働き方改革の次に待ち受ける課題「子持ち様」とは?
5月31日(金)、ニュースキャスター長野智子がパーソナリティを務めるラジオ番組「長野智子アップデート」(文化放送・15時30分~17時)が放送。午後4時台「ニュースアップデート」のコーナーで、ハフポスト日本版編集長の泉谷由梨子氏を招き、「働き方改革の次に待ち受ける課題」について話を伺った。
長野智子「まだ働き方改革もできていない企業も結構あるけれども……。またその次にも課題があるということで。もう次ですか?」
泉谷由梨子「そうなんですよね。もちろん長野さんが仰るようにまだ働き方改革が実現できていない業界、いま始まったばっかりの業界ももちろんあるので、すべてというわけではないんですけども。最近のハフポストのいくつかのメンバーの記事から、主にオフィスワーカーと呼ばれる人たちの次の課題が浮かび上がってきまして」
長野「へぇー!」
泉谷「まず、過労死とかいろんな問題がありましたから、働き方改革自体は絶対必要なんですよ。やらなきゃよかったっていう話では決してないんですけれども。“子持ち様”という言葉がいまネットを中心に話題になっているんですけれども、聞いたことありますか?」
長野「あります、あります。もうニュースでもね、結構取り上げられてますね。」
泉谷「どんな意味合いかといいますと、エックスでポストされた言葉をご紹介したいです。『子持ち様が、お子が高熱とか言ってまた急に仕事休んでる。部署全員の仕事が今日1.3倍くらいになった』というものなんですけども。これはあるあるなんですよねぇ、ほんとに」
長野「まぁそうだよねぇ〜」
泉谷「これって、もちろんリアルでこんなこと言う人ってかなり減ってきてると思うんですよ。ただ、こういう心のモヤモヤ、ちょっとした悩みみたいなのがネットには出てきやすいところで。もちろんバッシングのためにこういう言葉が生み出されているので嫌な言葉ではあるんですけれども。そういう言葉を言ってしまう背景にはどんな問題があるんだろうっていうことはやっぱり考えなくてはいけないと」
長野「なるほど。しかしながら、たとえば(エックスのポストのように)仕事は1.3倍になったかもしれないけれども、独身の人たちは夜に楽しくお酒を飲んだり、もしかしたら早く就寝もできるかもしれないけど、その時間もお母さんたちは眠れなかったり、遅くまで(子供を)寝かしつけたりとか大変だけどね」
泉谷「とは思うんですが、会社という単位で見た時に、やはりどうしても不公平感がある。というのは、やはりこの働き方改革というものが少子化対策と結びついていて、子育てをしている世帯にどうしてもフォーカスを当ててきてしまったというところがやっぱりありまして。あとはもう一つ、生涯子供を持たないという人も増えているわけですよね。いままでだったらかなりの割合で子供がいたり、まぁ将来は子供ができるだろうなと思ってる人たちも多かった中で『いまはしんどいけど、次は私の番だしね』みたいに思えるような環境があったんですけども」
長野「あぁ、たしかにね」
泉谷「さらに男性も育児休業を取る人が増えている、というのが色々重なって。で、ここが一番の問題ですけれども『会社側が業務量を減らしたんですか?全体の業務量は圧縮したんですか?』というと業務量は同じです。休む人はどんどん増えてます。これによって休まない人・休まなくてもいいと思われてる独身の人たちに“業務のしわ寄せがきている”という問題」
長野「これはたしかに。子供のいる人に対しては手厚いけれども、これから結婚する世代に対しては政策が少なすぎて、どんどん彼らがやっぱり損した気になってきちゃうのね」
泉谷「そうなんですよね。子育て支援ももちろん充実させなきゃいけないというのはあるんですけども、それと共にやっぱり独身世帯、これから結婚して子供を作ろうとしている人たちに対してのフォーカスが薄いんじゃないかという問題もありますね」