「格闘探偵団で本物の“バチバチ”を見せたい!」10/23『格闘探偵団2』を前に阿部史典が思いを語る
『格闘探偵団2~新宿より愛をこめて~』が10月23日(水)、新宿FACE (東京都)で開催される。今回インタビューに応じてくれた阿部史典は、バトラーツルールで石川雄規とタッグを組み、野村卓矢&村上和成組と対戦する。
今年も開催される『格闘探偵団』。『格闘探偵団2~新宿より愛をこめて~』のメインに登場する阿部史典は、野村卓矢とシングルマッチを行い勝利した昨年の試合を振り返りながら「やり切った」と充実感を漂わせる一方で、今大会に向けては燃え尽き症候群になるどころかさらに気合い十分。「バチバチ」継承へ、自身の思いを存分に示した。
ー去年の「格闘探偵団」興行を終えて、ご自身の中ではどのような気持ちになりましたか。
阿部:やり終わった瞬間としばらく経ってからがちょっと違うんですけれど、やり終わった瞬間は、「あ、もうこれで終わろうかな」って思いました。こんな素敵なことないな、と。
ーやりたいことがやれた、と思えたんですね。
阿部:やり切っちゃったなって思ったので。プロレスを小6くらいから好きで、中学高校くらいにバトラーツを知って、澤宗紀さんを見て面白いなと思って。自分の人生の大半をそう思って生きてるわけじゃないですか。29歳になってそれを存分にひけらかした興行をやって面白いと思ってくれる人が来て、終わってマジ超面白かったって言われたら、人生をちょっと肯定してもらえたような気持ちになった。
ーそれだけの気持ちになれたのが、もう一回やろうと思えるようになったのはなぜですか?
阿部:ここ1、2年のことなんですけれど、自分の感覚をプロレスに落とし込めるようになったんですよ。野村さん以外の人とやっても自己完結できるようになった。これって相手が必要なもので、野村さんみたいな存在はご褒美なわけで。でもここ最近はそうじゃない選手とやってもそういう風な姿を見せてきたら、自分でそういう感覚を出せるようになって、ストレスが減ったんです。
ー今までは野村卓矢選手相手じゃないとマックスでできなかったことが、野村選手以外の相手でも自分を高めることができるようになったと。
阿部:限りなく近いところまでは言えないですけれど、これぐらいならバチバチっぽいな、という風にできていると思います。だからみんな勘違いしてる。
ー勘違いってどういうことですか。
阿部:バチバチできた、みたいな。嬉しいんですよ、布教できているということなので。俺も内心は思ってます、お前らやってるのは全然違うぞとは思ってますけれど、それを公に言うほどの自信はない。
ーではそれらしいことがみんな出来るようになった中で、やはりもう1回ちゃんとした格闘探偵団をやろうと思ったんですね。
阿部:本物をやっておきたいです。お前ら勘違いするなよ、みたいな。ただ僕が今やっていることが本物かっていうとわからないですけど、僕はもうそれを僕自身しか知らないので、今僕がやっている最前線のことが本物だと思ってやってるんですよ。例えばデスマッチと言えば葛西純、竹田誠志だよねみたいに、バチバチは格闘探偵団なんでしょ、というジャンルになることが目標になった。
ーなるほど、バチバチをプロレスのひとつのジャンルにしたいんですね。
阿部:バチバチって漠然とした言葉なので、難しいんですけどね。若手同士が殴り合ったらバチバチだし。プロレスっていろいろなものがあるんだよっていう中の、ひとつのジャンルとして面白いものができたのかなとは思います。
ーではそういう、阿部選手や野村選手でこのバチバチを知った人たちには、石川雄規選手や本家のバトラーツまでちゃんと知って欲しいと思いますか。
阿部:ルーツは大切にして欲しいとは思うんですけど、別にこれを見ろとか、この人になれとかは別に思わないですよ。だって僕が偶然澤さんを見たのと同じで、その人たちからしたら偶然僕らを見たわけだから。自分が面白いと思うものを見てくれたら、僕らもスピリットをちゃんと大切に持ちつつどんどん進化していくと思うので。今の時代にあった流れでやらないと広まらないと思うんですよね。僕はいつも今のプロレスが一番面白いと思ってます。
ー今回の阿部&石川vs野村&村上というメインのカードについてはいかがでしょうか。
阿部:これは村上さんと石川さんっていう絡みが大好きで、たぶん野村も好きだと思うんです。石川vs村上を見て欲しい。俺らも魔法がかかっちゃうので。あの2人がやったらやべえな、もっとやべえことやらなきゃって思っちゃう、そんな魔法に自分もかかっちゃいたい。
ーやはり石川vs村上は特別なんですね。
阿部:もうそんなに何を見ても驚かなくなってますよ。ちょっと一歩離れたところから、もっとこうやったら面白いんじゃないかなって思っちゃう。でも石川さん村上さんっていう、俺たちのアイドルが目の前で凄いことやってたら、なんか子供に戻れそうじゃないですか。
ー同じリングに立つことに恐れはないですか。
阿部:たぶんないです。だって僕らは最前線ですから。それだけの自信はあるし、そこを危惧してはいないです。見に来てくれる人が喜んでくれたら。
ー石川さんと初めてリング上で闘う野村選手に関してはいかがですか。
阿部:石川さんはすごく入り込みやすいタイプなので、1のことを言ったつもりが自分で30くらいの物語を作ってしまう。野村さんのことを自分の分身みたいに思ってると思うんですよ。
ー野村さんもそういうタイプですか?
阿部:野村さんも練習が好きだし、真面目なんです。勉強するんですよ、勉強、かわいいじゃないですか。野村さんは伝統を大切にする人なので、石川さんからしたらすごくかわいいんだと思います。
ー他のカードも思いがこもっていますね。
日高郁人vs藤田ミノルをここでやれるとは。結果的にいま、あんなに強くなっているとは思わなかったです。2人でいまシングルのベルト4つ巻いてるんですよ(9月末現在)。それぞれシングル2冠で、ベテランでもう1回ピークになろうとしていて、それが2人同時に今来てる。
2人ともすかしながら努力をし続けた人で、それがフラットな場所で戦ってもらえる。2人ともバトラーツに思い出があって、ゆかりのある場所を提供できたというのは、ちょっと恩返しできたかなという気持ちもあります。しかもお客さんもバトラーツからの歴史を全部知ってくれている人たちですからね。
ー元々バトラーツの道場で若手時代に一緒に練習して、それからタッグを組んで、というのが日高vs藤田の歴史ですからね。
阿部:竹田誠志選手もそうですけれど、この業界に入ってから影響を受けたりお世話になった人が多すぎて、でもそんな人たちのルーツがここにあるんだよっていうのを見せたいんです。一番うまくて面白い人たちのルーツって、みんなここにあるんだぞっていうのを。
ー最後に、『格闘探偵団2~新宿より愛を込めて~』への意気込みをお願いします。
阿部:来てくれたらお客さんに見たことのない、味わったことのない感覚、興奮を感じてもらえたら嬉しいです。 そして純度100%のバチバチを見て虜になってもらえたら最高です。 あまり深いことを考えずに目の前で人と人が殴り合って、蹴り合って、極め合う姿を、そして音を感じてもらえたら。 大の大人達の全力の喧嘩をどうぞお楽しみくださいませ!
インタビュアー:三田佐代子
■『格闘探偵団2~新宿より愛をこめて~』対戦カード
【最終試合】
株式会社篠原電気工業presents
バトラーツルール
タッグマッチ30分1本勝負
阿部史典&石川雄規
VS
野村卓矢&村上和成
【第4試合】
株式会社カンシアpresents
バトラーツルール
シングルマッチ30分1本勝負
日高郁人
VS
藤田ミノル
【第3試合】
バトラーツルール
シングルマッチ30分1本勝負
竹田誠志
VS
拳剛
【第2試合】
バトラーツルール
タッグマッチ30分1本勝負
"brother"YASSHI&町田光
VS
タノムサク鳥羽&原学
【第1試合】
新太平洋運輸株式会社presents
バトラーツルール
シングルマッチ30分1本勝負
佐藤光留
VS
佐藤孝亮