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超一流の外資系戦略コンサル5社から次々と内定獲得 経験者が肉声で語る「会社選びと面接突破のコツはこれです」

キャリコネニュース

杉浦さんは外資系コンサル会社のマネージャー(写真はイメージ)

個人の時間を売り買いするタイムチケットに「コンサル面接のプロ」を登録している杉浦サラさん(30代。仮名)。新卒で総合系コンサルティング会社の戦略部門に入社し、ライフサイエンス領域担当のコンサルタントとして10年ほど活躍しました。

その後、ボストン・コンサルティング・グループやマッキンゼー・アンド・カンパニーなど超一流の外資系戦略コンサル会社から内定を獲得して転職。現在は独立を果たしている杉浦さんに、自身の体験を踏まえた「会社選びと面接突破のコツ」をインタビューしました。(キャリコネニュース編集部)

「戦略」と「実行」の間で仕事の取り合いに

――杉浦さんから見て、コンサル業界はいまどういう状況にあると感じますか。

成熟段階にあるビジネスの、よくある現象が起きているというのが大局的な見方です。価格競争も起き始め、規模拡大に伴い人材の質も担保しにくくなっている中で、5年後、10年後の生き残りを賭けて各社で差別化を模索し始めた気がします。

勢力図でいうと、DX(デジタル・トランスフォーメーション)の大きな流れで市場のパイ自体は増えている中で、上流の戦略を得意とする戦略コンサル(戦コン)がやや下流の実行に降りてきて、戦略から実行まで幅広くカバーする総合コンサル(総合系)が上流を取ろうとしています。

コンサル業界は人ありきのビジネスなので、優秀な人をいかに確保しておけるかで勝ち負けが決まります。採れるうちに人をどんどん採っておきたいのですが、そのためには売り上げを伸ばさなければならず、戦略と実行の間で仕事の取り合いが発生しています。

――総合系コンサル会社の傾向はありますか。

PwCコンサルティング、KPMGコンサルティングやデロイト トーマツ コンサルティングあたりは、正直差が出にくいところです。ERP製品のSAP S/4 HANAの導入などのフィーの高いデジタルプロジェクトに注力し、それをこなすためのデジタル人材を大量に採用・育成するという当面の方向性は、どこも一緒でしょう。

さらにDXの実績を起点として、売上1兆円以上の上場企業のCEOクラスに戦略レベルで食い込み、M&Aや組織変革等も含めた全社改革案件をなんとか獲って、数年間で数十億円規模を確保するのが、その先のねらいではあります。

ただ、やはり超大企業のトップとの関係はまだまだ戦コンが強く、ひっくり返すことはなかなかできていない。そこを3分の1とか4分の1のフィーで「お得感」を出してなんとか奪い、気に入ってもらえれば戦コンのシェアを徐々に奪っていけるのでは、という期待をもって各社頑張っている印象です。

差別化でしのぎを削る戦略コンサル会社

――戦コンはどういうトレンドになっていますか。

総合系よりもだいぶ個社の特徴がはっきりしている印象です。例えばボスコン(ボストン・コンサルティング・グループ)とマッキンゼー(マッキンゼー・アンド・カンパニー)。日系大企業のCEOクラスへの入り込み方(シェア)は、ボスコンが実績としてNo.1というのは業界の共通認識のようです。

ボスコンは、自分たちとマッキンゼーはやり方が違うというんですよね。マッキンゼーは「グローバルのベストプラクティスはこれ」というのを教えてあげる、情報格差で商売しているモデルであると。これに対してボスコンは寄り添い型、カスタマイズ型で、各企業の課題を一から聞いているから我々はNo.1なんだ、ということなのかもしれません。

これに対してマッキンゼーは、もちろん自分たちだってカスタマイズはしていると。ただ「この会社にとってはこれがベスト」という答えをワンチームで必ず先に出し、絶対にこれだという自信を持って提案をしているからそういう風に見えるのかもしれない、ということです。実際の中身は2社とも大きな違いはないのかもしれませんが、ポリシーの違いは感じますね。

この2社以外の、ベイン(ベイン・アンド・カンパニー)、カーニー(A.T.カーニー)やベルガー(ローランド・ベルガー)は、さらに独自路線を行こうとしています。

例えばベルガーでは、新しいコンサルのあり方を模索しているようです。顧客自身のリテラシーも高まっている今、もはや提案型では限界があるから、成功報酬的にビジネスを立ち上げて、軌道に乗せるところまで自分たちがやるようなモデルがあっても面白いと、少し特徴的な方にかじを切ろうとしているように思います。

ベルガーが最近力を入れている「価値共創ネットワーク」には、国内外のベンチャー企業が次々と参画しています。「コンサルこそ兼業すべきだ」と社長も言っているようですね。自らがビジネスのプレイヤーになって成功報酬型で儲け、ベンチャーとのネットワークも一つの商品にしていくスタイルこそが「持続可能な成長」であるという、強い思いを感じます。

「規模の拡大は追求しない」と明言する会社も

――他の戦コンはどうでしょう。

一番他社を気にしていないのがベインで、王道の戦コンであり続けると。規模の拡大を追求してしまうと(人材の)質が落ちると彼らは思っているので、あんまりそこに力点を置いておられなくて、本当にピュアな戦略だけをやっていると聞きました。ただ実際は、東京オフィスを率いている方がM&A分野の第一人者であることもあり、最終的な落としどころがM&Aの案件は多いと思います。

規模の拡大を追わないのはカーニーも同じですが、こちらは個々人がスーパーコンサルの「戦士」である自負の高い方々の集まりで、その中で完結しているイメージです。戦コンはどこも人数が多くないですし、グローバルファームといえど日本の方針は東京オフィスのトップの意向に意外と依存しているので、それを理解して入社先を選ぶことは大事だと思います。

――総合コンサルの側からは「戦略レベルで差別化しにくくなったので、戦コンよりも総合系に仕事が流れている」という声も聞かれます。

私が個人的にお会いした戦コンのパートナーは「戦略レベルでの差別化がしにくいのは、昔も今も変わらない」というご意見でした。経営に対する戦略的な提案はある意味普遍的なものであるし、提案するにあたって最新のトレンドを知らなきゃいけないこと自体も昔から変わらない、というのです。

正直、彼らは「競合が増えてきた」とまでは思っていないみたいですね。いかに総合が頑張ってのし上がってきても、組織に所属する人のレベルや、グローバルで貯まっている戦略的な知見は簡単には追いつけないと。ただ周辺領域を総合ファームやITコンサルが徐々に奪い始めているのは事実なので、ちょっと邪魔だなとは思っているでしょう(笑)。

各社が増やしたいのは「女性のマネジメント層」

――杉浦さんから見て、おすすめできるコンサル会社はどこといえますか。

その方の志向によって、お勧めできる会社は違います。新しいコンサルの形を見てみたいチャレンジ精神のある方には、たぶんベルガーが合っています。王道のコンサルティングスキルを上達させて、日本のコンサル業界で食べていきたい、コンサルとして出世したいのであれば、ボスコンを目指されるのが良さそうな環境ではあるかな、と思います。

一方で、偉くなりたいとかよりも、アットホームで居心地がよく仲間を大切にする環境で働きたい方は、ベインが選択肢になるかもしれません。「仲間を大事にする」というカルチャーが非常に根強いと感じました。最終的に自分でビジネスをやりたいとか、社会的に変革を起こしたいとか、コンサルの次のステップが見たい方は、社員の層が幅広くて卒業生ネットワークも活発なマッキンゼーがいいかな、というところですね。

――杉浦さんは数多くの戦コンから内定を獲得していますが、最大の「勝因」はどこにあったと思いますか。

正直に言って、私が女性で、これまでの10年くらいのキャリアがあるところは大きかったと思っています。各社とも女性のマネジメント層を増やしたいので、そこは最初からラッキーだったのかなと。いまは、経営陣やマネージャーアップの女性比率をKPIとして持っている会社が多いので。

そもそもお客様に「これからは女性比率をアップしなきゃですよね」と言っておきながら、本人たちがおじさまばかりじゃ、やっぱり説得力がない。お客様が多様化している中でコンサルもそれにちゃんと目線を合わせなきゃ、という焦りが大きいように思います。

ただ、各社新卒で女性を相当多く入れていますけど、シニアコンサルくらいまでに辞めていってしまう女性が多いんですね。なので、中途でも積極採用しているということで、転職支援エージェントからも「戦コンを受けてみては?」と推されていました。

やっぱり重視される「ケース面接」

――戦コンの面接対策のコツみたいなものはありますか。

もう10年もコンサルをやってきたのに、すごくオーソドックスなケース面接から入らされたのは結構衝撃でした。「失礼だと思いますけれども、コンビニの1日の売り上げを計算してください」みたいなものをやらされるんですね。

中でもマッキンゼーは毎回の面接に必ず3人出てきて、それぞれとビヘイビア面接30分、ケース面接30分をやりました。コンサルスキルがあると全員が認めた人でないと、どんなに経験や営業力があっても入れない、という彼らの強い信念を感じました。ですから、いまさらですけれども、ケース面接対策を地道にやるのは心がけていました。

――ケース面接の他には。

ケース面接だけうまくできても、OKラインではあっても本当に欲しいというラインにはならないので、そこは10年のコンサル経験を基に、実行におけるリアルな難しさを踏まえてケースの回答をすることを心がけましたね。

論理的にはこうで正解はこうなんだけれども、とはいえ、そんなこと言ってもクライアントは動かないので、私だったらこういうアプローチにしてみる、といったエッセンスを入れるところで議論を膨らませたりはしました。

――総合コンサル会社の戦略部門での苦労が生きたのでしょうか。

私はライフサイエンスをメインで担当していて、戦略的なところでは、中期経営計画、新規事業、M&Aなどいろいろあったんですけど。苦労といえば、どれでもお客様がなかなか覚悟をもって動いてくれないことですね。

やはり、組織的な大きなレガシーとかカルチャーから外れたチャレンジができる経営者の方はなかなか少なくて。日本企業は現場が強く、お客様をいかに動かすか、というところについては、けっこう腰が重いなと思いましたね。

とはいえ、根気強く働きかけていくと、現場全体も巻き込んで、会社の考え方やカルチャーが本当に変わったと実感できたこともあり、「外からの風を入れられて人をかき回せたな」という経験はコンサル冥利に尽きるところでした。ここのアプローチは、総合系と戦略系では異なるのかもしれませんが。

自分の仕事に誇りを持ってやっている以上、本当にお客様が変わらないと意味がない。提言して受け入れられなかったけれど、フィーはいただいたので終わり、ではやっぱりダメと思うので。社内の力関係も把握した上で「根回し」ができるとか、自分が直接現場の人たちを説得するとか、そういった地道で泥臭い部分がお客様にも喜ばれたかなと思いますし、戦コンでも評価されていると感じますね。

コンサル業界以外からでも「今がチャンス」

――自分が納得いく転職をする際にも「戦略」が必要だと思いますが。

受けるときの足並みをそろえることと、受かり始めてからの駆け引きですね。各社とも「この人はもう採った方がいいな」と思ったら、採用に向けてすぐ動き始めるので、どの面接の前にどの内定を採っておくかといったところは、交渉にも影響するので、すごく戦略的に組み立てました。

会社側も早い段階で内定を出してきて「何日間だけ待つから、その間に回答してくれれば(年収を)300万円、400万円プラスするよ」とか、(職位)ランクも上げるから、みたいな話を出してくるんです。

でも、そういう話にすぐには乗らず、内定をもらうことだけではなくて、いかに良い条件で、かつ本気で自分を欲しいと思ってくれているところに入るか、という目的での交渉になります。そういう交渉や日程調整の窓口は、自分だけではとてもできないので、転職エージェントに入ってもらいました。

――杉浦さんから見て、いまコンサル業界への転職はおすすめできますか。

戦コンも総合も、実態として相当に人が欲しいという大きな流れがどんどん強くなっています。クライアントの課題もバリエーションが増えているので、コンサル出身者以外も欲しいというニーズはすごく高まっています。事業会社の社員などコンサル業界以外の方でも、転職を考えているなら今がコンサル業界のチャンスなのは間違いありません。

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