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今井翼&塚本高史 hideの曲を愛した2人が共演「ファンが見ても嘘のない作品に」

フジテレビュー!!

今井翼さん、塚本高史さんが、自身にとっての“特別な存在”について語りました。

1998年に急逝したX JAPANのギタリストで、ソロアーティストとしても活躍していたhideさん。その実弟・松本裕士さんによる著書「兄弟 追憶のhide」をもとにした映画「TELL ME ~hideと見た景色~」が7月8日に公開されます。

映画「TELL ME ~hideと見た景色~」は、兄の意志を継いだ弟が、仲間たちと困難を乗り越えた先にどのような未来を見たのかを描く物語です。

主人公の裕士を演じた今井さん、hideさんと2人で楽曲を制作していた共同プロデューサーのI.N.A.を演じた塚本さんにインタビュー。ともにX JAPANのファンだったというお2人の熱い思い、撮影を終えた今だからお互いに聞きたいことなどをうかがいました。

裕士が人間として成長していく過程を丁寧に描きたい(今井)

<今井翼、塚本高史 インタビュー>

──出演が決まったときの心境から聞かせてください。

今井:オファーをいただいた明確な時期は覚えていないのですが、芸能活動を休止していた時期を経て、お仕事を再開する中で、このお話をいただけたときはうれしかったですね。

小学生のときに初めてふれたロックバンドがX JAPANで、ファンになり、hideさんのことも好きになった。高史くんほどの知識はありませんが、ファンとしてこの作品に携われることはとても光栄でした。その反面、裕士さんを演じることに関しては身の引き締まる思いでした。

塚本:僕は2015年に公開されたhideちゃんのドキュメンタリー映画「JUNK STORY」でナレーションを担当したのですが、まさか再びhideちゃんの作品に携われるとは思ってもいませんでした。

もし、僕じゃない人が出演していたら嫉妬していただろうし、たぶんこの映画は観なかったと思います(笑)。

──1998年当時のことを記憶している方も多いでしょうし、実在の人物を演じる難しさもあったかと思います。演じるうえで意識したのはどのようなことでしょうか。

今井:正直、撮影現場へ行ってみないとどういう気持ちになるのか、わからないことのほうが多くて。裕士さんは表に出る方ではないので、お芝居を決め打ちでいってしまうと、僕自身がまず違和感を抱くのではないかと思ったんですよね。

hideさんと裕士さんは、普通の兄弟にはあり得ない関係で、パーソナルマネージャーとしても弟としても、hideさんを失ってようやく気付くものがあったと思うんです。裕士が人間として成長していく過程を丁寧に描きたいと思いました。

塚本:僕もhideちゃんの1ファンなので、I.N.A.さんやhide with Spread Beaverなど残された人たちの奮闘を、実際のファンの皆さんから「嘘だよね」と思われないように、まるでドキュメンタリーであるかのように描くことを心がけながらやっていましたね。

どんな球を投げても高史くんは受け止めてくれた(今井)

──同世代であり、共にhideさんファンのお2人ですが、共演の感想を聞かせてください。

塚本:僕たちが演じたのは“残された2人”。お互い役について考えてきたものをリスペクトし合いながら、演じることができたと感じました。「ああしよう、こうしよう」という具体的な会話はほとんどなかったです。I.N.A.なりに思っているもの、裕士なりに思っているものにはそれぞれ芯があって、そこに翼くんと僕の思いをのせて尊重し合いながら進めていけたんじゃないでしょうか。

今井:迷いや悩みを抱えている裕士を演じるにあたって、僕がどんな球を投げても高史くんがI.N.A.として受け止め、言葉をかけてくれたからこそ2人のシーンが成立したのだと思います。裕士とI.N.A.の間に絆が芽生えるのと同時に、僕と高史くんの間にも同志のような絆が芽生えたといっても過言ではないと思います。

ライブシーンのステージにいたのは、僕が好きだったhide with Spread Beaverそのもの(塚本)

──そんな撮影の中で、特に印象に残っているのはどのようなことですか?

今井:いくつもあるはずなのですが、思い出せなくて…。答えにはならないと思いますが、僕は裕士さんを演じるうえでこの作品を見てくださる、もしくは見ようかなと考えているhideさんファンの方々に対して、きちんとした心構えをもって努めたいという思いがあって。芝居のことは覚えていますけど、役柄的に自問自答したり、葛藤したりしていて余裕がまったくなかったので、どこで何があったかという記憶がほとんどないんです。

塚本:今日、久しぶりに翼くんと再会したんですけど、(取材場所だったユニバーサル ミュージック社内を)歩きながら「この廊下でも撮影したね」って声をかけたら、「いや、覚えてないんだよ」という言葉が返ってきて、それぐらい役に没頭していたんだなと。その翼くんがいたからこそ、I.N.A.と裕士として僕たちは撮影に臨めたのではないかなと思いました。

──ライブシーンには約1年半のリハーサルを費やしたそうですが、演奏を目の当たりにした感想や、どのような思いをもって撮影に臨んだのかを聞かせてください。

今井:ステージで演奏するhide with Spread Beaverの姿や完成したライブシーンの映像を見たときは、それぞれがhideさんに思いを馳せながら、一つになって音を奏でる姿がとてもカッコよく、バンドを超越した何かを感じました。

僕が実際に現場で見たものと映画として見たもの、アングルに違いはありましたが、温度差は微塵も感じませんでした。それこそみんなの結束力が生み出した凄みなのだと思いましたね。

塚本:リハーサルに約1年半をかけたというのは、コロナが世に現れ、撮影を延期せざるを得なかったと言ったほうが正しいかな。でも、僕としてはいい期間だったと思うんです。D.I.E.役のくぼゆうきくんは普段はお笑い芸人をやっているのですが、撮影までにキーボーディストとしての動きを研究したそうで、その成果が如実に表れていました。

僕がリハーサルに参加したのは1、2回でしたが、そこにいたのは僕が好きだったhide with Spread Beaverの姿そのものでした。「このときはI.N.A.ちゃん、こういうふうに動いていたよね」と言えるぐらい、みんなが当時の映像を繰り返し見ていて、僕としても「そう、よくわかってるじゃん」っていうような安心感があった。みんなでディスカッションを重ねながら、嘘のないライブシーンが完成したと実感しました。

お酒を呑みながらギターを弾いている時間が何よりも幸せ(塚本)

──裕士さんとI.N.A.さんにとってhideさんが唯一無二の存在であったように、お2人にとっての特別な存在について聞かせてください。

今井:両親、特に母ですね。僕は14歳でこの世界に入ったので、普通の家庭のように親子で過ごす時間に制約があって。そんな時間がなかったからこそ、大人になった今、一緒に出かけたときに母が喜んでくれることがうれしいし、ありきたりですが、生み育ててくれたことに感謝しています。

神奈川県の藤沢市から東京へ通う中学生の僕のことを母はとても心配していただろうし、個人的にもいろいろな心配をかけてしまいましたが、両親、母あっての自分なのだと40歳を過ぎた今、実感しています。

塚本:奇遇にも僕も14歳でこの世界に入ったんですよ。初めて出演した映画が「バトル・ロワイアル」で、そこで深作欣二監督と出会ったことが、40歳になるこの年齢まで役者を続けることができている理由なのかもしれません。

そこで感化されなければ、今、役者を続けてはいなかったと思う。目立ちたい、ちやほやされたいという思いだけで芸能界へと入った僕に、深作監督は「役者とは」みたいなものを指導してくださった。真面目にやらないと簡単に消えてしまう世界だと教えてくれた作品であり、監督だったので、大きなターニングポイントになりましたね。

──同世代であり、長くエンタメの世界で活躍するお2人ですが、共に作品をつくり上げた今、聞いてみたいことはありますか?

塚本:僕自身も翼くんのことを中学生のころから見ていたし、僕が年相応に日々を楽しんでいたとき、翼くんも遊びたかったんだろうなと思うのですが、40歳を超えた今、何をしているときが一番楽しいですか?

今井:当時、贅沢にも一流の方々と仕事をさせてもらい、仲間たちといるときは学校にはない第2の青春を過ごしているような感じだったんだよね。それはそれですごくいい思い出として残っているんだけど、数年前に活動を一時停止して、仕事から1年半ぐらい離れて過ごして…そのときに、変な意味ではなく“普通”って楽しいなって改めて感じたんです。

今は、ごはん屋さんで常連さんと仲良くなったり、電車に乗ることが原点回帰になったり、そんな当たり前のことが楽しいですね。

塚本:いいこと聞けた。

今井:僕からはそうだなぁ。役者として数々のキャリアを積み、外に出たら“塚本高史”と認識され、家に帰れば家庭があるけれども、1人の時間は何をしているんですか?

塚本:自分で演奏もしますし、好きな音楽を聴くなど音楽にふれている時間が多いです。特にギターを弾く時間。何かをコピーしたり、曲を作ったりするのも楽しいけど、自分で弾いた8小節や16小節をループさせてアドリブにするのが楽しいですね。

今井:リフってやつですね。

塚本:1人でお酒を呑みながら、2時間ぐらいギターを弾いている時間がすごく幸せです。

今井:やっぱりアーティストなんだね。

盟友との共演。これもhideさんに導かれたご縁だったのかも(今井)

──hide with Spread Beaverのドラマー・JOE役で川野直輝さんが出演していますが、今井さんとは20年以上ぶりの共演ですね。

今井:川野と僕は子どものころ一緒に活動していた同志で、これも不思議なエピソードなのですが、コロナ前の時期に共通の知り合いがきっかけで川野と再会して、一緒にごはんを食べたんです。

そして、呑みに行った先というのが、hideさんが生前通っていたバーで、2人でhideさんやX JAPANの曲を歌いました。

再会できた喜びもあったし、hideさんにまつわるエピソードがつまった場所で中学生のころに好きだった曲を、大人になった僕たちが再び一緒に歌っている。そんな2人がhideさんのことを描いた作品で共演することになったのは、何かに導かれてのことだと思うし、ご縁だと感じました。

今回のバンドメンバーは全員カッコいいんですけど、ドラムを叩いている川野の姿は特段カッコよかった。贔屓目なのかもしれませんが(笑)。

塚本:呑みに行った時、「TELL ME」で共演することは決まっていたんですか?

今井:いや、出演が決まるもっと前。この「TELL ME」にも音楽ライターとして1シーンだけ出演している北山雅康さんと僕が仲良くさせていただいていて…。

塚本:嫌味なライターね(笑)。

今井:そう(笑)。北山さんと川野が同じ事務所で、よく話題に出ていたんですよ。北山さんが「今度、川野くんも連れてくる」「僕も会いたい」と言って、再会したわけです。そんな3人がそろって「TELL ME」に出演しているのもご縁ですね。

──hideさんがめぐり合わせてくれた再会だったのかもしれませんね。「TELL ME」の公開を楽しみにしている皆さんには、どのような心構えで見てほしいですか?

塚本:hideちゃんファンにしてみたら、この作品を見たいという人がいる一方で、思い出したくないという人もいるかもしれない。だけど、エンタメの世界にいる僕たちからしたら、見てもらわないことにはしょうがないんですよね。どうお伝えしたらいいのか、難しいですね…。

もし、迷っているのなら、とりあえず見て賛否両論でいいんじゃないでしょうか。僕は子どものころ夢中になった永遠のロックスターが亡くなって抱えていた思いに、初号を見た後は一つの区切りがついたような感じがしたんです。劇中、「hideの死を食い物にするな」とか「hideに謝れ」という批判が殺到する場面が登場しますが、そういった方たちにも納得していただけるようなものを感じました。だから、「まずは見てください」という感じかな。

今井:出演者もスタッフの皆さんも誠心誠意、hideさんに対して敬意をもって臨んだ作品です。高史くんが言うように賛否両論あるかもしれないけど、みんな「hideさんに見てもらいたい」と強く思いながらやってきた。僕は完成したものを見たとき、劇中でレコード会社の社長が「hideの魂がここにある」と呟いたように、hideさんの存在を近くに感じたんです。

現在、コロナ禍で生活が変化する中、それぞれにつらい毎日を送っている。残された人たちが、hideさんの遺した思いを絶対に形にするんだと強い意志をもって突き進んだ姿を見て、ちょっとでもいいからプラスな気持ちになっていただけたらうれしいですね。hideさんの魂を感じながら、音楽も楽しんでいただきたいです。

撮影:河井彩美
スタイリスト:渡邊奈央(今井翼)、上井大輔(塚本高史)
ヘアメイク:中谷圭子(AVGVST/今井翼)、YASU(塚本高史)

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