企業のサステナビリティ実践 オンワードが「2025年アップサイクル事例集」を公表
サステナブル素材の企画提案を手掛けるオンワードコーポレートデザイン(東京都千代田区)は12月18日、2025年にアップサイクル企画として取り組んだ事例を発表した。サステナビリティへの関心の高まりを背景に、同社への問い合わせが増加しているという。
アップサイクルとは、本来であれば廃棄されるものに付加価値を加え、新たな製品として再生させる取り組み。2025年は、さまざまなサプライヤーとの協業により、その手法の幅が広がったとしている。
廃棄予定のカーテンや制服→表示サインに生まれ変わる
不用品をシンボリックかつ日常生活で身近なものにアップサイクルした事例として、リフォームで不要になったカーテンから新しい室名サインを作ったり、用途を終えた制服から「廊下の階数表示・トイレのサイン」を製作したりした事例が紹介されている。
同社は「廃棄量を削減するだけではなく、取り組みを通じて、より多くの方が日常の中でサステナビリティについての意識を向上するきっかけになれば」とコメントしており、アップサイクル企画によって廃棄を減らすだけでなく、情緒的価値を高めて取り組みの輪を広げることを目指すとしている。
廃棄物に付加価値を加えて新しい製品に、SDGs達成にもつながる取り組み
2025年の取り組みとして、TDK(東京都中央区)は部品製造工程で使用済みとなるフィルムから、作業服を製作した。東レ(東京都中央区)と協業して、特殊処理を施したフィルムをリサイクル糸に加工して作成した生地を活用しており、作業服の品質は従来のものと同水準だという。同社は毎日身に着ける作業服に着目した取り組みを通じて、従業員の環境意識をさらに向上させる意向を示している。
2回目の共同アップサイクル企画となったANAホールディングス(東京都港区)は、飛行機の廃棄対象シートカバーを、パッチワーククッションにアップサイクルした。第1弾で制作したルームシューズを一般販売した際には、予約抽選倍率が最大52倍に達したという。
廃棄物の量や素材を考慮し、元の価値やストーリーを表現
同社はアップサイクルを実施する際、廃棄物の量や素材を考慮しながら、もともと使用されていた際の価値やストーリーを表現することを大切にしている。たとえば「歴史ある学生服を何かしらの形に残したい」という卒業生と学校側の要望を受け、卒業記念品として寄贈できるレリーフやサインを製作した横浜創学館高校(神奈川県横浜市)の事例がある。
同社の企業向けのユニフォーム製作コンサルティングサービスでは、新ユニフォームのコンセプトを、依頼企業の従業員が参加するワークショップを通じて策定している。同サービス開始の背景には、従業員の意向をユニフォームに反映し、採用強化や働きやすい環境づくりにつなげたいという企業ニーズの高まりがあるという。また同社は、社員同士のコミュニケーション活性化を目的とした三菱電機(東京都千代田区)の工場休憩所リニューアルのデザインも手掛けている。
発表の詳細は同社公式リリースで確認できる。