薬膳を生かしたパスタやイタリアンが楽しめる「CAMEL’S」。
以前紹介した「漢方カフェ ドクターブルーベーグル」の金子さんが、燕市の分水エリアで「CAMEL’S(キャメルズ)」というお店をオープン。今度はどんなお店なのか、商店街にある店舗にお邪魔してふたたびお話を聞かせていただきました。
CAMEL’S
金子 靖央 Yasuhiro Kaneko
1984年三条市生まれ。新潟国際トータルファッション専門学校卒業後、アパレル関連の仕事を経験。飲食業に転身し、26歳でイタリアンダイニングバーをオープン。その後は沖縄で働きながら薬膳の勉強をする。東京のイタリアンレストランを経て、2021年からは三条市の「漢方カフェ ドクターブルーベーグル」で働く。2024年に燕市で「CAMEL’S」をオープン。
「気」を整える食材にこだわって作るパスタ。
——以前の取材ではお世話になりました。今回もよろしくお願いします。ところで、お隣にもお店があるんですか?
金子さん:「uni(ウニ)」っていう、エステティックサロンがあります。ここはもともと「uni」のオーナーが子ども食堂をはじめるつもりで設けていた飲食スペースだったんですよ。でもなかなか手が回らなくて、そのままになっていたんです。「uni」と「漢方カフェ ドクターブルーベーグル」共通のお客様が「この場所でお店をはじめてみたら?」と紹介してくれたので、やってみようかなと思いました。
——そうだったんですね。「CAMEL’S」ってどんなお店なんですか?
金子さん:パスタをメインに、薬膳の考え方を生かしたイタリアンメニューを楽しんでいただける店です。
——今度はパスタがメインなんですね。どんなパスタが食べられるんですか?
金子さん:ずっとイタリアンをやってきたので、自分がやるんだったら得意なイタリアンの店をやろうと思いました。特にパスタは皆さんにも馴染み深い、身近な料理ですからね。僕が得意な濃厚ソースを使った、クリーム系やミートソース系のパスタが多いですね。濃厚な味は途中で飽きられやすいので、最後まで飽きずに食べられる料理を心掛けています。
——具体的にはどんな料理を心掛けているんですか?
金子さん:濃厚になりすぎないようクリームの分量には気をつけていますし、だしを馴染ませることで、さらっとしながらうま味のしっかりしたソースができるんです。あと新潟にはいい食材が多いので、それを生かすような料理を心掛けています。
——いろいろなバランスに気をつけて作っているんですね。そうして作られるパスタのなかで、オススメはどれなんですか?
金子さん:最近は「ボルチーニ茸とマッシュルームのクリームパスタ」が人気ですね。水を使わずにマッシュルームから出る水分やうま味だけで作るので、濃厚でクリーミーなパスタになるんです。
——濃厚なクリームソースが、パスタによく絡んで美味しいですね。スープも付いてくるんですか?
金子さん:はい、薬膳の考えで選んだ食材を使って、野菜をはじめ昆布や鶏肉など無添加の素材でだしを取っています。東洋医学では「気」「血」「水」のバランスが大切とされているなかで、特に「気」を整える食材を多く使っています。
——「血」や「水」はなんとなくわかるんですけど、「気」っていうのは何のことですか?
金子さん:生命エネルギーを表す言葉です。東洋医学では「気」が運搬役になって、血液を身体の隅々まで運んでいると考えられているんです。
小さな店だからできる、お客様ひとりひとりと向き合う料理。
——こちらのお店は金子さんがおひとりで回しているんですか?
金子さん:そうなんですよ。だから買い物に行くのもままならないし、トイレに行っている間に電話が来て出られないこともあるんです。オーダーが重なるとお客様をお待たせすることもあるんですけど、ひとつひとつ心を込めて丁寧に作っていますので、あたたかい気持ちでお待ちいただけると助かります。
——ワンオペって大変なんですね。
金子さん:でも小さな店で席も少ないので、そんなに大変じゃないんですよ(笑)。売り上げは少なくなるけど、ひとりひとりに向き合いながら料理を作ることができるし、それによってお客様が満足してくださったら僕も嬉しいんです。
——どんなお客さんがいらっしゃいますか?
金子さん:今までやってきたお店のお客様が、「CAMEL’S」にも追っかけて来てくださるのは有難いですね。あと地元の方々が来てくださるのも嬉しいです。
——今までのファンに加わって、新しいファンもできそうですね。
金子さん:皆さんのんびりと過ごしてくださるので、僕もお客様とお話しする機会が増えて、交流を深められるようになりました(笑)
——これからは、どんなふうにお店をやっていこうと考えていますか?
金子さん:自家製の生パスタに挑戦しようと思っているんです。あと夜は予約制の営業でコース料理限定なんですけど、バルっぽいおつまみメニューも用意して、もっと気軽に利用してもらえるようにしようかなって思っています。
——これからも楽しみですね。
金子さん:ありがとうございます。縁あってお店をオープンすることになった分水エリアは、春の桜並木や夏の海を楽しむことができて住んでいる人たちもあたたかいので、ぜひ遊びに来ていろいろな分水を見てほしいですね。
CAMEL’S
燕市地蔵堂本町2-4-16
0256-77-5399
11:30-14:30(午後は18:00-完全予約制)
不定休