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JFEスチール冬休み工場見学会(令和5年12月26・27日開催)〜 水島で鉄が生まれるところを見に行こう

倉敷とことこ

JFEスチール冬休み工場見学会(令和5年12月26・27日開催)〜 水島で鉄が生まれるところを見に行こう

年の瀬が迫った令和5年12月下旬。
子どもたちの冬休みも始まったこともあり、親子で楽しめそうなイベントを見つけたので参加してきました。

足を運んだのは、倉敷市水島にある巨大な製鉄所「JFEスチール株式会社 西日本製鉄所(倉敷地区)」。

倉敷では社会科見学の定番なので行ったことのあるかたもいるかもしれませんが、今回は製鉄所の「今とこれから」に焦点を当ててレポートします。

製鉄所内は写真撮影禁止のため、資料画像がメインとなります。ご了承ください。

「JFEスチール冬休み工場見学会」の概要

「JFEスチール冬休み工場見学会」は令和5年12月26日(火)〜27日(水)に、JFEスチール株式会社 西日本製鉄所で開催されました。
各日の時間スケジュールは、午前9時30分~11時30分、午後2時~4時。

参加申込みが必要です。
対象は小学生以上で、各回の定員は「70名」。

普段見ることのできない大迫力の製鉄所を、目や耳・肌で体感できると紹介されていました。

見学会に参加しました

見学センターに到着後、工場見学の開始時間まで併設してある「鉄の学び館」を見学しました。

鉄に特化した科学館で、東京ドーム240個分にもおよぶ巨大な製鉄所の紹介と、鉄ができるまでを写真や模型を使ってわかりやすく展示しています。

鉄の材質について学べるコーナー
鉄を使った楽器に触れられるコーナー

見学会開始時刻の午前9時30分になり、まずはホールにて工場についての説明を聞きました。

こちらの製鉄所の正式名称は「JFEスチール株式会社 西日本製鉄所(倉敷地区)」。

1961年に当地にて操業を開始した「川崎製鉄株式会社 水島製鉄所」をルーツにもつ製鉄所で、2003年に「日本鋼管株式会社 福山製鉄所」と合併し、水島と福山で一つの製鉄所として一体運営されています

水島に製鉄所を作った理由は、高梁川の豊富な水、大型船も入れる港湾、広大な埋立地に気候の良さが決め手となったそうです。

工場内のレイアウトですが、南から北に向かって原料から製品を作っていく流れになっているとのことです。

今回の見学では鉄の生まれるエリアと鉄を延ばすエリアの見学をおもに、広大な工場をバスに乗って案内してもらいました。

厚板工場

厚板工場 (写真提供:JFEスチール株式会社 西日本製鉄所)

工場見学会のハイライト。
バスを降りて工場内の見学通路を歩き、実際に目の前で熱せられた鉄の塊が圧延(鉄の塊をローラで引き延ばす作業)されて板になっていくようすを見学しました。

巨大な工場ですが、操作室ですべての操作ができるようになっているため、ライン上に人の姿はまったくありません
鉄の塊があっという間に板状になっていくようすに、子どもたち興味津々でした。

ちなみにこちらの工場で作られている厚板は、おもに船舶や橋などの大型構造物の材料として使用されているそうです。

高炉

高炉とトーピード (写真提供:JFEスチール株式会社 西日本製鉄所)

高炉は鉄鉱石を溶かして鉄を取り出す設備で、塔のようにそびえるその姿は製鉄所のシンボルといわれます。

見学会ではバスの中から、実際に鉄が出てくるようすを見学しました。

こちらで取り出された銑鉄(せんてつ)は炭素を多く含むため非常にもろく、そのままでは製品として使用できません。

ラグビーボールのような形をした貨車(トーピードカー)に溶けたまま積み込み、後工程に運ばれて、私たちが普段使用している固くて強い鉄になっていきます。

ちなみに、製鉄所の設備に高炉を持っている鉄鋼メーカーのことを「高炉メーカー」と呼びますが、統合などが進み、今はJFEスチールを含めて国内で3社のみとなっています。

水島エコワークス

水島エコワークス (写真提供:JFEスチール株式会社 西日本製鉄所)

「水島エコワークス」は製鉄所の中にあるごみ処理施設で、バスの中から見学しました。

排気を含めて再資源化に努めており、焼却場にあるはずの煙突がないのが最大の特徴とのことです。

水島コンビナート内の事業ごみ以外にも、倉敷市の一般ごみの受け入れもしているので、私たちも知らないうちにお世話になっている施設なのではないかと思います。

ちなみに平成30年7月豪雨の際にも、災害ごみの処理などにこちらの施設が活躍したそうです。

おわりに

筆者も小学生の時に見学に行って以来、製鉄所の工場見学はかなり久しぶりではありましたが、見学しているうちに昔の記憶が蘇ってきました。

現在製造業に携わる身としても、気づきが多くあったのではないかなと思っています。

また昨今の脱炭素化の流れもあり、製鉄所も変革の時代を迎えているのかなという印象を受けました。

たとえば電磁鋼板という材料は、EV(電気自動車)のモータにも使用される材料で、今後の需要が見込まれるとのことで新たに工場を増築されていました。

反面、脱酸素の観点より今現在3基ある高炉のうちの1基を休止し、電気炉に転換する方針が打ち出されています。

SDGs(持続可能な開発目標)についての取り組みがそのまま会社の方針になっているのは、製造業のなかでも多量の二酸化炭素を排出する製鉄所ならではないかなと思いました。

なお、JFEスチールでは学校の長期休みに合わせて見学会を開催しているとのことですので、参加してみたいかたはぜひチェックしてみてください。日記の題材などにも最適ですよ。

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