【福岡の立ち飲み・角打ち探訪記】生ビール250円のハッピーアワーからナチュラルワイン、〆のおむすびまで(警固オススメ3選)
「暑い、暑い」と言うのにも飽きた今年の夏。ならば、酷暑を受けとめた上でグッと堪え、「神様が与えてくれた、生ビールを美味しく飲むのに最高の気候」と考えてはどうだろうか? いわゆる逆転の発想というやつで、そうでもなければ猛暑日に働くモチベーションが沸かないじゃないですか。そんな言い訳を考えながら、17時の開店を目指して警固小学校の向かいにある「たちのみエルボー」に飛び込んだ。
1.ハッピーアワーの生ビール250円で警固飲みをスタート
カウンターに着くやいなや、高らかに「とりあえず生!」をコール。グビグビと喉に流し込めば、乾いた砂漠に水が染み込むがごとく、五臓六腑に染みわたる。しかも、嬉しいことに開店から19時までハッピーアワー(土日祝日は15〜18時)で、生ビールやレモンサワーが半額だ。
人心地ついたところでフードメニューに目をやると、おつまみは250円〜とこちらも嬉しい値段。「ネギ玉」(250円)は和風オムレツといった感じで、箸を入れるとジュワッと出汁が溢れ、ビールがゴクゴクと進む。
カウンター正面にズラリと並んだ焼酎の品揃えも壮観で、こちらは1杯340円から。ドリンク2杯におつまみ1品で1,000円の「せんべろセット」もあり、立ち飲みハシゴを始めるには最高の1軒だ。
2.クラフトビールやナチュラルワインが飲める警固本通りの新店
次に向かったのは、警固本通りで6月にオープンしたニューカマーの「オーリー」。店内に入るとヒゲのスタッフ2人組が明るく迎えてくれた。コンクリート打ちっぱなしの空間にセンスのいいBGMが流れる店内は、さながらスタンディングバーといった趣きだ。
ドリンクは生ビール、サワー、ハイボール、焼酎といった定番のほかにクラフトビールやクラフトジンまで揃うマニア好みの品揃え。しかもワインはすべて自然派で、グラス600円というのはかなりのお値打ち価格といえる。
フードメニューも充実していて、中でも気になった「ラム焼売」(550円)を注文してみた。蒸籠で蒸し上げられた焼売は、挽肉がたっぷり詰まった肉々しい餡にラム酒が香る逸品で、果実味溢れる赤ワインとベストマッチ! 元ピッツァ職人という店長の川越さんが手作りするピッツァも本格派で、定番の「マルゲリータ」(1,500円)など6種類が揃っている。残念ながら今回は一人だったので見送ったが、ぜひとも次回は2〜3人で訪れてシェアしたい。
3.自社米を使った日本酒とおむすびが自慢の立ち飲み屋
警固で立ち飲みするなら、絶対に外せないのが「三九酒場 けごむす」だ。「今泉編」で紹介した「メグスタ」グループの1号店と同時期に警固でオープンして以来、福岡の立ち飲み文化を牽引してきた一軒だ。「メグスタ」が洋風からスタートしたのに対し、「けごむす」は日本酒と米(おむすび」をメインに据えたのも好対照。この2軒がなければ、福岡の立ち飲みシーンの盛り上がりはなかったといっても過言ではないだろう。
まずは、ドリンク2杯とおつまみ2品かドリンク3杯が選べる「せんべろセット」(1,000円※17〜19時)からスタート。おつまみの米糠味噌や明太子、海苔佃煮は自家製で、いかにも酒飲みのツボを押さえている。
そして、「けごむす」が他店と一線を画す最大の強みが、自社栽培米の「夢つくし」を使ったオリジナル日本酒「ほたる」と、注文が入ってから目の前で握る「おむすび」だ。筑紫野市の山間部にある田んぼでオーナーの高山洋平さん自ら田植えから稲刈り、さらに精米まで行っているので、昨年来の"令和の米騒動"もどこ吹く風。立ち飲みハシゴの〆に梅干しのおむすびを頬張れば、日本に生まれたことを感謝せずにはいられない。
今年の作柄も順調で、9月から新米が食べられるというから楽しみだ。
たちのみエルボー
福岡市中央区警固2-1-15
Ollie(オーリー)
福岡市中央区警固2-11-16 ARTTY警固1F
三九酒場 けごむす
福岡市中央区警固2-15-1