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日本三大怪魚『アカメ』を釣る【高知】まさかのラバージグでのヒットのワケとは?

TSURINEWS

念願のアカメをキャッチ(提供:TSURINEWSライター稲垣順也)

日本三大怪魚の一つであるアカメ、大型になり古代魚を思わせるフォルムと希少性からアングラー憧れの魚である。今回は夏の長期連休を利用して高知遠征し、最終日にキャッチしたドラマフィッシュとの出会いをレポートしたい。

高知県におけるアカメ釣り

現在高知県ではアカメは注目種に指定されており、アカメ釣りに関しては規制される事なく釣りを楽しむ事ができる。キャッチ&リリースを前提とした釣りとなるため、使用するタックルやキャッチ後の魚の扱いには注意が必要だ。

対してアカメのもう一つの生息域である宮崎県では、平成十八年三月二十三日付で指定野生動植物としてアカメが指定され、アカメを狙った釣りは禁止された。当時これを受けて高知でも条例が施行されアカメ釣りが禁止になる事が決まっていた。それに異議を唱え、集まった地元アングラーを中心とした有志達の力により、条例の施行は撤回され、アカメ釣りが楽しめる現在に至っている。

浦戸湾アカメ釣りのタックル

浦戸湾でのアカメ狙いのタックルについて、オープンウォーターを釣る場合でラインはPEライン2号以上、リーダー40lb以上。大型を狙う場合はPEライン3号以上、リーダー80lb以上が推奨されている。ロッドは現在怪魚用の物が多く販売されているためその中から使用するルアーに合わせた物を選ぶといい。リールは使用するラインのキャパを考え、剛性のある物が望ましい。

筆者のタックル

参考までに私の使用タックルを紹介しよう。

アカメ狙いのタックル(作図:TSURINEWSライター稲垣順也)

アカメの釣り方

一般的な狙い方としてアカメは夜行性のためナイトゲームがメインとなる。使用するルアーは以前はミノー主体の釣りであったが、最近はビッグベイトで狙うアングラーが増えている。狙うポイントとしては大きくわけて、浦戸湾内の港湾部と流入する河川にわけられる。港湾部では防波堤などの他シャローではウェーディングして狙うポイントもある。

流入河川では常夜灯のある橋の明暗周り、合流点といった変化を釣っていく。アカメを狙う上で用意すべきものとして大型のヒットを想定した備えが必要になる。大型魚をしっかりとホールドできる大型のフィッシュグリップ、大型ペンチ、手を保護するグローブ、蘇生を行う際必要になるストリンガーなどは用意しておくといい。

アカメは体長1m、重さ20㎏を越える大型魚である。キャッチした後の扱いを誤るとアングラー側がケガを負う危険もある事を理解して狙っていきたい。

エリアの下見から

8月8日宮崎県日向灘沖で地震の発生により巨大地震注意報が発表された中迎えた夏期の長期連休。予定していた高知遠征を見送るか悩んだが、移動に関して特に規制がなかったため、遠征を決行する事にした。連休真っ只中の8月13日夕方、車に荷物を積み込み自宅を出発した。

私の住む愛知県西部から浦戸湾のある高知県まではおよそ450km。途中休憩を入れながらのロングドライブだ。現地に到着したのは日付が変わった8月14日の深夜1時間過ぎ、過去に何度も来ている浦戸湾だが、まずは今回釣りをするエリア全体を見て回る。

アングラーを見かけたら挨拶をしつつ近況を伺っていく、連日の猛暑の影響か、活性は低い状況のようだ。

実釣初日はアカメのチェイス&バイトのみ

朝まではポイントの下見に時間を費やし、迎えた朝マヅメ、流入河川の石積み沿いにキャストしたビッグベイトに80cmクラスのアカメがチェイスしてきた。しかしバイトには至らず、日が昇った午前8時、夜に備え休憩をはさみ仮眠を取る。

再スタートは、暑さの収まる17時過ぎ、朝にチェイスのあったポイントで岸沿いを泳ぐアカメを発見。ビッグベイトをキャストし何度か誘い、バイトに持ち込むがフックアップせず。そのままアカメは深みへと消えていった。夕食をはさみナイトゲームに突入するが反応の無さと疲れもあり早めの就寝とした。

2日目は反応得られず

この日は朝から歩いてフィールドを回ってみた。場所によっては回遊するアカメを目視できサイトで反応を伺いながら探っていくが、バイトまでは至らない。日が上りきるとアカメは姿を消したため夕方まで休憩をとる。夕マヅメに同じポイントに来てみたが潮位の関係か、アカメの姿を見る事はなかった。

マヅメ時に回遊するアカメとコイ(提供:TSURINEWSライター稲垣順也)

ナイトゲームに突入し、深夜まで続けたが、アカメからの反応は皆無で2日目を終えた。

3日目にパターンを発見!

この日も朝からサイトでアカメを狙うが反応はイマイチ。日が上り場所を移動した先で岸際でじっとしているアカメを発見。蟹が多い場所という事もあり、たまたま車に積んであったラバージグを試してみる事にした。

ラバージグを口元にカーブフォールさせると大口をあけてバイト。反射的にフッキングするがドラグが滑りフッキングせず、すかさずルアーを入れ直すとまたもバイトして来たが今度はフックが開いてフッキングはできなかった。

フックが開きリーダーはザラザラ(提供:TSURINEWSライター稲垣順也)

その一瞬でアカメの歯によってリーダーはザラザラに。アカメの固い口にフッキングが効くよう、タックルパワーを上げMX-7からMX-8+に変更、飲まれた時の耐久性も考えリーダーは80lbにした。

ラバージグが当たりか

ラバージグへの反応が良かったため現地の釣具屋へラバージグを買いに走る。店頭にあった中で最もフックの強度がありそうなガンクラフト社コアヘッド1/2オンスとトレーラーにレイドジャパン社のエグチャンク4inchを用意した。夕マヅメ、午前中にバイトを得たシチュエーションと似た場所を打って歩いたが反応はなく、明日の朝マヅメが勝負と早めに就寝とした。

最終日に待望のアカメをキャッチ

たどり着いた答えは、岸沿いを回遊するアカメをサイトで探し、見つけたアカメをラバージグで食わせにいく。最終日の朝マヅメ、最初に見つけたアカメはすぐさまラバージグを吐き出しフッキングできなかったが、続けて見つけた3匹で回遊する先頭のアカメにラバージグを入れるとバイト。

アカメヒット(提供:TSURINEWSライター稲垣順也)

フッキングも決まり、アカメのパワフルな引きに備える。しかし予想に反してすんなり浮いてきた魚は、最近釣られたであろう傷を負ったアカメであった。

蘇生&リリース

抵抗を見せない為少し早いがランディング、なるべく短時間で写真撮影を行い、ストリンガーを掛け蘇生を行う。しばらく口からエラに水と酸素を送ってあげると胸鰭が動き出し、自分で体制を取れるようになった。そのまま体を支え、エラに水を送りながら回復を待つ。口を掴む手を噛むまで回復して来た所で一旦手を離しストリンガーで様子をみる。

ストリンガーも振り切ろうという元気が出て来た所でストリンガーを外しリリース体制に入る。最後は私の手を振り払ってゆうゆうと泳いで帰っていった。体の傷が心配だが無事回復してくれる事を願ってお別れした。

桂浜水族館でアカメを観察

一旦車に戻り、コーヒーを飲みながら余韻に浸り至福の休憩。釣りを続ければ追加できそうだが、最終日の朝マヅメ、狙い通りに釣れた満足感から竿を仕舞う事にした。この後は温泉に入り汗を流し桂浜水族館を訪れた。

桂浜水族館(提供:TSURINEWSライター稲垣順也)

ここはアカメが群泳する水槽があり、間近で見る事ができる。アカメを観察する事で釣りに繋がるヒントが見つかるかもしれない。他にも様々な魚や動物が飼育されており、生き物好きには堪らない場所だ。

アカメの展示(提供:TSURINEWSライター稲垣順也)

アカメ釣り遠征を楽しむコツ

アカメは個体数が少なく、シーバスともブラックバスとも違う種族の魚である。他の魚のパターンや時合は参考にせず、現地で得た、アカメに対する情報を元に釣りを組み立てていくのが良いと考えている。限られた時間の遠征であるが、入れ込み過ぎず、楽しむ姿勢を忘れずに行くことも大事だ。

カツオのタタキ(提供:TSURINEWSライター稲垣順也)

今回の一匹もアカメが頻繁に見える状況が楽しく、定番のナイトゲームをほとんど切り捨てて休息に充て、デイゲームをメインにしたのが結果として良かったと感じている。釣れなくて当たり前のアカメゲーム、せっかく高知まで来ているのだから、カツオのタタキやアカメアングラー定番のくいしんぼ如月のナンバンビッグなど、行き詰まった時はグルメを堪能するのも楽しみの1つである。

くいしんぼ如月のナンバンビッグ(提供:TSURINEWSライター稲垣順也)

アカメ釣りを未来に残そう

最後に最近の怪魚ブームにより以前より多くの方がアカメを狙って高知を訪れている。駐車場所や夜間の騒音、周辺住民への配慮、アングラー同士のトラブルなど、十分注意した上で釣行して頂きたい。冒頭で説明した、現在でもアカメ釣りができる環境を作ってくれた方々への感謝の気持ちを忘れず、これからもアカメゲームを楽しんでいきたい。

高知のアカメ釣りを未来へ残そう

尚、今回釣行記を作成する上で『高知のアカメ釣りを未来へ残そう!』サイトを参考にさせて頂いた。高知のアカメゲームの未来を真剣に考えているサイトになるため、これからアカメに挑戦を考えている方も、もうすでに挑戦済の方にも一度ご覧頂きたい内容となっている

<稲垣順也/TSURINEWSライター>

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