「依存ではないけど、一緒にいないとダメな感じ」セイラン役・瀬戸麻沙美さん&アリ役・石川由依さんが語る二人の絆と運命──アニメ『きみが死ぬまで恋をしたい』インタビュー
戦争が日常にある世界で、生きることと誰かを想うことを描くTVアニメ『きみが死ぬまで恋をしたい』。
身寄りのない少年少女たちが兵器として育てられる学校を舞台に、それぞれがかけがえのない絆を育んでいく本作では、主人公・シーナとミミだけでなく、二人のクラスメイトであるセイランとアリの穏やかで深い関係性も大きな魅力の一つです。
今回は、リジィ・セイラン役の瀬戸麻沙美さんと、モード・アリ役の石川由依さんにインタビューを実施。役作りの裏側からセイランとアリだからこそ生まれる空気感、そして物語が佳境へと向かう今後の見どころまで、たっぷりと語っていただきました。
【写真】アニメ『きみ死ぬ』瀬戸麻沙美×石川由依対談インタビュー
セイランとアリだから生まれる穏やかで心地よい空気感
── お二人は原作6巻の発売記念PVから続投での出演となります。アニメ化にあたりどのように役作りをされたか、教えてください。
セイラン役/瀬戸麻沙美さん(以下、瀬戸):実は最初に作っていったものが、シリアスな世界観にちょっと引っ張られてしまったところがあったんです。アリとの掛け合いはもちろん、教室で不真面目なクラスメイトに「よくないよ」と注意するシーンなどは特に、セイランの真面目さが前面に出すぎてしまって。本番までの間に、年齢感を少し若めに調整し直したところがありました。
セイランは噂話を気にする一面があります。そういった等身大のところをより強く出すように、日常の明るい部分を意識しながら演じていきました。
アリ役/石川由依さん(以下、石川):アリは穏やかであまり物事に動じない子。決して心がないわけじゃないんですけど、ちょっと達観した考え方をすることがあるので、なかなか掴みづらい子だなと。ふわふわしていそうなのにすごく周りを見ていて、ときにドキッとさせるようなことを言う。その雰囲気を出すのが最初はちょっと難しかったですね。
周りのテンションに引っ張られすぎず、アリのリズムを作っていこうと意識していましたが、セイランと二人のシーンはちょっと甘さが出るといいなとも思っていました。
瀬戸:セイランもかわいらしくなるしね。
石川:二人のシーンは、その空気感がうまく出ればいいなって。
瀬戸:アリはセイランと二人だけになると甘えたさんになりますが、それが心を許した人にしか見せない部分なのかなと。セイランとしてアリとやり取りしていると、言葉のニュアンスが柔らかくなるところがありました。何よりも由依さんがアリにぴったりすぎて! 自然とセイランとしての優しさを引き出された感覚でした。
石川:麻沙美ちゃんもセイランにぴったりだよ。まっすぐすぎるセイランだけど、麻沙美ちゃんが演じると、そこにあどけなさが加わって。大人になりきれていない意地っ張りなところに、すごく愛おしさを感じるんですよね。セイランの方が絶対強いんですけど、包み込んであげたくなるような気持ちになっちゃう。
── セイランとアリのシーンは独特の雰囲気がありますよね。
石川:お互いを分かり合ったうえで会話している感じというか。空気が出来上がってるんですよね。
瀬戸:1話から見せつけられたよね。視聴者としては。
石川:手しか映ってないのにね(笑)。
瀬戸:そう! 分からされたよね!
石川:手だけのシーンとか、肩トンとか。直接的でない二人のシーンが私はすごく好きで。心がつながっていて、絆が深いからこそ、全部を見せないけどちょっとした仕草で二人がすごく大切な存在なんだなとグッときますね。
瀬戸:分かる。私は4話で窓際に座って、魔法を使って文字を書いてみたり、セイラン自身が好きな魔法を表現したりしているシーンがかわいくて好きだったな。それを指摘されたときに、急に照れて魔法がパッと消えるというのも精神的なものとリンクしているのが分かって、二人のキャラクター性が出ているなと。ここは、事前にあまり作り込まない方がいいなと感じたシーンでもありました。現場で直接アリとやり取りしたらニュアンスが変わりそうだなと思ったので、流れに身を任せて演じていました。
石川:私もそうだったかもしれない。印象的なシーンではあるんですけど、だからこそ肩に力を入れないようにしたいなと。ふわっと日常会話のなかで生まれた空気感みたいなものをその場で作れたらいいなと思ったので、逆にどれだけリラックスできるかという気持ちで臨みました。自然と心地よい空気感が生まれたんじゃないかなと思います。
── ここまでの展開を踏まえつつ、セイランとアリの関係を一言でいうならば、どんな言葉になるでしょうか。
瀬戸:一言かぁ。難しいね。
石川:簡単なところで言うと、支えとか?
瀬戸:人という字は……みたいなね。
石川:そう。こういう感じ(と、人の文字を手で作る)。
瀬戸:分かる。でも、二人にはもっとズブズブした言葉が欲しくない? 依存までいくとちょっと違う気がするんだけど、一緒にいないとダメな感じ……。「ホーム」とかどうですか? スポーツすぎるかな。
石川:いいと思う。拠り所であり、帰る場所みたいな。
瀬戸:そうそう!
シーナ&ミミを見守るセイランとアリのまなざし
── すでに関係性が出来上がっているセイランとアリの一方で、少しずつ距離を縮めているのがシーナとミミかと思います。セイランとアリから見たシーナとミミは、どんな存在でしょうか。
瀬戸:気になる存在なのは間違いないですよね。シーナに関しては、心配という気持ちもあるのかな。急に謎の存在であるミミがルームメイトになって、すごく世話を焼くのが大変そうだなと(笑)。
石川:アリも、シーナに対しては心配している部分がありますよね。これまで出会ったことのないようなタイプのミミにあわあわしたり、悩んだり。でも、それがいい方向にいきそうだなとも感じているのかなと思います。
瀬戸:ミミに関してセイランが思っているのは、興味ですよね。気になることがいっぱいあるので、そこへの好奇心もありながら、シーナとの関係をほほえましく見ている感じですね。
石川:セイランはミミの強さに目を向けていますけど、アリからするとそこはあまり見ていなくて。ミミが無邪気でいてくれるからこそ、シーナも救われている部分がある気がする。私、シーナがミミをよしよしするシーンがすごく好き。
瀬戸:あれはかわいかったよね。
石川:ミミが純粋すぎるんだよね。二人の関係性が対等なときもあれば、シーナがちょっとお母さんっぽいときもあって。そのどっちの二人も好き。
瀬戸:他の生徒のキスシーン(修復魔法)を見ちゃって、二人でこそこそするのもかわいかったなぁ。「待って」と言っているシーナにぐいぐい迫っていくミミ、みたいな図が多くて。それも好きですね。
── ミミの無邪気さが、シリアスな物語のなかでいいアクセントになっていますよね。
瀬戸:そうですね。これでミミが「私はこの学校の秘密兵器。国のために生きているの」と言い出したら、だいぶ話が変わっちゃいますから(笑)。
石川:そんなミミ、嫌すぎる(笑)。
── (笑)。次回の7話では、セイランがミミと戦闘実力試験で戦うことになり、戦争の影がより色濃く描かれていきます。この先、セイランとアリを見守っていくにあたっての注目ポイントを教えてください。
瀬戸:だんだんと戦争というものが、二人の周りにも近づいてくるわけですが、セイランのなかには戦うことで役に立ちたいと望んでいる気持ちもあって。実際に戦争というものに向き合ったときに、セイランの心がどう動いていくのか。大事に思い合っているアリとの関係のなかで、その想いがどう作用するのか。今までのようにお互いが支えとなって素直に関係を続けていけるのか、というのが見どころになってくるのかなと思います。
石川:ここからはより戦争という現実を突きつけられる描写が増えていきますが、演じていても「アリってこういう考え方をするんだ」とハッとさせられる部分や「どう演じるべきなんだろう」と考えてしまうようなアリらしからぬ姿を見せることもあったりして。演じがいのあるシーンもたくさんありました。楽しかったり、かわいかったりするだけじゃないシーンも多くなりますが、みんなとの思い出を胸に心を一つにして見届けていただけたらうれしいです。
── ここからは、お二人にとっても感情を大きく動かされるシーンが続きますよね。ちなみに収録を終えたあと、作品の世界観を引きずってしまうことは……?
瀬戸:私は、この作品に限らずなんですけど、あまり引っ張られない方なんですよね。みんなが泣いているときに泣けなくて(笑)。特に今回、セイランはずっと前を向き続けているので私が悲しくなっちゃうのはちょっと違うのかなと。
でも現場ではみんなが「うっ……」みたいな空気になっていたので、マイク前からどんな顔をして振り返ろう……というときもありました。
石川:私もわりと切り替えられるタイプではあるんですけど、このあとの8話でアリが感情をあらわにするシーンは、やっぱり泣いちゃいましたね。
瀬戸:心がきれいだから泣けるんですよ(笑)。
石川:そういうことじゃないって(笑)。映像がね、ずるかったんですよ!
瀬戸:たしかに。音楽もずるかったよね。いい感じに入ってきて。
石川:私を泣かせに来てるのか!みたいなね(笑)。そのあとのシーンへの切り替えが大変なくらい心を動かされる映像になっていたので、皆さんも心して観ていただけたらうれしいです。
【インタビュー:吉田光枝】