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石鹸にナイフ1本で繊細なモチーフを彫刻 美しいソープカービング

おたくま経済新聞

三由さんのソープカービング作品(三由さん提供)

 石鹸を素材に、ナイフ1本で様々な装飾を彫っていく「ソープカービング」をご存知でしょうか。花や動物、レースといった細やかなモチーフが彫り込まれた作品は、これが石鹸であることを忘れるほど。

 ナイフ1本を手にし、石鹸を美しく生まれ変わらせる三由(みよし)さんの作品をご紹介します。

 ソープカービングは、ナイフ1本で果物などに細かな彫刻を施す、タイのフルーツカービング(タイカービング)技術を応用して、石鹸に細やかなモチーフを彫り込む技法。三由さんはインターネットを通じてソープカービングに魅せられ、専門のレッスンに通い始めたといいます。

 素材の石鹸は専用のものを使いますが、成分自体は特別なものではなく、普通に手や顔、体を洗える石鹸です。彫刻がしやすいよう、模様や文字のない無垢な地肌のものが使われます。

 三由さんに、紫陽花をモチーフにした作品ができるまでを見せてもらいました。表面真ん中に「R」のイニシャルを配置したデザインです。

 中心に文字を配置する関係で、イニシャル周辺については定規で計測して直接石鹸に線をひき、それに合わせてナイフを入れているとのこと。周囲の花の部分は下絵などを用意せず「1つ彫ったらその隣にまた1つ彫って重ねて……をひたすら繰り返して完成させました」と三由さん。

 ぐるりと石鹸の外周に沿って花を彫っていきますが、ズレすぎないようまっすぐに、そして一定の大きさに合わせて彫り続けるのは修練が必要そうです。全体が完成するまでに4日間、時間にすると10時間ほどを要したのだとか。

 石鹸にとって乾燥は大敵。乾燥してしまうと表面のヒビ割れなどが起こり、せっかく彫った作品が壊れてしまいます。なので制作では石鹸が乾燥しないよう、作業しない時は袋に入れて密封保存するなど対策をしながら、時間を掛けすぎないことを心掛けているんだとか。「もう少し手早く彫れるようになりたいです」と三由さんは語ってくれました。

 お好きなモチーフについてうかがうと「タイカービングでよく登場するバラは私も大好きです。バラにはいろいろな彫り方があり、まだまだ勉強中です」とのお答えをいただきました。

 三由さんはソープカービングの技法を用いてキャンドルを彫る、キャンドルカービングも手がけています。自然界では実現しない鮮やかな青いバラも、キャンドルカービングでは美しく咲いてくれます。

 また、最近では動物を取り入れた模様にも挑戦しているとのことで、上下2層の色違いになったキャンドルを素材にした作品も見せていただきました。「リボンやビーズを付けると、作品を飾る楽しみも広がっていいなと思います」

 作品作りにあたっては「基礎を大切に、楽しんで彫ることを心がけています」という三由さん。「難しいデザインにチャレンジする時は心が折れそうになりますが、練習を繰り返して綺麗に彫れた時は本当に嬉しいので、今後も努力を続けていきたいと思います」と話します。

 贈り物で制作する時には、季節感を意識したり、贈る相手の好きな色やモチーフを取り入れたりして、少しでも心和むようにと願って彫っているそうですが、このような素敵な作品を贈られると嬉しいでしょうね。もちろん普通の石鹸のように使えるのですけれど、大事にしまってクローゼットの香り付けなどにするのも良さそうです。

<記事化協力>
三由さん(@344carving)

(咲村珠樹)

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