海上釣り堀で美味魚シマアジをキャッチ【三重・傳八屋】釣れない時のひと工夫とは?
絵にもなる大物や高級魚が手軽に狙える海上釣り堀。魚が確実に目の前にはいるのですが、決して毎回簡単に釣れるわけではありません。今回はそんな海上釣り堀での6月22日の釣行の様子と、釣れない時の対処法、過ごし方をご紹介いたします。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・永井航)
海上釣り堀でシマアジ狙いの釣行
今回も以前お邪魔した傳八屋さんでの釣行です。当日は曇りで夕方から雨の予報。しかし、問題は前日までの雨でした。梅雨入り直前ということもあり、釣行の1週間ほど前から雨の日がちらほらありました。
さらに、釣行前日には一時大雨が降っていました。海釣りで釣果を左右する要素の一つが水潮。この時期の釣りでは気にする人も多いはずです。
釣行前に船着場で海を見ると葉や枝が多く浮かび、いかにもという状況でした。私自身、雨後の海上釣り堀は初めてだったため、水潮や濁り対策として匂いの強い餌などを多く持参しました。渋いことも想定した釣りを展開するつもりでした。
朝イチにシマアジをゲット!
船で5分弱の釣り場に到着しました。マスを覗くと、思ったよりも濁りはなく、透明度はまずまず。マス中央、竿下、ネット際の3箇所の棚を測り釣りを開始しました。水潮の影響があると想定して棚はベタ底。濁りはあまりないので、何度か良い思いをしたシラサエビでスタート。
朝一のチャンスタイムはぜひとも釣っておきたいところですが、周囲も含めてなかなか渋い様子でした。そのうち周りでちらほらと鯛が釣れましたが、私には反応なし。今時点で鯛は竿下〜足元にいないと判断し、底から2m程度の高さでシラサで誘うとモゾっとしたアタリがありました。
タイではない魚と判断したため即座に合わせると、合わせに驚いた魚は青物のような突っ込みを見せましたが、重量感はそこまでありませんでした。この引きは個人的に海上釣り堀で釣れて嬉しい魚ランキング1位のシマアジでしょう!
慎重にやり取りしたいのですが、慎重にやりすぎると口切れを誘発する難しい魚です。今回は無事ネットインしました。
ウキ釣りでマダイをキャッチ
シマアジを釣ってなんとか坊主を逃れましたが、居残りが少ないのか、渋いのか苦しい時間が続きました。唯一対岸がポツポツとマダイを取り始めるようになり、魚の場所が確定しました。
当然私も魚を釣りたいですが、竿下〜足元での反応がないのでウキ釣りで中央を狙うことにしました。朝一のチャンスタイムは終わったと判断し、棚はベタ底。練り餌でじっくり狙うとヒット。
同じパターンで連発し、チャンスと思ったのも束の間、すぐに沈黙し放流タイムが始まりました。
放流タイムでイサキが釣れる
最初の放流はマダイ、イサキ、シマアジの小物でした。恐らくマダイの状況は変わらないだろうと予測し、ネット際をうろうろしているイサキに照準を絞る作戦。
しかし、人から見える深さを泳ぐ魚は警戒心が強いのか、水潮で元気がないのかスルーされてしまいます。
ノーシンカーで餌が先行して落ちるようにしたいところですが、風が出てきてしまい、それも難しい状況でした。仕方なくハリス兼リーダーとして使用している先糸を2号に落とし、人から餌が見えないところまで落とすとようやくヒット!
マダイかと思わせる強い引きを見せながら浮上したのは、でっぷりと太ったイサキでした。海上釣り堀で旬があるかは不明ですが、美味しい個体なのは間違いありません。
同じパターンで連発に成功し、良型のイサキを2匹追加。上を泳いでいるイサキよりも明らかに型が良いのも嬉しいポイントです。一応お土産は揃ったので、そろそろやってくる青物の放流タイムに備えて泳がせを開始しました。
青物を狙うも不発
青物狙いのために今回は稚鮎を持ってきました。稚鮎を持ってきた理由は、もし濁っていてもキュウリウオの特有の匂いで誘ってくれそうだからという単純な考えでした。
待望の青物の放流もあり、いざ勝負!まずは対面の人にヒットするも痛恨のバラし。ここでのバラし青物は一気に沈黙。海上釣り堀の青物あるあるです。
5分ほど泳がせたが追われる素振りもなかったので、青物はすっぱり諦めました。さらにマスも諦め、外釣りに転向。ハリスに1号の錘をつけてボトムを攻めると、早速フグと落とす途中で釣れた小サバが迎えてくれました。
しばらくやっていると唐揚げ〜フライサイズの小アジが回ってきたようでヒットが出始めました。サビキではなく一本針、また針が大きいようでなかなか数は伸びませんが、5匹ほどをすぐに釣り上げました。
泳がせにも使えそうなサイズなので釣ったアジで泳がせをやると良い反応!回収の際もカンパチが追いかけてくるがあと一歩で食いつきません。ここで迎えの船が来てしまい終了となりました。
シマアジ:1
マダイ:2
イサキ:3
という貧果気味の釣果でしたが、食材としては十分でした。ちなみに見ている限りではマス内で2番目の匹数だったので、外れマスを引いたと言っていいでしょう。またマス内全体でも青物は1匹も釣れませんでした。
釣れない時の対策と心構え
今回はお土産確保に成功しましたが、状況次第では坊主ということも海上釣り堀ではよくある話です。1万円以上を払って釣りをするのもあり、釣れない時の焦る気持ちは痛いほどわかります。では、釣れない時の対策や心構えについてお伝えします。
餌のローテーションをする
基本的なことですが、それ故に大切です。意外な餌が魚を連れてくるケースもあるため、餌の種類は最低でも7〜8種類はあった方が安心です。
探る場所を変える
今探っているところにはもう魚がいないかもしれません。周囲の迷惑にならない範囲で投入点を変えるのが良いでしょう。
どこを攻めても餌を変えても、自分にはタイが釣れないこともあります。ハズレの釣り座を引いた時は、タイ狙いは諦めて、青物狙いに集中するのもあり。無理にタイを追うより、釣れる可能性の高い他の魚を狙う方が賢明なケースは多いです。
外釣りに逃げるのも一手
外釣り禁止のところもあるそうですが、大抵は大丈夫でしょう(要確認)。海上釣り堀の周囲には撒かれる餌に誘われて色々な魚が寄っているケースが多いです。
今回のように小アジは定番です。場所にもよるでしょうが、サヨリ、キスなどの小物からシーバス、ヒラメが釣れることもあります。今回釣行した傳ハ屋さんの近くには筏があり、当日もクロダイ狙いの人が乗っていました。
無論ダンゴなどはなくとも付け餌のシラサやオキアミでもクロダイが釣れる可能性は十分あります。釣果を見ていると秋〜春はアオリが釣れることもしばしばあります。
目標は低く持つのが大切
ついつい大釣りを夢見てしまいますが、お金を払っているだけに、釣れなかった時のダメージも大きいです。気持ちはわかりますが、「まぁこんなもんさっ!」というテンションが大事です。
私は地磯での大型青物狙いなど、ヒット率の悪い(下手なのも多いですが)釣りもしているため、残念ながら坊主慣れしています。慣れとは恐ろしいもので、釣りやすい釣りで坊主を喰らっても平気になれるので、これもオススメかもしれません?
ちなみにキャッチ&イート派に限りますが、坊主や貧果の数少ないメリットとして帰った後の処理が楽という面もあります。
釣った魚を美味しく調理
今回釣った魚は刺身の他、カルパッチョやアクアパッツァなど存分に楽しみました。特にイサキは脂乗りも抜群。何にしても美味しいこの魚は、タイよりも捌くのも楽なので、今度からこちらを本命にしようかと思うくらいです。
海上釣り堀には海上釣り堀でしか味わえないヒットまでの駆け引きといった奥深さがたくさんあります。
<永井航/TSURINEWSライター>