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「人から話を聞き出す」スキルは ”わんこのさんぽ” と似ている

さくマガ


お疲れ様です!たけもこです。今月で4回目の連載になります。
旅行できない日々が続いていますが、みなさん熊本には行ったことはありますか?
写真は「あそ望の郷くぎの」という、私が大好きな場所です。帰省したらほぼ必ずドライブしに行きます。
ここでゴロリするの、マジで気持ちいいです。熊本に行った際は、是非寄ってみてください。
さて、本題。
「人から話を聞き出す」
このスキルはどんな仕事においても活かせる能力だと思います。
私もライターの仕事をしている以上、リサーチの1つの手段である「取材」能力を高めたいなあと思っています。メディアに出る機会をいただくことがある分、勉強させていただく機会も多くあります。
同じ文脈で呼んでいただくこともあるので、ときには異なるメディアで同じ質問を受けることも。しかし、質問の本質は同じであるにも関わらず、いつもと違う切り口で答えることができたり、プラスαの話ができて盛り上がる取材があります。
(回答者としての自分をいかにアップデートできているか、というのも要素の1つなのですが、今回はそこはおいておきます…。)
そんな日の帰り道は「なんだか楽しい取材だったな」
と思うわけです。取材される側も、する側も「なんだか楽しい」と思えていれば、アウトプットもよりよいものになっているはずです。

「なんだか楽しい取材だったな」の共通点

「なんだか楽しい取材だったな」を振り返ってみると、会話の中で新たな発見が生まれていることに気付きます。
例えば、軽く考えていただきたいのですが、「好きな食べ物はなんですか?」という質問と、 「明日で地球が滅亡するとしたら、最後になにが食べたいですか?」
という質問。
どちらも聞きたいことは「好きな食べ物」です。
上記の質問はよくあるものなので、特に刺激が起きなかったかもしれませんが、聞かれ方が違うだけで回答を考えるときに使う脳みその筋肉が違う
気がしませんか?
「1番好きな食べ物は焼肉。でも地球が滅亡するなら最後は家族と食べたいな…。そうすると家族みんなが大好きな○○精肉店のカルビは絶対食べたい。おうち焼肉にするか…。」

↑なんと美しいのだろう。
などなど。回答に幅が生まれたり、その人ならではのエピソードが聞き出せたりします。回答者自身も想像していなかった答えが生まれるかもしれません。
情報が溢れている現代社会では「どこかで聞いたことのある話」は多く存在します。
悪意はなくとも被ることもあるかもしれない。だからこそ、話す側は借りてきた言葉ではなく自分の言葉で伝える必要があるし、聞く側は引き出す力が必要です。
もちろん読者に有益な情報を与えることを前提に。
というわけで、良い取材=取材者/回答者/(読者)に新たな発見があると定義させてください。
では、どうすれば新たな発見が生まれる取材になるか。

わんこのさんぽ

わんこのさんぽを想像してください。
散歩中の飼い主とわんこの関係性は、取材者と回答者の関係性によく似ていると思うので、突然ですが例えさせてほしいです。ワンワン!

↑実家でミニチュアダックスフンド(こころ)を1匹飼っているのと、東京に住んでいる姉がプードルを2匹(はんたとハニー)飼っていることもあり、わんこに触れる機会が多い人生です。完全に犬派です。
わんこのさんぽのときには首輪とリードを繋げますよね。わんこを飼っている方なら詳しいと思いますが、長さの決まった紐タイプや、ワンタッチで伸縮自在のタイプなど、リードにもさまざまな種類があります。
短い紐のリードだと、わんこのコントロールがしやすく、ふらっと離れていきそうになったらグッと引っ張って近くに戻します。伸縮自在タイプのリードだと、飼い主が制限をかけない限り、そしてリードが伸びる限り、わんこはどこまでも走り続けます。(その姿たるや「愛くるしい」の一言です。)
さんぽ中のわんこの自由さはリードの長さで決まる、と言っても過言ではありません。
しかし、わんこもたくさん走り回って、さまざまなにおいに触れることができた日には 「なんだか楽しいさんぽだったな」と思うことでしょう。

↑左の2匹はいとこ家のショコラとまろん
何の話をしてるんだという感じですが、「なんだか楽しいさんぽ」と「なんだか楽しい取材」には共通して鍵を握っている存在があります。
飼い主(取材者)によるリードの調節です。

取材上手はリードの調節上手

さんぽの関係性を取材に置き換えて考えると、飼い主=取材者、わんこ=回答者。 そしてリードの長さは「新しい発見の可能性」に関係してきます。
飼い主を中心にして、リードの長さを円の半径としたとき、わんこの可動域はその円の内側ということになります。そしてその円の面積が「新しい発見の可能性」の領域になるのです。
円の面積=半径 × 半径 × π (懐かしすぎる)なので
リードの長さ × リードの長さ × π =新しい発見の可能性領域
ということです。(テストには出ないので忘れてください)
リードが短ければ、わんこをコントロールしやすいと述べました。つまり、歩かせたい道が固定されている状態です。取材で言うと、話す内容が明確な状態。
さらに具体的に言うと、「こういう記事にしたい/したいんだろうなあ」
というアウトプットの想像が質問者と回答者で一致してしまっている、つまりは予定調和の状態です。
制作物にはテーマが存在するので、ある程度の方向性は定まっている必要がありますし、理想形はあって当然です。ただ、
リードが短く可動域が狭くなるほど「新しい発見」が生まれる可能性も低くなるので、想像の域を超えません。
ちなみに、この状態には話がそれそうになると「でも」「いや」などの否定語が多くなる、という特徴があります。「リードをグッ!」とするのと同じです。
だからと言って、リードは長すぎてもいけません。放し飼いのままでは永遠に家に帰れないように、「好きな食べ物」について聞きたいのに、「好きな球団」を聞いても遠回りです。最終的なまとまりもなくなってしまうでしょう。
重要なのは、最適なリードの長さを保つこと。
そして、最適なリードの長さを保つのに必要なのは、リードの長さを自在に操るテクニックと、最適な長さを見極めるための観察力です。
リードの長さを自在に操るテクニック、というのがいわゆる
・質問の切り口のレパートリーを増やす
・相槌を打つ
・回答者について事前に調べておく
・必要な情報はゲットできているか
など、基本的な「聞く」姿勢。
最適な長さを見極めるための観察力は、
・テンションを感じ取る
・フランクな雰囲気が話しやすそうか、カッチリした雰囲気が話しやすそうか
・どこを深掘ると面白い話が聞けそうか
など相手が心地よく話すことができる「場づくり」の姿勢。
わんこも、たまに「え、そこ!?」みたいなところで、急に立ち止まることがあるじゃないですか。
はなさかじいさんの「ここ掘れわんわん」じゃないですけど、意外なところにお宝が眠っていることもあると思います。

という感じで、先日公園をフラフラしているときに、わんこのさんぽをしている光景を見て、取材上手は、わんこの散歩が上手という偏見が爆誕しました。
取材対象の方を犬に例えるなんて、なんと失礼な奴だ! と、自分で自分のことは叱っておくのでどうかご勘弁を。あくまでもイメージの話しです。
来月もどうぞ、よろしくお願いします!
執筆

竹本萌瑛子(たけもこ)
熊本県出身。現在はヤフー株式会社にてデジタル広告を扱う部署に所属。SNSやイベントなど、マーケティングコミュニケーションを軸とした業務に従事する一方で、モデル・タレント・ライターなどパラレルワーカーとしても活動中。Twitter(@moeko_takemo)で、自身の野球少女時代の写真をユニークなコメントと共に投稿。大きな反響を呼んだことをきっかけに、活動範囲を拡大している。

編集

川崎 博則
1986年生まれ。2019年4月に中途でさくらインターネット株式会社に入社。さくマガ立ち上げメンバー。さくマガ編集長を務める。WEBマーケティングの仕事に10年以上たずさわっている。

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