韓流が毒になったシンデレラ‥韓国一女優となったチャン・ナラ 転機となった作品4選
チャン・ナラが、12月21に開催された『2024 SBS演技大賞』で大賞に輝いた。
今年の話題作『グッド・パートナー~離婚のお悩み解決します』(SBS/2024)で、離婚専門弁護士を熱演し、作品を大成功へと導いた彼女だ。
高視聴率を叩き出しているテレビ局の1つSBSから称えられ、韓国では2024年を代表する役者に。ひときわ熱い視線を浴びている。
彼女が秀でた演技力を持つのは今にわかったことではなく、韓ドラ界に欠かせない女優として君臨し続けているが、なんと過去にはその実力の高さで、芸能人生の危機を打開したことまであった。韓国一の女優として活躍するチャン・ナラの半生と、復活後のヒット作を紹介する。
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シンデレラガールから一転した過去
チャン・ナラのデビューは2001年5月。歌手として活動をスタートし、7月にはMBCのシットコム『ニュー・ノンストップ』で女優業をはじめ、一躍人気と知名度を獲得してデビューとともに有名に。まさにシンデレラガールと表現するのにふさわしい滑り出しだった。
ところが2003年頃に中国に進出、当国で国民的人気を得たのをきっかけに2004年中旬~2011年頃にかけて活動量を増やしたことで、韓国ではファンをはじめマスコミまで彼女に冷たい視線を向けるようになっていく。
そんななかチャン・ナラの父親が、自身の初監督作品で、娘を主演に迎えた映画の製作費が、彼女の中国での活動から捻出したものであると発言。何気ない一言だったようだが、チャン・ナラの芸能活動にお金の匂いを感じてしまった中国ファンが激怒する出来事が。
一時は韓流スターとして中国で一世風靡した彼女だったが、結果的には毒となってしまい、中国からも韓国からも背を向けられることに。芸能人生が危ぶまれた時期があった。
しかしさすがチャン・ナラ、秀でた演技力でここから一発逆転を起こし、再び国民から愛される女優へとのし上がっていった。彼女の実力をひしひしと感じることのできる名作を4つピックアップして紹介する。
ゴー・バック夫婦 (KBS/2017)
『ゴー・バック夫婦』は、喧嘩の絶えない夫婦が結婚前にタイムワープして繰り広げられるラブコメディー。チャン・ナラは、家事や幼い我が子の育児に追われる30代後半の妻を熱演して、同じ境遇の世の女性の共感を呼んだ。
また作品の設定上、20代のキャラクターも演じているが、いずれの年代も見事にキャラクターを描き出しているという高い評価を得ており、『2017 KBS演技大賞』では優秀演技賞をはじめ、相手役のソン・ホジュンと共にベストカップル賞に輝いている。
●日本で視聴可能な動画配信サービス(2024年12月23日現在):未定
皇后の品格 (SBS/2018)
『皇后の品格』は、架空の王室を背景に、突然皇后になった女性をめぐるロマンス・サスペンス。本作をご覧になった人は、華麗な女性遍歴をはじめ不正と汚職に手を染め、暴力まで奮う夫の妻として、物語を盛り上げたチャン・ナラの姿を覚えている人は多いだろう。
クズ夫×チャン・ナラという組み合わせは、高い確率でヒットすると言われるようになるきっかけとなった作品で、涙を流すシーンから復讐の化身と化す過程はどこを切り取っても面白い。彼女のコミカルな演技にもご注目。
●日本で視聴可能な動画配信サービス(2024年12月23日現在):Netflix、U-NEXT、Hulu、FOD、ABEMA、TELASA、DMM TV、Rakuten TV、Lemino
VIP-迷路の始まり- (SBS/2019)
『VIP-迷路の始まり-』は、高級百貨店のVIPチームを舞台に、同じチームで働く夫の不倫に関する1通のメールがきっかけではじまるロマンス・サスペンス。チャン・ナラは、デパートのVIP専任チームで次長として勤務する、冷徹な性格を持つキャラクターを演じた。
話題性と視聴率の両方を獲得した作品で、またしても彼女は夫の不倫に苦しむ妻役を好演、作品を大成功へと導くことに。放送回を追うごとにほぼ右肩上がりでファンを量産した人気作だ。
●日本で視聴可能な動画配信サービス(2024年12月23日現在):Amazonプライムビデオ、U-NEXT、Abema、Rakuten TV、Lemino
グッド・パートナー~離婚のお悩み解決します (SBS/2024)
『グッド・パートナー~離婚のお悩み解決します』は、冒頭で触れたチャン・ナラの最新作で、今年錚々たる競争作品を差し置いてドラマファンの関心を独り占めした作品。離婚が天職のスター弁護士と、離婚は初めての新米弁護士が贈る法廷オフィスドラマだ。
チャン・ナラは、『VIP-迷路の始まり-』で披露した演技の延長線上にあるようなキャラクターを演じているが、これまでとは一味異なる姿を満喫することのできる1作で、夫の不倫により離婚する過程で見せる混乱や怒りなど、主人公の複雑な感情を見事に表現している。
●日本で視聴可能な動画配信サービス(2024年12月23日現在):Lemino
(ライター/西谷瀬里)