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2歳息子の多動が止まらない!外出はハーネス着用、横目で走るのは発達障害?病院に行くと

LITALICO発達ナビ

2歳息子の多動が止まらない!外出はハーネス着用、横目で走るのは発達障害?病院に行くと

監修:鈴木直光

筑波こどものこころクリニック院長

呼んでも振り向きもせず、手を繋ぐのも拒否してひたすら歩き回る息子

わが家の息子ねこ太は現在小学校2年生。ADHD(注意欠如多動症)グレーゾーンで特別支援学級に在籍しています。ねこ太は運動発達に遅れがあり、2歳3ヶ月でようやく歩けるようになりホッとしていましたが、歩けるようになったとたんに息子の歩みが止まらなくなりました。

外に出かけると一度も立ち止まることなくひたすら歩きまわるのです。景色なんて全く見ず、呼んでも振り返らないし止まらない。ベンチに座って休憩したりレジャーシートを敷いてお昼ご飯を食べることは不可能で、とにかくずーーーっと歩いていました。

手を繋ぐと嫌がって振り払われるので、安全な場所では手を繋がずに歩かせていました。そのうち疲れて止まるだろうと思っていたのですが、全く疲れる気配なく歩き回り、大人の方が疲れてクタクタになるくらいでした。

あまりにも周囲を見ず動き回る息子に違和感を感じ、療育の先生に相談してみたけれど…

あまりにも歩き回って止まらないことに少し違和感を感じたので療育の先生に相談したところ「ようやく歩けるようになって嬉しくて動きたくてたまらないんだと思いますよ」とのこと。

「なるほど、動きたくてたまらないだけなのね」と納得したのですが、数ヶ月経っても動きは収まるどころかエスカレートしていき、ねこ太を連れている時にATMでお金をおろしたりレジでお会計するのが大変になってきました。
ATMではねこ太を股に挟んで動きを封じその間に操作をするしかないくらい、とにかく1秒も大人しくしていてもらえなくて大変でした。

ハーネスをつけて外出すると周りから白い目で見られ

日に日に歩く力がついて公共の場でも全くじっとしていることができないねこ太に困った私は、子ども用のハーネスを使ってみることにしました。

ある日郵便局の窓口で小包を発送する時にどこかに行ってしまわないようにねこ太にハーネスをつけていたのですが……走りたがって泣くねこ太をハーネスで引っ張った時にふと周囲を見ると、周りがハーネスを見て引いていることに気づきました。

ハーネスはだいぶ一般的になったとは言え、泣いて嫌がる子どもに着けていると見た目は決して良いものではなく、子どもの動きを制限しているように見えたのかもしれません。とても便利なアイテムなのですが使うことに後ろめたさを感じるようになってしまいました。

独特の動きをするようになってきた息子

歩けるようになって半年ほどたった頃から、ねこ太は木の周りをグルグル歩くのにハマり始めました。大きめの木の周りを飽きることなくずーっとグルグル歩いているのです。

そしてこの頃あることに気づきました。木やフェンスを横目で見ながら走っているのです。それは独特の目つきで、黒目を寄せられるだけ端に寄せて物を見るのです。顔や体は進行方向を向いたまま、横目で木を見てグルグル走っていました。

独特すぎる動きに「あぁ、これは絶対なにかある」と確信した私は、この行動についてインターネットで検索しました。
すると【横目はASD(自閉スペクトラム症)によく見られる行動】という記事が……。私は「あぁ、やはりねこ太は発達障害なんだろうな」と思いました。

てっきり診断を受けるのかと思いきや

ねこ太のこの行動を医師に相談したところ、「歩けるようになったばかりなので、少し様子を見ましょう」と言われました。私はてっきりASD(自閉スペクトラム症)の診断を受けると思っていたので診断名がつかないことに戸惑いましたが、医師に言われたとおりにねこ太の様子を見ていると、3歳を過ぎたあたりから徐々に多動が落ち着いてきて、ひたすら歩いて行ってしまうことが減り横目も全くしなくなりました。

3歳半になる頃にはベンチに座って休憩したり、お花を愛でたりできるようになったのです。ねこ太を連れているとレジでお会計をするのも苦戦するほどの多動だったので急な変化に驚きました。

一連の行動が落ち着いたことで結局診断は受けないまま。短期間だったとは言え、かなり特徴的な行動をしていたので診断名がつかなかったことは不思議なのですが、発達障害の診断はそれくらい慎重なものなのだなと思いました。

執筆/鳥野とり子

(監修:鈴木先生より)
ASD(自閉スペクトラム症)やADHDの診断は医師のセンス(知識と経験)によってかなり違いがあります。何かほかのお子さんと違うなと思ったら、まずはかかりつけ医に相談するといいでしょう。ただ、神経発達症の診断には経験と知識が必要です。
年齢が低いほど神経発達症の診断をするリスクは高いのですが、できるだけ早期介入ができるように小児科神経外来のある総合病院で相談するのがいいと思います。投薬治療やリハビリで感覚統合訓練ができるからです。そのためには1歳半または3歳児健診で医師や保健師さんに相談してみるとスムーズに運ぶことができますよ。

(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。
※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。

ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。

ADHD(注意欠如多動症)
注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。
ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。

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