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あなたの近くにも?アライグマの被害急増中!油断するとまたすぐ増える…カギは対策の“継続”

Sitakke

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皮が剥ぎ取られ、実がかじられたスイートコーン。

大きな穴が開き、中身がくりぬかれたカボチャ。

これらは特定外来生物に指定されているアライグマの仕業です。
もともと日本にはいなかったアライグマがここ数年で急増し、いま大きな問題となっています。

なぜ、アライグマは増え続けるのか?捕獲が追い付かない現状を、取材しました。

北海道長沼町の農家、江崎さんは、スイートコーンの農業被害が目立ち始めた6年前から、アライグマの捕獲に乗り出しました。

最初は1つだった“箱わな”も現在は6つに増やしています。
おととしは15頭、去年も15頭捕獲しましたが、ことしはすでに18頭…
「これだけ捕獲しているのに減っていない」と実感しています。

北海道全域のアライグマの捕獲数は年々増加し、2022年には2万6425頭と過去最多を記録しています。

道内の生息地域も1995年にはわずか24市町村だったのが、この30年でほぼ北海道全域に広がっています。

アライグマによる農産物の被害額は年間で「億単位」。

「それが毎年、倍、倍、倍…となっていくとしたら、本当に恐怖」と江崎さんは話します。

その繁殖力から、根絶するのは難しいとされるアライグマ。
北海道大学大学院文学研究院の上野真由美准教授は、増え続けるアライグマを捕獲するには“適している時期”があると話します。

農家だけじゃなく一体で対策を

上野真由美准教授によると、3月から6月がアライグマを捕獲しやすい時期だといいます。

「雪どけをし始めた時期ということで、山野にそれほど食べ物がないことと、農作物も実ってないということで、“わな”内のエサが魅力的に感じるのではないか」

アライグマの農業被害を防ぐには、農家だけではなく、自治体や住民を巻き込んだ駆除の取り組みが必要だと、上野准教授は指摘します。
個体数を減らすことが難しいとされるアライグマですが、駆除に一定の成果をみせているマチもあります。

北海道空知地方の新十津川町では、農業被害が増えていたことを踏まえて、北海道の研究機関にアライグマ駆除対策について相談。

それまで20基程度だった“箱わな”の数を150基ほどに増やし、被害の出ている農家に貸し出したほか、さまざまな対策を強化。

アライグマ1頭を捕獲するごとに捕獲した人に町がお金を払う「捕獲報奨金」制度も導入しました。

また、箱わなを設置した時に生息数を調べるために日記をつけるなどして、今後、どれくらいの頭数を年間捕獲していけば、アライグマが根絶に向かっていくかを分析しました。

3年間、アライグマ対策を強化した結果、特定の区域内に存在する生物の個体数を表す“生息密度”が、超高密度を示す【5.3】から、低密度である【0.6】まで下がりました。

地道に地元の捕獲体制を強化したことが実を結んだこの結果に、専門家の上野準教授も「素晴らしい取り組み」と太鼓判を押します。


「もう大丈夫だろう」で再び

北海道大学大学院の上野真由美准教授の話にもあったように、新十津川町では、何か奇抜な得策があったわけではなく、地道に捕獲体制を強化していったことが、農業被害の減少につながりました。

新十津川町では、2019年度から3年間の取り組み強化で、農業被害は確実に減少しましたが、実は、2023年度から、再び“農業被害”額が急増しています。

これは、アライグマによる農業被害が低下したことで、農家の皆さんの「もう大丈夫だろう…」という判断もあって、“箱わな”を仕掛けなくなったことから、再び被害が急増する事態となっているのだそう…。

上野准教授が指摘するのは、取り組み強化で生息密度の低下は実現したものの、今度は、その状況を維持することの難しさです。

捕獲の手を緩めれば、また増えるのがアライグマ…。
どうやって駆除体制を続けていくのかが、新たな課題です。

環境省の試算によると、10頭のアライグマが放置された場合、10年後には500頭となり、20年後には2万5000頭を超えるほどまでに増えるとされています。

被害は北海道全域に広がりつつあります。効果のある早急な対策が必要です。

文:HBC報道部
編集:Sitakke編集部あい

※掲載の内容は「今日ドキッ!」放送時(2024年6月17日)の情報に基づきます。

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