逃げる、暴れる! 発達障がいがある息子の、3歳児検診が大変。落ち込んでもポジティブな母の育児奮闘記
会社員として働きながらイラストや漫画を執筆、そして子育てに奮闘するシングルマザーの「まる」さん。忙しくも充実した日々の中、まるさんは息子のリュウ君が通う保育園で、リュウ君が発達障がいかもしれないと指摘を受けてしまう。親一人子一人、ただでさえ大変なのにどうしたらいいのだろう...そうまるさんが思い悩む中で、息子は他の子に比べればゆっくりと、しかし確実に成長していく。そんな息子に寄り添ううちに、これは息子の個性かもしれないと思えるようになっていき...。
ときにつまずきながらも、一歩ずつ進んでいくまるさんと息子のリュウ君の日々を描いたコミックエッセイ『シンママのはじめて育児は自閉症の子でした』。その一部を紹介しつつ、それぞれのシーンを描いていたときの心情をまるさんに聞きました。
本稿では何かと大変なことばかりだった、リュウ君の3歳児検診でのエピソードをお届けします。
検診前に受け取った書類に書かれていたのは、検尿、視力・聴力検査、自分で洋服が着られるかどうかなど。「定型発達の3歳児はこんなこともできるの!?」と不安なまるさん。「発達障がいだと知らせているし、きっと何とかなる!」と検診に向かいますが...。
リュウ君を捕まえては逃げ出し、捕まえては逃げ出し...の繰り返しでヘトヘトに。そして、「何かあったら連絡を」と差し出された用紙に書かれていたのは、すでに連絡したことがある発達支援センターの連絡先で、余計に疲労を感じてしまうまるさん...。
バタバタと終った3歳児検診から半年。目に見えるほどリュウ君は成長し、まるさん自身も余裕ができたようで、次は就学時検診だな...と落ち着いて考えられるように。
――「何とかなる!」と飛び込んだ3歳児検診ですが、大変だったようですね。
まるさん(以下、まる) 本当に...。癇癪はないのその辺は心配なかったのですが、じっとしていられず動きまわることだけが困りごとでした。保健師さんや診察をする先生と落ち着いて話すこともできないし、並んでいた列からフラフラと抜け出して、止めようとすると凄い力で反抗したり、床に寝っ転がったり、怒ったり...振り回されっ放しでした。
――どんな検査があるかは、資料が届いて初めて知ったそうですね。
まる そうなんですよ。近くに情報交換できるママ友がいなかったし、前もって調べたりもしなかったんです。
――検診から半年後のリュウ君の様子も描かれていますが、まるさん自身が成長したと感じる部分はどこですか?
まる 言葉や感情の表現もかなり増えましたし、声かけや手振りで伝わることが増えました! 今でもじっと待つことはできないし、会話もできません。でも、嫌なことは「イヤー!」とはっきり意思表示するし、「ここに座って」と言うと座ってくれます。とはいえ、座ってもすぐ動き出すし、分かっているのに聞こえないフリをすることもありますけどね(笑)。
「現在できること」が分かった3歳児検診。でもおかげで、できることが増えると成長を強く実感することができたのだろう。まるさんが話す「今できないこと」が、就学時検診のときにどれくらいできるようになっているか楽しみだ。
「どうしてうちの子が!?」と悩み、苦しみながらも、少しずつ成長する息子の姿に力を得て、一歩ずつ前に進んでいくまるさん。発達障がいを「障がい」ではなく「個性」と思えるほど子どもに寄り添い、一緒に成長していく姿をで見守っていこう。