店の代表的なお菓子といえば「清十郎もなか」。先日、取材した「お夏清十郎まつり」の清十郎にちなんだもなかです。
角笠の形はつぶあん、三度笠は柚子の香りが効いた白あんです。餡が甘すぎず、白あんは柚子の香りがさわやかなので、いくらでも食べられそうです。
もちもちのわらび餅にはきな粉がたっぷり。大きめのわらび餅は食べごたえがあります。わらび餅好きにはこのサイズ感がたまらない!
求肥にたっぷりの栗が入っている「栗大福」。秋の味覚の代表です。同店では季節ごとの味が楽しめます。12月頃からは「いちご大福」、節分の時期には「黒豆大福」などがあるそうです。
八女茶を使用した「濃い抹茶どら」。生地に抹茶がたっぷり使われているため、パッケージを開けると抹茶の香りがひろがります。抹茶の苦みとつぶあんの甘みが重なった大人の味です。
『松屋』といえば「どら焼き」というイメージを持っている人も多いでしょう。こちらはその「どら焼き」の進化系!生クリームや生チョコをはさんであり、和洋の融合です。
生クリームは九州の大牟田産、チョコレートはベルギー産と、それぞれのお菓子に合う材料を使っているとのこと。「生チョコどら」は、チョコチップが入っていて食感を楽しめます。
こちらは新商品。わらび餅とマスカルポーネ、斬新な組み合わせに驚きます。
ふたを開けると、きな粉のいい香り。きな粉とわらび餅、マスカルポーネの相性がこんなにいいとは知りませんでした。こちらで使われているマスカルポーネも九州産とのこと。こっくりとした深い味わいとぷるぷるのわらび餅、食感が楽しいのも魅力です。
ひと口食べるとコーヒーの香りが鼻腔をくすぐります。一見コーヒーゼリーのようですが、実はもっちりもちもちのわらび餅。ほんのり感じるコーヒーの苦みと、まろやかなマスカルポーネがクセになりそうです。コーヒー好きには絶対に刺さる味です。
創業当時から作られていたであろう伝統的な和菓子と、生クリームやカスタードクリームなどでアレンジした洋風和菓子が並ぶ『松屋』。「実は30年ほど前まではクリスマスケーキやショートケーキも作っていたんですよ」とのこと。なるほど!和洋で相性のいい味の組み合わせを熟知されていることに納得できました。
場所
松屋
(姫路市大野町61)
営業時間
9:00~19:00
定休日
日曜日
駐車場
店舗向いに1台(店舗北側にも駐車可)