夜の雁木通りに高田瞽女の姿浮かび上がる 上越市東本町1に「瞽女木行灯」
新潟県上越市の雁木通りに盲目の女性旅芸人、高田瞽女(ごぜ)をデザインしたベンチ型あんどん1台がこのほど、設置された。長岡造形大学(長岡市)の学生が制作した「瞽女木行灯(もくどん)」で、夜の雁木下には、高田瞽女が歩く姿がほのかな明かりに照らされ浮かび上がっている。
《画像:LEDの明かりに照らされると瞽女の姿が浮かび上がる「瞽女木行灯」》
昼間はベンチとして、夜は暗い足元を照らす明かりとなるベンチ型あんどんは、2022年度に同市出身の卒業生が卒業研究として考案。同大の木造加工物制作サークル「木匠(もくしょう)塾」の後輩たちが引き継ぎ、毎年、デザインや大きさを変えながら、高田地区の町並み保全に取り組むNPO法人「街なみFocus」(岸波敏夫理事長)に寄贈している。
《画像:昼間はベンチとして利用》
本年度は45人のサークルメンバーのうち、1〜3年生計15人が企画、制作に携わった。杉材を使い、大きさは高さ40cm、長さ100cm、幅38cmで、太陽光パネルで発電し、夜暗くなると自動点灯する。
同大の羽︀原康成准教授が研究している「透明性木材」を使い、LEDの明かりで雪の積もった冬の雁木通りを歩く高田瞽女の姿が見えるようにデザインした。透明性木材は木材を薬品につけて色や硬さとなる成分を取り除き、樹脂を浸透させることで透明にした新素材。同大以外でも研究段階で、透明性木材を使った製品はほとんどないという。
《画像:雁木下をほんのり照らしている》
2026年5月10日には同サークルの学生9人と羽︀原准教授が上越市を訪れ、瞽女ミュージアム高田(東本町1)前の雁木下に瞽女木行灯を設置した。
造形学部デザイン科3年の中村桜誓(さちか)さん(21)は「木材を透明にするのに試行錯誤し、時間もかかったので、置かせてもらえてうれしい」と話し、同2年の江角晄太朗さん(19)は「木行灯の先輩たちの積み重ねや雁木の歴史を自分たちがきちんと理解し表現することで、発信したいと思うようになったので引き渡せて良かった」と語った。