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来年で創刊75年!伝統を紡ぐ「モーターサイクリスト」が届けたいバイクの楽しみ方

MOTOINFO

2026年に創刊75周年を迎える総合二輪誌『モーターサイクリスト』は、時代に合わせて形態を変えつつも、正しくも独自性の高いバイク情報をいち早く取り扱っています。現在はウェブ版情報サイト『モーサイ』と併用する形で、信頼性の高い記事を発信し続けています。総合誌『モーターサイクリスト』とウェブマガジン『モーサイ』の両方を預かる編集長の太田力也氏(以下、太田氏)に、『モーターサイクリスト』がこれからどんな発信をしていくのか、どのような理想系を思い描いているのか、についてお伺いしました。

太田 力也 氏

1978年2月2日生まれ。


大学卒業後、2001年に知り合いの勧めでアルバイトとして八重洲出版社に入社。『モーターサイクリスト』編集部員を8年務めた後、2009年に四輪専門誌『ドライバー』編集部に異動、4年後(2013年)に同誌の編集長に就任。その後、2021年1月に『モーターサイクリスト』の編集長に就任。現在は『モーターサイクリスト』と『モーサイ』を統括している。

モーターサイクリストのこれまで

来年、創刊75周年を迎える『モーターサイクリスト』と、運用開始から7年目を迎えるウェブメディア『モーサイ』についてお聞かせください。

「『モーターサイクリスト』は1951(昭和26)年12月に創刊した二輪総合誌になります。創刊した戦後まもないこの頃の主だったモビリティは3輪自動車や小型自動車で、バイクが趣味の乗り物として一般の人々に行き渡り出したことから、『バイクを愛する人たちに向けてバイクの情報を届けていこう』と創刊されました。


タイトルはそのままに、『モーターサイクリスト』も時代の流れとともに姿を変えてきました。1978年には、旧車や輸入車を取り扱う趣味性の高い『別冊モーターサイクリスト』が創刊されて2誌体制となりました」

「私が八重洲出版に入社したのが2001年で、ちょうどそのときに『モーターサイクリスト』が『モーターサイクリスト Run PLUS(ランプラス)』へとタイトルと変え、一般情報誌の雰囲気を取り入れた紙面となりました。その後、再び『モーターサイクリスト』となり、2015年には『別冊モーターサイクリスト』が休刊。別冊の人気連載企画を『モーターサイクリスト』に取り入れるなどしながら、2020年からは現在のA4正寸版となりました。


ウェブの『モーサイ』がスタートしたのは2018年で、紙媒体よりも速報性が高く、バイクにまだ興味が持てていない人たちにもバイクの情報を届けるのに向いていることから始めました。それまでのブログのような形から、現在のウェブメディアとしてのスタイルへとこちらも変化していきました。


運営体制も基本的には分けていて、一部雑誌からの記事転載もありますが、本誌とは異なる『モーサイ』オリジナルのコンテンツを配信しています」

紙媒体を続ける意義、想い

1951年の創刊号の復刻版(左)、1968年7月号(中央)、2004年7月号(右)と、時代に合わせて形を変えてきた『モーターサイクリスト』

『モーサイ』の他にもバイクのウェブメディアは多数存在し、今やウェブが情報発信の中心地となっています。そんなご時世において紙媒体を手がけ続けるのには、どういった想いがあるのでしょうか。

「ウェブはユーザーが用いるデバイスによって見え方が変わりますが、紙媒体は形がひとつです。つまり、作り手の意図がそのまま読者に伝わるのが大きな魅力だと思います。“物を手にしたい”という気持ちは人々の中にまだあると思っていて、贔屓を応援する推し活でも、アクリルスタンドや写真、ポスターといったグッズを集めますよね。多くの人が、手にすることができるリアルな物を求めていると思うんです。デジタルではできないリアルなバイク情報を届けたい、手にして実感して欲しい、その想いから紙媒体を続けています。


書店で『モーターサイクリスト』を手に取って、買ってもらう。そうした人たちが増えていくには、『モーターサイクリスト』のことをもっと好きになってもらわなければなりません。そのために私たちは新しいことに取り組み、変化を受け入れ、挑戦していこうと常々考えています」

「紙媒体って、例えば特集記事を目的に購入してくれた人にも、他のページに載っている予期しない情報と接する機会を作れるじゃないですか。そこからバイクの楽しみ方がさらに広がっていきますよね。新しい出会いをサポートできるのも紙媒体の魅力だと思うんです。


私たちは数多くのバイクメーカーや企業と密な関係を持てているので、メディアとして最新情報をいち早く、そして正しく伝えられるという強みがあります。何かの機会に『モーターサイクリスト』に少しでも興味を持ってもらえたら、今楽しんでいるバイクの世界がもっと楽しいものとなりますよ」

これから取り組む新しい試み

紙媒体とウェブ、それぞれの特性を活かした情報発信をしている『モーターサイクリスト』が新たな取り組みを考えているとお聞きしました。

「それぞれ独自に動いている『モーターサイクリスト』と『モーサイ』に整合性を持たせたいと考えています。ターゲットも特性も違う媒体ですが、『モーターサイクリスト』というブランドで統一し、紙媒体・ウェブ・動画・SNSなどのコンテンツに一本筋を通したいのです。


その筋というのは、すべてのユーザーに寄り添ったバイク仲間のような存在であり、長い歴史に裏打ちされた信頼性のあるコンテンツを手がける『モーターサイクリスト』であることです。今後はどの媒体から発信する際でも統一感を持たせていきたいと思っています」

『モーターサイクリスト』では、太田編集長が読者とツーリングに行く連載企画『MCツーリング部』という新しい試みにも挑戦されていますね。

「読者の声を直に聞きたい、読者のバイクを実際に見てみたいという思いから始めました。一緒にツーリングして、昼食をともにする中で率直な意見を聞けるので、いろいろと得るものが多い企画ですね。『モーターサイクリスト』編集部と一緒に走ることを楽しんでくれる人もいて、そういう気持ちに触れられるだけで嬉しくなっちゃいます。東京モーターサイクルショーでは『編集長・太田と練り歩き会』という企画をやりました。


この企画は参加者だけでなく、『モーターサイクリスト』の読者に向けてもいるんです。この記事を読んで『面白いことをやっているな』『次は参加してみようかな』と思ってもらって、企画にも本にも興味を持ってもらいたいんです。今後も続けていきたいですね」

『モーターサイクリスト』が伝えたいこと

『モーターサイクリスト』が世のライダーに伝えたいことをお聞かせください。

「『モーターサイクリスト』と『モーサイ』どちらも同様のスタンスなのですが、読者の方々に楽しいバイクライフを送っていただきたい一心でコンテンツを作っています。注目車両の解説記事が良いバイク選びの手助けになったり、ツーリングやライディングを快適にしてくれるグッズ紹介記事が楽しさを広げられたりして、末長くバイクに乗り続けてもらいたいんですよね。


バイクを手に入れても楽しみ方が分からなかったり、バイクに乗ることが辛くなって手放してしまう、そんな話を聞くことが多々あります。昨今ではSNSなどでの接点が増えてはいるものの、困っているときに相談できる人がいない、良いアドバイスをもらう機会がない人がいるようです。そんなときに『モーターサイクリスト』が手助けになる存在でありたいんです。困ったことがあったら、『モーターサイクリスト&モーサイ』のSNSからコメントください、必ず答えます」

ライダーに寄り添える存在でいたい

バイクライフの中でも気軽で自由に楽しめるツーリング情報を創刊初期から発信し続けている『モーターサイクリスト』。ウェブメディア『モーサイ』とともに運用されるようになった中でも、ツーリング情報を手厚く取り扱うスタンスは変えておらず、裾野を広げようとする『モーターサイクリスト』の基本スタンスにも繋がっています。デジタルコンテンツが主流となっている現代でも紙媒体の価値を伝え続ける『モーターサイクリスト』のこれからに注目です。


モーターサイクリスト

出版社:八重洲出版
発売日:毎月1日
サイズ:A4変形
販売価格:[紙版]1,320円 [デジタル版]860円


バイクライフを今より深く楽しみたいライダーに向けた月刊バイク総合誌です。ツーリングを主体に、新車や新製品のテスト記事、ライテク、メンテ、イベントなど、バイクの「楽しさ」を提案します。ツーリング記事は、定番のルート&スポット、グルメ、絶景のほか、バイクだから楽しめる穴場スポットなども紹介。読んだら走りに行きたくなる記事が満載です!


お問い合わせ先:モーターサイクリスト公式サイト - 八重洲出版 、モーサイ

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