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マフィア、ホスト、ラブホテル、鉄砲玉、そして宇宙人!? 眠らない街“歌舞伎町”を舞台にした映画5選

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マフィア、ホスト、ラブホテル、鉄砲玉、そして宇宙人!? 眠らない街“歌舞伎町”を舞台にした映画5選

芥川賞作家・金原ひとみが東京・新宿の歌舞伎町を舞台に描き、「第35回柴田錬三郎賞」を受賞した同名小説を、主演に杉咲花を迎えて松居大悟監督が映画化した『ミーツ・ザ・ワールド』が、10月24日(金)より公開されます。

「眠らない街」「東洋一の歓楽街」として知られ、日本を代表する繁華街として国内外に知られる歌舞伎町。ネオンが煌めく夜の街では様々な人生が交錯し、希望と絶望、成功と挫折、出会いと別れが日々繰り返されています。そこで今回は、歌舞伎町を舞台に、この街でしか描けない人間の姿を映し出した5作品を紹介します。

光と闇、希望と絶望、成功と挫折、様々な人生が交錯する街“歌舞伎町”

『不夜城 SLEEPLESS TOWN』(1998年)

監督:李志毅
出演:金城武、山本未來、椎名桔平 ほか

【あらすじ】
台湾人と日本人のハーフである劉健一は、新宿・歌舞伎町で故買屋として生きていました。ある日、かつての相棒・呉富春が歌舞伎町に戻ってきます。上海マフィアの幹部を殺害して逃亡している富春を、マフィアのボスは健一に探し出すよう命じます。そんな中、健一の前に「富春を売りたい」という謎の美女が現れ……。

【おすすめポイント】
90年代の歌舞伎町の混沌とした空気感を見事に捉えた、馳星周のベストセラー小説を映画化したアジアン・テイストなノワール作品。当時、急速に勢力を拡大していた中国マフィアと日本のヤクザの対立という、リアルな社会状況を背景に、その狭間で生きる男の孤独と葛藤を描いています。

『新宿スワン』(2014年)

監督:園子温
出演:綾野剛、山田孝之、沢尻エリカ ほか

【あらすじ】
何の取り柄もない青年・白鳥龍彦は、新宿・歌舞伎町でスカウトマン集団「バースト」の真虎と出会います。スカウトマンとは、風俗店に女性を紹介する仕事。龍彦は真虎に才能を見出され、スカウトマンの世界に飛び込みます。次第に頭角を現していく龍彦ですが、歌舞伎町の裏社会では様々な勢力が蠢いており……。

【おすすめポイント】
和久井健の同名人気マンガを実写化した、歌舞伎町のリアルな裏側を描いた青春クライムアクション。園子温監督が歌舞伎町という街の猥雑なエネルギーを、過激な描写で容赦なく映し出します。

『さよなら歌舞伎町』(2014年)

監督:廣木隆一
出演:染谷将太、前田敦子、イ・ウンウ ほか

【あらすじ】
歌舞伎町のラブホテルを舞台にした群像劇。周囲には一流ホテルマンと嘘をつき、自分の現実を受け入れられずにいる店長・徹。その恋人でミュージシャンを目指す沙耶。彼氏に内緒でデリヘル嬢をしている韓国人女性イ・ヘナ。時効を目前にした中年カップルの康夫と里美。そんな彼らの様々な人生が交錯して……。

【おすすめポイント】
廣木隆一監督と脚本家・荒井晴彦のコンビが、歌舞伎町のラブホテルという特殊な空間を舞台に、そこに集まる人々の人生を描いた群像劇。それぞれの事情を抱えて歌舞伎町に集まる人々の日常が静かに、しかし切実に描かれています。ラブホテルという、一見すると刹那的な空間が、それぞれの人生の重さを映し出す舞台となっています。

『純平、考え直せ』(2018年)

監督:森岡利行
出演:野村周平、柳ゆり菜、毎熊克哉 ほか

【あらすじ】
歌舞伎町で末端組員として雑用に追われる21歳のチンピラ・坂本純平。”一人前の男”を夢見る純平は、ある日拳銃を渡され、鉄砲玉を命じられます。気持ちが昂ぶった純平は、偶然出会ったOL・加奈とホテルで一夜を共にした際、ふとそのことを口にしてしまいます。不思議な高揚感を覚えた加奈は、決行までの3日間、純平と行動を共にすることになり……。

【おすすめポイント】
奥田英朗の同名小説を森岡利行監督が映画化した、青春ドラマ。ヤクザとして生きようとするものの、どこか不器用で、完全には悪になりきれない純平。彼が鉄砲玉を命じられてから決行までの3日間を、たまたま行き会った女性と過ごすという設定が、緊張感と切なさを生み出しています。

『探偵マリコの生涯で一番悲惨な日』(2022年)

監督:内田英治 ほか
出演:伊藤沙莉、北村有起哉、宇野祥平 ほか

【あらすじ】
新宿ゴールデン街で小さなバー「カールモール」を営む27歳のマリコには、探偵というもう一つの顔がありました。ある日、FBIを名乗る3人組から「アメリカへ移送中の地球外生命体を連れ去った科学者・天本を捜してほしい」という奇妙な依頼が舞い込みます。そんな荒唐無稽な依頼を皮切りに、マリコは次々と奇想天外な事件に巻き込まれていき……。

【おすすめポイント】
内田英治監督と片山慎三監督がタッグを組み、6つのエピソードで構成された、連作スタイルの探偵エンタテインメント。歌舞伎町という街の多面性を表現するのかのような連作スタイルで、地球外生命体から始まる荒唐無稽な依頼の数々が、予測不能な展開を生み出します。

歌舞伎町が持つ多面的な魅力と、そこに生きる人々の多様な姿を感じることができる5作品になったのではないでしょうか。戦後の闇市から始まり、バブル期の狂乱、そして現代へと、時代ごとに姿を変えながらも、常に日本の夜の中心であり続けてきた歌舞伎町には、必死に生きる人間たちのドラマがあります。

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