第36回「自分にできる”お助け”を考えてみる」
「私たちの未来は、私たちで作る!」
あなたの「困りごと」、「モヤモヤ」、「お悩み」、もしくは、「変えていきたい社会の課題」などを通して、みんなで一緒に「これから」を考えていく番組。
今回も、リスナーの方からいただいたメッセージに、スタジオの3人がこたえました。
ここ数年、「なにか地域に関わり、お手伝いができないか」を考えています。
10月から、市が主催する「学習支援人材養成講座」を受講し始めました。学習支援とは、さまざまな困難を抱えている子どもに居場所や学習機会を提供する支援です。とても大切な取り組みだと思います。受講後には、少しでもその活動に携わりたいと考えています。
仕事や家族以外の人たちと関わることをとても楽しみにしています。
小泉:お勉強が好きだけど塾はお金がかかって行けない、っていう学生さんや子どもたちもいるだろうし。これで1人の若者、子どもの人生を変えられるかもしれないじゃない。
大石:そうですね。
小泉:そういうロマンとか、夢もありますよね。
大石:勉強する側も主体的だし、教える側の人も愛があっていいですよね。
小泉:先生とも、親とも違う「おもしろい大人の人」、みたいな存在になれたらいいですよね。
上村:地域の中で学習の支援をする大人たちの存在、需要が高まっているそうです。いろいろな形態がありますが、民間によって運営される「自主夜間中学」というものもあります。正式な学校ではないので、中学の卒業資格は得られませんが、年齢や国籍に関係なく「学びたい」という人に寄り添った学びを市民がボランティアで行っています。
小泉:素敵。
上村:例えば、栃木県小山市で開かれているのが「おやま自主夜間中学」。こちらを運営されている結城史隆さんにお話を伺ったところ「本当にたくさんの国籍の方が学びに来ていて、同じ国の方でも抱えている課題は一人一人違うことを知れたのは大きな発見」だとおっしゃっていました。
小泉:中学の資格は取れないかもしれないけど、そんなことより学びたい。学ぶって、本当はすごく楽しいことじゃないですか。それを学ぶべき時に逃してしまった、事情によって、という方は結構いらっしゃると思いますよね。昔だとご高齢の方が戦争とかで学校に行けなくて夜間中学に行くみたいな。それこそ山田洋次監督の『学校』という映画がありましたけど。今も同じように、事情ってあるだろうからね。
大石:物価も高くなっているから、学ぼうと思ってもお金もかかるものもあるだろうから、ボランティアっていうのがね。
小泉:教える人にとっても、喜んでもらえることでフィードバックがあって循環しているというか。希望が循環する感じっていうのはいいですね。
上村:海外の方にとっても、日本語を学びたいけれど、そのためのお金がなかったり、コミュニケーションを取りたいけど「どこに行ったらいいんだろう」って探す手段もわからない方もいるかもしれないので。
小泉:あと、そこに通っている中でコミュニティができてお友達が増えたりとか、世界が広がるっていうのはご高齢の方や外国人の方でもありそうな気がします。
大石:孤立しなさそう。
小泉:「地域のために何かをしたい」っていうメッセージだったけど、学びや学校じゃなくても、子ども食堂とかもそういう感じですよね。
上村:子ども食堂とは、子どもが一人でも行ける無料または低額の食堂のことです。実は歴史が浅いそうで、2012年に東京・大田区で誕生してから10年ほどで一気に全国へ広がりました。民間による自主的な取り組みだけに、目的も頻度も多種多様です。
ちなみに、渋谷区の場合は「こどもテーブル」という名前で広がっています。「テーブルさえあればできる活動ならなんでもアリにしたい」という考えから言葉をアップデートしたそうです。
小泉:とてもいいですね。こういうことがすごくいいのって、大人たちが、子どもたちの顔を知ることで守ってあげられる場面が増えるかもしれないなと思います。声をかけてあげるとか、いろいろなことで、危ない目に遭うところを助けてあげられるかもしれない。顔見知りが増えるほどそういうのってあるじゃないですか。
でも、これって民間でやるしかないんですかね。
上村:そうですね。
小泉:夏頃に撮影していたドラマ『団地のふたり』もできることを団地の中でやる、っていうので「そういう世界観、いいな」「団地に住みたいな」っていう方が結構いたみたいですけど。
上村:「私もお助け女子になりたい!」という方、たくさんいたみたいですね。
小泉:そのドラマがですね、なんと、2024年10月度のギャラクシー賞月間賞を受賞いたしました。
上村:おめでとうございます!
大石:すごいですよね。
小泉:近々、アンコール放送もあると聞いているので楽しみにしていてください。
大石:うちの会社もね、「団地を〇〇年までに作る」っていう目標を掲げましたよ。
小泉:住みたい!
認定NPO法人キッズドア
冬休み緊急食糧支援
お悩みから視点を広げて、こんな話題も紹介しました。
上村:これから年末年始を迎えるわけですが、困難に直面している家庭がたくさん存在します。そういったご家庭に12月中にお米をはじめ、食料品が詰まった箱を届けて支援する取り組みが「冬休み緊急食糧支援」です。認定NPO法人キッズドア、理事長の渡辺由美子さんにお話を伺っています。
日本は非常に同質性を求める国なので、見た目では全くわからないんですけども、「食べるものにも困っている」というご家庭はとても多いです。
私たちが食品をお届けする時に、段ボールの箱に「よければここに感想を書いてください」というハガキを1枚入れるんです。例えば、一番大変なものだと、「お米がなくなって、明日、食べるものもどうしようと。こんなに苦しいんだったら、ちょっと、死も頭をよぎります」みたいな方が「そういう時に食品が届いて、見ず知らずの人が想ってくれているんだったらもうちょっと頑張ろう」と。
そういう方々がいらっしゃるということを、みなさまも、少し心を寄せていただけるととてもありがたいと思います。
小泉:インターネットで「キッズドア」と入れるとサイトが出てきて「冬休み緊急食糧支援」というのがすぐに出てきました。簡単に手続きができそうなので、気になった方はぜひ覗いてみてほしいです。お子さんやシングルマザー、ファザーの方も本当に苦しいでしょう。若くて、一人で生きている子も多いんだろうね。
大石:そうですね。
小泉:それも切ないな、と思います。
上村:前身番組の「スナックSDGs」の時に渡辺さんがゲストで来てくださったんですけど、冬休みで学校もない、給食もない、夏場のクーラー代よりも冬場の暖房代の方が高かったりするので、より緊急性が高いって言ってましたね。
小泉:なるほどね。なんかね、本当に声を掛け合いたい感じがしますよね。
大石:僕らも、電気代の支援くらいはできるから。
小泉:そうだね。
上村:あと、渡辺さんが夏にX(旧Twitter)で呼びかけていたんですけど、「食糧支援の内容をどう充実させていっていいか、手探りなのでアドバイスがあればなんでも言ってください」と。お金で支援するのが難しいという方は、アドバイスやツテがあったりしたら、みんなで一緒に考えてほしいなって思います。
小泉:私もホームページとかを見て、どう関われるかを。私なんかは姪や甥が年齢的にはおじさん、おばさんなんですよ。だからその子たちの子どもにお年玉とかをあげるんですけど、まだ姪や甥が子どもだと思って、その人たちの分くらいを寄付できたらなと。お年玉として。そんなふうに思ってみました。
上村:この季節ならではのアクションも、一つご紹介させてください。「ブックサンタ」です。あなたが選んだ本をサンタクロースが子どもたちに届けてくれる、というアクションです。NPO法人チャリティサンタが呼びかけています。本屋さんで自分で選んで、新品の本をクリスマスのプレゼントにできます。オンライン書店で注文を完結することも可能です。
小泉:お年玉の前に、クリスマスプレゼントがありましたね。素敵ですね。
上村:きょんさん、この時期にどんな本を贈りたいですか?
小泉:王道ですけど『小公女』、『レ・ミゼラブル』とかいいですよね。
上村:『マッチ売りの少女』とかもこの時期いいですよね。私は子どもの時にハリー・ポッターの本を読んで育ったので、誰かにプレゼントしたいな。
(TBSラジオ『サステバ』より抜粋)