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『ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー』昭和の頑固じじいが見せる令和の青春! 87歳でパリピデビューした、猛原禽次郎/ゴジュウイーグルの可愛さを紐解く【ゴジュウジャーメンバーの魅力 第4回】

アニメイトタイムズ

写真:アニメイトタイムズ編集部

2025年2月より放送中のナンバーワン戦隊ゴジュウジャー。スーパー戦隊シリーズ50周年を記念したアニバーサリー作品で、動物や恐竜=「獣(けもの、ジュウ)」をモチーフにしたヒーローが大活躍しています!

ゴジュウジャーのメンバーは、性格も価値観もバラバラで、全員がワケありの“はぐれ者”。その中でも驚きの経歴を持つのが、ゴジュウイーグルこと、猛原禽次郎(たけはら・きんじろう)です。

実は彼、87歳のおじいちゃん! 「真面目すぎる自分を変えたい」と決意し、人生をリスタートすべく“パーリーピーポー”を志してテガソードと契約。17歳の姿となり、第二の青春を全力で駆け抜けていますが、家族とは疎遠になってしまった“はぐれ者”です。長い人生経験があるからこそ、言葉の1つ1つに重みがあり、大人だからこそグッとくるセリフも多数。

今回は、そんな禽次郎の魅力をいくつか紹介していきます。読み終わるころには、チャララっとした彼のトリコになっているかも……⁉

前回はこちら

お年寄りだからこそ出せる言葉の重み

彼の本名は猛原譲二(たけはら・じょうじ)。座右の銘は「質実剛健」。御年87歳の、自他ともに認める“頑固じじい”です。

「真面目に生きてきたせいで人生を謳歌できなかった」という後悔から、“思うがままに生きるパーリーピーポーになる”という願いでテガソードと契約。その際、テガソードの力によって17歳の姿まで若返りました。転校先の高校では、まさかの孫と同じクラスに。彼は「禽次郎」と名乗り、青春をやり直すことになりました。

見た目は最年少、中身は最年長。このギャップこそ、禽次郎の大きな魅力の1つです。豊富な人生経験から生まれる言葉は、ときに仲間を導く“格言”となります。

たとえば第1話。禽次郎のカットで放たれた「夢の始まり、人生の終わり」というセリフ。当初は意味深な言葉として受け止められていましたが、彼の正体が明らかになると、それが「(猛原禽次郎としての)夢の始まり」であり、「(猛原譲二としての)人生の終わり」を指していたことに気づかされます。言葉の重みが後から胸に響く、筆者も大好きなセリフです。

そして第8話。まだチームの絆が浅い頃、竜儀が「深入りしすぎはよくないのでは」とつぶやくと、禽次郎は笑顔でこう返します。「人生最後に残るのは、人との思い出だ」いずれ戦う宿命を背負っているとはいえ、「今を楽しむ大切さ」を伝えてくれました。

節約ノーワンが現れた際には、「ひもじい思いをたくさんしてきた。我慢はもううんざり」と語り、さらに、青春ノーワンの影響で学校がおかしくなってしまった生徒の相談を聞くと、「青春の無駄使いは許せない!」と本気で怒る場面も。どんな時でも、お年寄りならではの重みや温かさを感じさせてくれます。

禽次郎を演じる松本仁さんは、20歳ながらも高齢者のキャラクターを自然に演じる実力派。SNSでは「おじいちゃんの演技が上手すぎる」と称賛の声が多く寄せられています。キャラクターとの年齢差を感じさせない繊細な表現力で、禽次郎という人物に確かな説得力を与えているのです。

家族を想い、仲間を支える。禽次郎の誠実さ

禽次郎のもう1つの魅力は、家族や仲間など、近しい人たちをとことん大切にする誠実さではないでしょうか。

亡き妻・房子は、家族のために生きた譲二のいちばんの理解者でした。譲二もまた、房子を深く愛しており、彼女の「これからは思うままに生きて」という遺言を胸に、テガソードとの契約を決意します。敵の装置によって“願望を夢として見せられる”場面では、「パリピになる」という自身の願いが叶った姿ではなく、若返った房子と穏やかな時間を過ごす夢を見ていました。その穏やかな笑顔は、彼にとって房子がどれほど大切な存在だったのかを物語っています。

また、彼の頑固さも、家族を守りながら昭和を生き抜いてきたからこそ。たとえ嫌われ者になったとしても、大切な家族を守り抜くために厳しい言葉をかける。そこには、変化の激しい時代をまっすぐに生き抜いた男の信念がにじんでいます。

さらに、ゴジュウジャーのチーム内では、年長者らしく一歩引いた立ち位置で仲間を見守る“縁の下の力持ち”として活躍。兄・クオンにそそのかされ、ゴジュウジャーに牙を向けてしまった吠に対しても、すぐに攻撃するのではなく「どうしたんだ? いきなり」とまず声をかけて止めに入るなど、冷静で思いやりのある対応を見せました。また、角乃が落ち込んでいるときにはお祭りに誘い、率先して元気づけるなど、細やかな気づかいと包容力でチームを支えています。

角乃の妹・緒乙の誘拐事件について、陸王と角乃が激しく対立した際も、禽次郎は「変に口出しするわけにはいかない」と静かに見守っていました。若者が多いチームの中で、焦らず騒がず、必要なときに的確な助け舟をだす、その絶妙な距離感とどっしり構える精神的な強さこそ、禽次郎がメンバーから信頼される理由なのでしょう。

努力の中に見える可愛さがズルい!

禽次郎の真面目さは、自身の願い「パーリーピーポーになる」という目標にも表れています。高校へ編入した際には、制服の上からオレンジ色のパーカーを羽織り、ヘッドフォンを身につけるという“形から入る”スタイル。

ゴジュウジャーの仲間たちには「禽ちゃんって呼んでね」とお願いし、自身も「吠っち(吠)」「ちゃんりく(陸王)」「竜てゃ(竜儀)」「角ぽよ(角乃)」「熊たん(真白)」と、今どき(?)な、あだ名をつけて交流を深めています。

若者の流行についていこうとしながらも、“カセットテープ”を新しいガジェットだと思っていたり、「ナウい」といったワードを無意識に使っていたり……。その一生懸命さゆえのちょっとしたズレもまた、可愛さを感じさせるポイントです。

“2度目の青春”を生きるからこその魅力

少年でありながらも、昭和気質の頑固さをあわせ持つ禽次郎は、まさに“唯一無二”のキャラクター。彼が見せる優しさは、ただの「良い人」ではなく、人生経験からにじみ出る包容力。時に厳しく、時に柔らかく、チームを導く禽次郎は、視聴者にとっての“心の師匠”のような存在でもあります。年齢や立場を超えて響く彼の言葉は、作品全体に深みと温もりを与えています。

物語は中盤へと突入し、ゴジュウジャーとしての絆が強まる一方で、角乃と陸王の因縁など、それぞれの心のぶつかり合いも描かれはじめました。そんな中、禽次郎がどんな決断を下し、どんな未来を選んでいくのか。彼の言葉や行動が、これからのチームの運命を左右していくのかもしれません。

禽ちゃんと一緒に“パーリーピーポー”するのもよし、他のメンバーの心の成長を見守るのもよし。彼らの葛藤や絆をリアルタイムで追いかけられる時間は、きっとあなたの心を熱くしてくれるはずです。

まだまだ続くゴジュウジャーの物語。あなたの“ナンバーワン”になるのは、果たして誰でしょうか?

[文/五六七 八千代]

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