【川崎市】川崎ゆかりのバンド SHISHAMO「活動終了」へ フロンターレ「大切な存在」
3ピースロックバンド「SHISHAMO」が9月27日、来年6月のライブを最後に活動終了することを発表した。川崎市制100周年記念イベントや川崎フロンターレのイベントに出演するなど、川崎との縁が深いアーティストの「終了」を惜しむ声が各方面から上がっている。
9月27日、SHISHAMOの公式ホームページに「大切なお知らせ」がアップされた。「2026年6月13日・14日にUvanceとどろきスタジアムbyFujitsu(等々力陸上競技場)でワンマンライブを開催します。そして、そのライブをもって、SHISHAMOは活動を終了します」
メンバー3人で「これからのSHISHAMO」について話し合った結果、「完結に向かおう」という結論に至ったことを知らせる内容だった。
SHISHAMOは10年に川崎市立川崎総合科学高校の軽音部で結成され、卒業後に本格的な活動を始め、13年にデビューした。日本武道館などでの大型ライブやNHK紅白歌合戦出場なども果たす一方で、川崎フロンターレの始球式やハーフタイムショーを務めたり、昨年6月の川崎市制100周年記念イベント「かわさき飛躍祭」にも出演した。
3人の発表をうけ、川崎フロンターレは「ともに川崎を盛り上げていく同志のような存在であり、音楽の力で後押ししてくれる大切な存在。数多くの活動に協力していただいた」とコメントを発表した。フロンターレ後援会の会員向けにSHISHAMOのラストライブチケットの先行発売を始め、コラボグッズもJリーグの試合会場で販売。第1弾は「SHISHAMOコラボキーホルダー」計400個を完売し、10月18日の清水戦で追加販売する。
川崎総合科学高校教諭で軽音部顧問の菊田直史さん(52)は、練習熱心な教え子たちが成長する姿をファンとしても見守ってきた。「(発表には)驚いたが『長い間よく頑張った。本当にお疲れ様』という思い。彼女たちの今後がどんな形であれ応援していく」とねぎらった。
高津区のとんかつ店「華家」はファンの間で「聖地」として知られ、全国からファンが訪れる。常連客の菊田さんが「教え子自慢」をしたところ音楽関係者の耳に入り、SHISHAMOのデビューへとつながった現場だ。店主の天谷信元さん(52)は「全国からファンがここに来て音楽でつながり、自分も多くの出会いに恵まれてきた。心からありがとうと伝えたい」と、満面の笑顔で感謝を述べた。